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【コラム】超高齢社会の日本、なぜ法律で定年を延長しなかったのか(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
定年延長が労働市場の争点として浮上した。韓国労総は先月、社会的対話機構である経済社会労働委員会に復帰し、定年延長を最優先議論課題として提示した。定年を5年ごとに1歳ずつ伸ばし、2033年までに65歳に伸ばそうという。もちろん、法で強制する定年だ。

経済社会労働委員会の金文洙(キム・ムンス)委員長は手を振った。「大企業と公企業だけが恩恵を受ける」と話したからだ。経営界も過度な人件費負担と青年就職難などを挙げて難色を示した。労使政ともに少子高齢化にともなう副作用を減らす必要があるということには共感する。しかし、高齢者を雇用する方式をめぐって解決策がまちまちであり、議論の過程に難航が予想される。

定年延長が話題になると、日本の事例が浮き彫りになっている。全世界で号俸制という賃金体系を持つ国は韓国と日本だけだからだ。「日本は65歳までに定年延長を軟着陸させた」「最近は70歳まで定年を法で保障する」という報道が殺到する理由だ。半分は正しく半分は間違っている、実際の日本の実態が分からず混乱させる報道だ。


日本は1994年、深刻な少子高齢化に対応するため、韓国のように法定定年を60歳に延長(高年齢者等の雇用安定等に関する法律)した。その後、さらに2回にわたって高齢者雇用を促進する措置を取った。2006年、65歳の「雇用確保措置義務化」を施行した。定年を延長するか、継続雇用(再雇用)または定年廃止のいずれかを選択して運用するようにした。2021年には「70歳まで就職確保措置」をするように勧めた。高齢者が望む場合、70歳まで委託業務(フリーランサー)契約をするか、社会貢献事業(ボランティア)のような形で配慮してほしいということだ。

注目すべき点は、法定定年は変えずに60歳で維持している。代わりに、企業に選択肢を与えて自律権を保障する形で高齢者の雇用を促す。日本はなぜこのような高齢者雇用促進策をとったのだろうか。学習院大学経営学部の今野浩一郎名誉教授は「福祉雇用」という言葉を用いて解説した。「福祉雇用」とは、企業が必要だからではなく、政策のために高齢人材雇用を引き受けることになることで発生する現象を指す。政府と政策の過度な労働市場介入を警戒する用語であるわけだ。

定年延長は賃金など勤労条件調整の余地が少ない。既存の雇用契約が続くためだ。反面、再雇用は60歳の定年時点で既存の雇用契約を解約し、新しい雇用契約を締結する。勤労条件を能力に合わせて調整できるということだ。定年廃止は年齢を理由に解雇できないということだ。代わりに、雇用契約は自律の領域だ。

この措置が施行された後、日本では2022年6月基準で大企業は83%が再雇用を選択した反面、中小企業では26%が定年延長や廃止を導入した。仁川(インチョン)大学経営大学のキム・ドンベ学長は「中小企業は賃金の年功性が比較的に弱いうえに、人材需給条件が劣悪なのが定年制の拡大を選ぶ主な要因」と話した。



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