ひきこもり青年ホン・ソンミンさん(仮名、27)が7日午後、ソウル下月谷洞(ハウォルゴクトン)で中央日報のインタビューに応じた。 カン・ジョンヒョン記者
2021年、ホンさんは進路を変えていくつかの会社に履歴書を出してみたが、就職には至らなかった。「これまで何をしていたのか」「経験がない」などの反応に接するにつれ、心の傷は深まった。最後に希望をかけた会社も不合格になると、ホンさんは崩れていった。家族と会うのも避けた。家賃が最も安いところを探し、ソウル大学洞で家賃28万ウォン(約3万円)・3坪の部屋を借りて閉じこもるようになった。
扉さえほとんど開かなかった1年間、部屋の中にはかびが生えていた。寒い冬、暖房が効かず、水を沸かした熱気で持ちこたえたため、窓枠、衣装棚、その中のジーンズにもかびが広がった。ホンさんは「最初は2、3日間シャワーを浴びなければかゆくなって耐えられなかったが、時間が経過するにつれて1週間、1カ月ほどシャワーを浴びずに過ごすようになった」と伝えた。そして「目が覚めればまた眠くなるまでLOL(リーグ・オブ・レジェンド)のゲームばかりした。現実感覚を鈍らせたかった。ゲームを終えてしばらく現実を自覚すると自己嫌悪感に襲われて涙が出てくる」と話した。
◆「ひきこもりの沼」
中央日報が会った12人の青年はひきこもり生活を「どん底」「蟻地獄」などと表現した。孤立した生活に慣れてしまい、あたかも蟻地獄のように抜け出すのが難しくなるということだ。13日に発表した保健福祉部のひきこもり実態調査によると、青年が孤立するきっかけは「就職失敗」が24.1%で最も多かった。続いて「対人関係」(23.5%)、「家族との関係」(12.4%)、「健康上の困難」(12.4%)の順だった。このほか、暴力やいじめ、経済的問題、容姿コンプレックスなどさまざまな要因が複合的に作用していると、専門家らは分析した。
新型コロナの流行で孤立はさらに深まった。2019年に約34万人と推算されたひきこもり青年は昨年54万人に増えた(保健社会研究院)。キム・テヨンさん(仮名、36)のひきこもり生活もこの時に固まった。大学院で自動車エンジンを研究したキムさんは2016年、指導教授の突然の死で博士課程進学計画がなくなり、就職がうまくいかず、研究職のフリーランサーとして3年以上働いていた。しかし新型コロナが拡大し、家の中で過ごしながら仕事を受けることになった。「当初は自分がひきこもりとは思っていなかった。怠けて暮らしているわけでもなく、やることは全部して、食事も自分で作って食べていたが…」。
◆抜け出したいが…
キムさんの在宅勤務がひきこもりに変わったのは昨年だった。自動車産業の軸が内燃機関から電気自動車に移り、キムさんが属するエンジン分野研究チームが突然なくなった。当時のキムさんの日記帳には「10日間ほど外に出ていない。目的もなく時間がただ過ぎていく。もう仕事もなく何をして生きていけばいいのか分からない」と書かれている。
キムさんは日記帳を眺めながら話した。「この時、レールから完全に離脱したと思った。ある日、書店に行こうと地下鉄を待っている間、人々があふれ出てくるのを見て足が動かなくなった。深い水の中で圧力がのしかかる感じだった」。
ひきこもり青年の80%が「現在の状態を抜け出したい」と回答し、67.2%が「孤立から抜け出そうとしたことがある」と答えた。しかしひきこもり青年の半分近く(45.6%)は「日常生活に復帰しようとしたが再び孤立した」と答えた。理由は「お金の不足」(27.2%)、「疲れる」(25%)などだった。10年間ほどひきこもり生活を続けているパク・スビンさん(仮名、30)は「克服しようと外出しても人が多くて疲れ、座れるところもない。外出すれば出費も伴うが、お金がなくてそのまま家に帰ることになる」と話した。
実際のひきこもり青年の15.8%が1週間以上服を着替えず、10.5%が1週間以上シャワーを浴びない。ホンさんのように1カ月間シャワーを浴びない人も1.2%いた。「腹が満たされても不快になるまで食べる」「空腹でも食べない」など食生活が不規則なケースも72.4%にのぼった。司法試験や公務員試験を準備しながら7年間孤立生活をしたファン・ジェウォンさん(35)は「虚しさを食べることで満たし、暴食で体重が20キロほど増えた」と語った。ファンさんの生活は長い孤立から暴飲暴食をし、その結果、自尊心が薄れ、さらに深刻な孤立に向かう悪循環の連続だった。
イ・ジュンホさん(仮名、31)は4年間続いたひきこもり生活を酒に依存した。仕事をやめて家族との言い争いが増えると、家を出て携帯電話を破壊し、酒ばかりを飲んで死ぬのを待ったという。イさんは「毎日コンビニに行き、焼酎1本にビール4缶を買って混ぜて飲んだ。酒を飲めば記憶がなくなり、あまり考えなくなった」と話した。イさんはアルコール中毒からは抜け出したが、酒と共に抗うつ剤、睡眠剤も共に服用し、記憶力が退化して脳に損傷が生じた。
20、30代のひきこもり青年が主に居住する狭い大学周辺のワンルームや考試院の環境も悪循環に陥る原因だ。10年間にわたり大学付近の4-6坪ワンルームで暮らしているチョン・ミンホさん(仮名、34)は「狭い空間に長くいると、外に出る必要性が感じられなくなり、だんだん萎縮していく」という。そして「無理に外出しても、他の人たちが遊んでいるのを見ると『あの人たちは楽しそうなのに自分はなぜこうなのか』、天気がよければ『天気もいいのに自分は何をしているのか』と憂うつになる」とし「無気力が学習されながら自分の感情を調節するのが難しくなった」と話した。
「1カ月間シャワーしていない」…1年間ドアを開けなかった部屋にかびも=韓国(2)
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