トランプ前米大統領が来年の大統領選挙で勝利する場合、北朝鮮の非核化を追求しない案を検討しているという米政治サイト「ポリティコ」の13日(現地時間)報道に対し、トランプ前大統領は自身のSNSで「私の観点が緩和されたというのは作り話であり虚偽情報」と明らかにした。
しかし専門家の間では北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に誤ったシグナルを与えかねないという懸念の声が出ている。ポリティコが報道したように、北朝鮮の完全な核廃棄を目標にせず現水準で核を凍結するだけでも制裁を緩和するという案は、北朝鮮が狙う「事実上の核保有国」認定および米国との「ビッグディール」による核軍縮が可能になるという意味であるからだ。
特にトランプ氏は在任当時、米国の伝統的な外交文法に従わなかった。今は「北核容認」を否認しているが、可能性がない話ではないという指摘が出てくる理由だ。
特にトランプ氏は報道内容を否認しながらも「ただ一つ正確なことは金正恩委員長とうまく付き合うということ」と明らかにした。金正恩委員長の立場では、米国との核談判で失敗した2019年2月のハノイノーディール(2回目の米朝首脳会談決裂)以降に進めてきた核能力の強化による見返り増大戦略を続ける誘引になりそうだ。
実際、米国の一部では、北核問題の解決がはるかに遠い状況で最悪に向かう状況を防ぐため、新たな核兵器開発・生産を中断する「凍結」を目指そうという意見もある。ニューヨークタイムズ(NYT)のコラムニストで韓半島問題専門家のデビッド・サンガー氏は2019年7月、「トランプ政権で核凍結論が浮上している」と主張した。ほぼ同じ時期、ワシントンポスト(WP)の外交・安保コラムニストのジョシュ・ロギン氏も「結局(北朝鮮が主張する)スモールディールが唯一の外交的解決法」という意見を明らかにした。
現在、国際社会の雰囲気は「北核容認」とは距離があるが、「トランプリスク」が現実化すれば韓国はもちろん日本も北朝鮮の攻撃用核兵器を頭の上にのせて暮らすことになる。アジア地域で米国の核心同盟国に挙げられる韓国と日本で、そのような状況を防ぐべきだという専門家らの注文が出てくる理由だ。
統一研究院のオ・ギョンソプ研究委員は「米国が北朝鮮との核軍縮を受け入れるというのは韓半島の安保に重大な脅威となるため、政府の立場では絶対に受け入れられない」とし「さまざまな可能性を開いておき、適切な外交的対応を用意する必要がある」と述べた。
トランプ氏が再選に成功すれば、また金正恩委員長との破格的な取引に動く可能性が高い。元・現駐米特派員からなる韓米クラブは昨年9月の外交・安保専門季刊誌「韓米ジャーナル10号」で、金正恩委員長とトランプ大統領が2018年4月から2019年8月までに交わした27通の親書全文を公開した。
トランプ氏はハノイノーディール直後の2019年3月22日付の親書で「我々の出会いに対する一部の報道とは違い、委員長と私は大きな進展を成し遂げた」とし、金正恩委員長をなだめる姿を見せた。トランプ氏が来年の再選に成功すれば、金正恩委員長とトップダウン方式の交渉局面をまた開く可能性もある。
慶南大極東問題研究所のイ・ビョンチョル教授は「『北核容認』報道の事実関係はともかく、金正恩委員長の立場では外交的に孤立した状況で動ける幅を広げることができる機会だと判断する可能性がある」とし「超強硬タカ派に挙げられるジョン・ボルトン元国家安全保障補佐官ら以前に存在した変数が消えたため、執権すれば北との交渉が予想より早く進展することも考えられる」と話した。
世宗研究所の田奉根(チョン・ボングン)研究委員は「北は自ら核抑止力がある程度確保されたと判断し、経済発展と制裁緩和のために米国との対話をまた模索する可能性がある」とし「トランプ氏も金正恩委員長と親密な関係を利用し、世界的な難題の北核問題を解決する姿を誇示するため、また米朝首脳会談を進める可能性がある」と述べた。続いて「韓国の立場では不便になるだろうが、このような米朝間の接近の可能性を北の非核化と韓半島平和定着に利用する対応策をあらかじめ準備する必要がある」と指摘した。
しかし専門家の間では北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に誤ったシグナルを与えかねないという懸念の声が出ている。ポリティコが報道したように、北朝鮮の完全な核廃棄を目標にせず現水準で核を凍結するだけでも制裁を緩和するという案は、北朝鮮が狙う「事実上の核保有国」認定および米国との「ビッグディール」による核軍縮が可能になるという意味であるからだ。
特にトランプ氏は在任当時、米国の伝統的な外交文法に従わなかった。今は「北核容認」を否認しているが、可能性がない話ではないという指摘が出てくる理由だ。
特にトランプ氏は報道内容を否認しながらも「ただ一つ正確なことは金正恩委員長とうまく付き合うということ」と明らかにした。金正恩委員長の立場では、米国との核談判で失敗した2019年2月のハノイノーディール(2回目の米朝首脳会談決裂)以降に進めてきた核能力の強化による見返り増大戦略を続ける誘引になりそうだ。
実際、米国の一部では、北核問題の解決がはるかに遠い状況で最悪に向かう状況を防ぐため、新たな核兵器開発・生産を中断する「凍結」を目指そうという意見もある。ニューヨークタイムズ(NYT)のコラムニストで韓半島問題専門家のデビッド・サンガー氏は2019年7月、「トランプ政権で核凍結論が浮上している」と主張した。ほぼ同じ時期、ワシントンポスト(WP)の外交・安保コラムニストのジョシュ・ロギン氏も「結局(北朝鮮が主張する)スモールディールが唯一の外交的解決法」という意見を明らかにした。
現在、国際社会の雰囲気は「北核容認」とは距離があるが、「トランプリスク」が現実化すれば韓国はもちろん日本も北朝鮮の攻撃用核兵器を頭の上にのせて暮らすことになる。アジア地域で米国の核心同盟国に挙げられる韓国と日本で、そのような状況を防ぐべきだという専門家らの注文が出てくる理由だ。
統一研究院のオ・ギョンソプ研究委員は「米国が北朝鮮との核軍縮を受け入れるというのは韓半島の安保に重大な脅威となるため、政府の立場では絶対に受け入れられない」とし「さまざまな可能性を開いておき、適切な外交的対応を用意する必要がある」と述べた。
トランプ氏が再選に成功すれば、また金正恩委員長との破格的な取引に動く可能性が高い。元・現駐米特派員からなる韓米クラブは昨年9月の外交・安保専門季刊誌「韓米ジャーナル10号」で、金正恩委員長とトランプ大統領が2018年4月から2019年8月までに交わした27通の親書全文を公開した。
トランプ氏はハノイノーディール直後の2019年3月22日付の親書で「我々の出会いに対する一部の報道とは違い、委員長と私は大きな進展を成し遂げた」とし、金正恩委員長をなだめる姿を見せた。トランプ氏が来年の再選に成功すれば、金正恩委員長とトップダウン方式の交渉局面をまた開く可能性もある。
慶南大極東問題研究所のイ・ビョンチョル教授は「『北核容認』報道の事実関係はともかく、金正恩委員長の立場では外交的に孤立した状況で動ける幅を広げることができる機会だと判断する可能性がある」とし「超強硬タカ派に挙げられるジョン・ボルトン元国家安全保障補佐官ら以前に存在した変数が消えたため、執権すれば北との交渉が予想より早く進展することも考えられる」と話した。
世宗研究所の田奉根(チョン・ボングン)研究委員は「北は自ら核抑止力がある程度確保されたと判断し、経済発展と制裁緩和のために米国との対話をまた模索する可能性がある」とし「トランプ氏も金正恩委員長と親密な関係を利用し、世界的な難題の北核問題を解決する姿を誇示するため、また米朝首脳会談を進める可能性がある」と述べた。続いて「韓国の立場では不便になるだろうが、このような米朝間の接近の可能性を北の非核化と韓半島平和定着に利用する対応策をあらかじめ準備する必要がある」と指摘した。
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