英国ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃にとって２０２３年は意味が大きかった。チャールズ３世が６４年ぶりに王位を継承し、今年５月に戴冠式を行った。ウィリアム皇太子は継承順位１位に近づいた。そのような年を締めくくりながら、彼らが撮った家族写真はやや意外だ。白いシャツに黒いデニムジーンズとスニーカー姿だったからだ。さらに、カラーではなく白黒写真を選んだ。２人の息子ジョージ王子やルイ王子、娘のシャーロット王女も同じ格好で明るく笑っている。

英紙ガーディアンは１０日（現地時間）、「これは（弟）ヘンリー王子と妻のメーガン妃が撮りそうな写真ではないか」という評価を出した。「王室から不当な待遇を受けた」と独立を宣言し、妻の故国である米国に渡って独自路線を歩んでいるヘンリー王子側にさらに似合いそうな破格だという指摘だ。英紙ボーグ（Ｖｏｇｕｅ）は「白黒にカジュアルテーマを選んだこと自体が英国王室の未来は違うというメッセージを確実にしたもの」と解説した。

ウィリアム皇太子の２０２３年年末の家族写真は、毎年英国王室家族がクリスマスカード用に撮影して配布する伝統に従ったものだ。彼らは写真撮影の伝統に従うと同時に、撮影内容は変えることで伝統を変える面貌を次世代の国王夫妻が見せたわけだ。


たいていは謹厳な王室の雰囲気によって、英国国旗であるユニオンジャックを象徴する色である青、白、赤をテーマにした華麗な盛装の写真を撮影する。今年、チャールズ３世とカミラ王妃は戴冠式の写真をカードに使った。王室のカードは英国内の政界、学界を含む多様な社会階層や外交使節および英連邦（ｔｈｅ　ｃｏｍｍｏｎ　ｗｅａｌｔｈ）国家などに送られる。

ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃の白黒のカジュアルプロフィール写真に対する世界の関心は熱い。「（カジュアルなブランド）ギャップ（ＧＡＰ）、またはジェイクルー（Ｊ．Ｃｒｅｗ）の広告かと思った」（インスタイル）、「皇太子夫妻としてはかなり大胆な選択」（ザ・サン）などの評価が殺到した。

皇太子夫妻の昨年のクリスマスカード写真のテーマは「自然さ」だった。５人が明るく笑いながら楽な格好で歩いていく場面を演出した。今回は白黒を選ぶことで一層破格になったという評価だ。一部では批判的な声も上がる。ガーディアンが「キラキラして当然なクリスマスカードに白黒の写真だなんてあり得ない」というコラムを載せたのが代表的だ。しかし、弟のヘンリー王子と妻のメーガン妃との対立とデマが浮上したことを経験したウィリアム皇太子夫妻が、それなりの斬新なイメージを図ろうとする試みとして見る見方もある。

注目すべきもう一つの対象は、３人の子供の成長だ。皇太子妃夫妻には一人の娘と二人の息子がいるが、ジョージ王子は２０１３年、シャーロット王女は２０１５年、末っ子のルイ王子は２０１８年生まれだ。３人の子供は今回の写真では大人しくなって両親の前でポーズを取っている。祖父の誕生日パーティーの行事で、馬糞の匂いに鼻をつぶりながら眉をひそめ、「シーンスティラー」（注目を集める脇役）と呼ばれたルイ王子は、特に立派な王子としての風貌を輝かせる。英国王室公式インスタグラムのコメントには「これ以上成長しないで」から「赤ちゃんのごろから知っていた小さな王子様はどこに行ったのか」などの内容が見える。