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【コラム】韓日中3カ国の世界遺産競争…数を増やすのに意味はない(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◆数が増えて観光効果は弱まる

韓国でも最近、世界遺産登録の動きが目立つ。各種選挙のたびに欠かさず公約として登場する。競争が激しくなり、最近では単一遺跡でなく複数の遺跡を一つにまとめて指定する傾向が強まり、周辺に世界遺産を見るのはもう難しいことではない。例えば百済遺産地区の場合、ソウル・扶余(ブヨ)・公州(コンジュ)・益山(イクサン)などが共に選定された。伽耶や書院もそうで、広い地域にある。このような傾向は中国も同じで、市街全体が選定されることもある。中国北京はすでに7件も登録されているが、北京旧市街(北京中軸線、Beijing Central Axis)の来年の登録を準備している。

韓国の自治体が世界遺産競争に参入した最も大きな理由は観光資源に対する期待のためだ。しかし周辺に世界遺産が増え、その希少性も落ちている。もう世界遺産登録自体を目的にするよりも、その遺産を維持・管理する費用と効果を綿密に検討する必要がある。


世界遺産の競争の裏には文化遺産の破壊という問題も依然として残っている。新築高層マンションに隠れた金浦章陵(キンポ・チャンヌン)のように、すでに指定された世界遺産が法廷争いになったケースもある。経済開発による文化財毀損問題も続いている。例えば春川中島(チュンチョン・チュンド)のレゴランド敷地の場合、青銅器時代の住居跡やコインドル(支石墓)が大量に発見された。韓国を代表する先史時代遺跡であり韓国最大の遺跡だった。しかし遺跡の発掘が終了し、その上にレゴランドが建設された。

一方、似た規模の日本東北の三内丸山遺跡は2021年に世界遺産に登録された。韓国の青銅器時代に匹敵する九州の吉野ヶ里弥生文化遺跡も開発でなく遺跡公園を造成し、世界的な考古学名所として定着した。

最近経済開発にまい進する中国も遺跡の保護には厳格だ。2008年、満州西側の遼河上流で代表的な青銅器時代の夏家店下層文化に属する「二道井子」という城跡が高速道路建設中に発見された。この遺跡周辺ですでに数百の似た城跡が発見されていたため、遺跡を発掘してから工事を続けると予想された。

しかし中国政府は、中島レゴランドの4分の1にしかならない二道井子遺跡を保存するため、遺跡の下にトンネルを掘って高速道路を通過させた。中国と比較しても韓国の現実はみすぼらしい。このため「中国が集安の高句麗古墳を発掘してその上にテーマパークを建設するといっても、我々は何も言えない」という声が出ている状況だ。

◆世界遺産の本当の意味は?

ユネスコは第2次世界大戦以降に設立された教育と文化のための国際機関だ。ユネスコの最も成功した事業に世界遺産が挙げられる。21世紀に入っても世界遺産に対する関心は高まっているが、本来の趣旨はかすんで政治的に悪用されるケースが増えている。文化財と開発の間の葛藤も依然として存在する。

もう我々も振り返ってみる時になった。世界遺産の数を各国の文化水準と考えて、登録自体にエネルギーを注ごうとしているのではないだろうか。世界遺産の本当の意味、そして韓国が世界文化遺産の保護のためにやるべきこともう少し真摯に考える時が来たようだ。

カン・インウク/慶煕大史学科教授


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