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【社説】西海公務員「越北」捏造を確認、文在寅前大統領が答えるべき

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2020年9月22日に韓国海洋水産部の公務員イ・デジュン氏が北朝鮮海域で漂流中に北朝鮮軍に発見された事実を当時の文在寅(ムン・ジェイン)政権は把握していたにもかかわらず、対応をとらず、イ氏が射殺、焼却された後には根拠もなく「独自の越北」に見せかけようとしたという監査院の監査結果が公開された。これが事実なら想像を超越する国紀紊乱犯罪だ。

昨日の監査院によると、国軍合同参謀本部はその日午後4時43分ごろ、前日に行方不明になったイ氏が38時間後に北朝鮮軍に発見された事実を把握し、上層部に報告した。しかし文在寅政権の青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安保室と関係機関は傍観した。国防部の救出作戦、統一部の送還努力、海警の捜索救助もなかった。特に海警庁はイ氏の漂流事実を安保室から伝えられても、警察の実務陣に知らせず、27キロ離れたところで無駄な救助作業をさせた。

イ氏はこの日午後9時40分ごろ北朝鮮軍に射殺され、遺体が燃やされた。安保室は午後10時ごろ事実を把握したが、これを隠蔽することにした。これを受け、軍と国家情報院はそれぞれの関連諜報60件、46件を無断削除した。またイ氏射殺の半日後の23日昼まで「行方不明」とだけ伝え、イ氏が生存しているかのように国民を欺いた。


最悪なのはイ氏を「越北者」に見せかけた点だ。安保室は「自ら越北したとワンボイス(一つの声)対応をすべき」という指針を出し、関係機関がこれに基づいて報告書を出すようにした。合同参謀本部は漁業指導船で発見されたスリッパがイ氏のものという証拠がないにもかかわらず、イ氏が裸足で海に飛び込んで20キロほど泳いだというあきれる報告書を出した。海警も越北に合わない証拠は排除し、「賭博で借金が多かった」として自ら越北したように見せかけた。

「人が優先」というスローガンで執権した文在寅政権が国民の生命を無視して「越北者」の烙印まで押した状況が確認されただけに、これは許されない犯罪だ。当時の徐薫(ソ・フン)安保室長、朴智元(パク・ジウォン)国家情報院長、徐旭(ソ・ウク)国防長官らが捜査を受けているが、このようなことを上からの指示もなく進めたというのは疑問だ。「越北」捏造の根幹が誰であるかを明確にする必要がある。当時のコントロールタワーは青瓦台安保室であり、その最高指揮者は文在寅大統領だった。文大統領はイ氏が射殺される3時間前に状況報告を受けたが深夜の対策会議に出席せず、射殺事実の報告を受けたのは翌日の朝だった。国民が射殺・焼却されても大統領が眠っていたというのを誰が信じるだろうか。しかもこの事件に関連した大統領の報告・指示内容は閲覧が15年間禁止されているとはあきれる状況だ。今からでも文前大統領は当時どのように報告を受け、どのように対応したかを詳細に明らかにする必要がある。



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