この日の判決は検察が２０２１年９月に大庄洞疑惑に関連して全面的な捜査に着手した後に出てきた最初の有罪判断だ。ただ、今回の裁判では金湧元副院長の政治資金・収賄容疑に対して李在明代表との直接的な共謀関係が適用されなかった。検察は金被告が選挙資金名目で資金を受けたと見なしたが、実際その資金が大統領選挙キャンプでどう使われたのかが究明されなかったからだ。にもかかわらず裁判所はこの日、金被告が「李在明の手足」にすぎなかったという点を考慮したと分析される。特に２０１４年４月の地方選挙を控えて金被告がユ被告から１億ウォンを受けた容疑については「被告に対する賄賂というよりも、李在明城南市長再選の選挙資金として提供される性格のお金」として無罪の判断をした。

今回の判決は他の大庄洞関連裁判にも影響を及ぼすというのが法曹界内外の見方だ。この日、金被告の容疑の大半は直接的な物証はなく、ユ・ドンギュ被告の言葉に基づくものだ。金被告側は裁判中、「ユ・ドンギュの詐欺」としてユ被告の陳述を信じることはできないという主張をした。しかし裁判所はこの日、「一部に不正確な陳述はあるが、犯行の主要部分は比較的一貫した陳述をしていて信憑性は低くない」と判断した。これに対し検察関係者は「裁判所が今日認めたユ被告、ナム被告の陳述の信憑性が、他の裁判にもつながる状況」とし「裁判所は違うが、ユ被告の証言の信憑性が貫徹される可能性がある」と述べた。

ユ被告は記者らに対し「周囲にいる人たちは李在明のための道具だった」とし「利益を得ているのは李在明」と主張した。また「私もそこにいる時は足を深く踏み入れていることを知らなかった。国民に申し訳なく、今後、事実をそのまま伝えていく」と話した。


半面、金被告側の弁護人（キム・ギピョ弁護士）は「事実関係と合わないユ・ドンギュの陳述を裁判所は簡単に『錯覚したようだ』と判断したが、裁判所がこの点を軽く見て有罪判決をしたのは遺憾」と述べた。この日、裁判所近くに集まった李代表の支持者は無罪を言い渡されて出てきたユ被告に暴言を浴びせたりもした。

与党は直ちに攻勢に入った。国民の力の朴正河（パク・ジョンハ）報道官は論評で「今日の判決で、クリーンで公正であるべき大統領選挙過程が黒い金と癒着関係を結んだという疑いが事実と明らかになった」とし「李代表は側近らの関与だけでも政治的・道義的責任を負うべきだ」と主張した。韓東勲（ハン・ドンフン）法務部長官は「大韓民国は地方自治体の公職者が自治体の開発事業に関連して巨額の賄賂と違法資金を受ければ監獄に行かなければならない国だ」と話した。

李在明代表側はこの日、「検察のかけつぎ捜査、起訴で納得しがたい判決が出てきた」とし「１週間で２０億ウォン以上の後援支援金が集まるほど選挙資金調達余力がある状況で選挙資金確保のために犯罪をしたというのは信じがたい。不正資金は１ウォンもなかった」と強調した。民主党のある議員は「これを口実で李代表を揺さぶろうという試みが党内の共感を受けたり拡散したりする可能性は０％」と話した。李代表はこの日、国会本会議が終わった後、記者らに対し「まだ裁判が終わったのではなく、もう少し見守る」と短く答えた。


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