国連安全保障理事会の様子。[写真 国連]
北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は27日(現地時間)、米国ニューヨーク国連本部で開かれた安保理緊急会議で「現在5000基以上の衛星が地球の軌道を回っているのに、なぜ北朝鮮の人工衛星だけを問題視するのか」と抗弁した。
衛星打ち上げが安保理決議違反という指摘に、金大使は「全面的に拒否して受け入れることはできない」とし「それなら米国は衛星を打ち上げる時、弾道ミサイル技術を使用しないで投石器に飛ばすのか」と詰め寄った。
金大使は最近釜山(プサン)港に米海軍第1空母打撃群の原子力空母「カール・ビンソン」が入港した事実とあわせて、韓米・韓日米共同演習が実施されるだろうという事実に言及して「このような米国の脅威がなければ、北朝鮮も偵察衛星ではなく通信衛星など民間用衛星から打ち上げただろう」と説明した。
これに対して韓国の黄浚局(ファン・ジュングク)国連大使は「安保理決議は成功の可否とは関係なく、弾道ミサイル技術の発展に寄与するいかなる発射も禁止している」とし「北朝鮮は安保理決議を違反する次元を越えてほぼ嘲弄する水準に達している」と批判した。
特に北朝鮮が「火星(ファソン)17号」発射を記念して11月18日を「ミサイル工業節」に指定した事実を取り上げて「安保理が禁止した不法な活動を記念日に指定した事例は他のどのような国でも目にするのが難しい」と指摘した。
黄大使は「北朝鮮の挑発的行動は地域的問題ではないグローバル問題」とし「北朝鮮に対する糾弾と安保理の団結を求める」と明らかにした。
北朝鮮は21日、軍事偵察衛星「万里鏡(マンリギョン)1号」を打ち上げた。安保理はこの日午前10時、ニューヨーク国連本部で北朝鮮の3回目の軍事偵察衛星打ち上げに対する対応議論を行い、韓国を含む米国、フランス、英国など10カ国は北朝鮮の今回の偵察衛星打ち上げが弾道ミサイル技術を利用しているため国連安保理決議を違反していると主張した。
反面、中国とロシアはあらゆる論理を動員して北朝鮮の偵察衛星打ち上げを正当化した。中国の耿爽国連副大使は「いかなる国も自国の安全保障のために他国の自衛権を犠牲にさせることはできない」と述べたほか、ロシアのアンナ・エフスティグニエワ次席大使は「北朝鮮の衛星打ち上げは米国の脅威に対処するためのもの」という論理を繰り返した。
この日、拒否権を持った常任理事国の中国とロシアの立場には変化はなく、安保理は顕著な成果なく2時間余りで終了した。
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