３年前に過剰な鎮圧で黒人男性ジョージ・フロイドさんを死亡させたとして有罪判決を受け服役中だった警察官が刑務所で凶器で襲撃された。

ＡＰ通信が２５日に伝えたところによると、フロイドさんを殺害した元警察官デリック・　ショービン受刑者が前日アリゾナ州ツーソン連邦刑務所で別の収監者に刃物で刺され重傷を負った。当局は前日午後１２時３０分ごろツーソン連邦刑務所で収監者が襲撃され刑務官ら職員が救命措置を取り病院に搬送したと明らかにしたが当時身元は公開しなかった。

これに先立ちショービン受刑者の弁護士は「彼が刑務所で他の収監者の標的になる恐れがある」としながら隔離を求めてきた。弁護人が裁判所に提出した書類によると、ショービン受刑者は実際に自身を保護するため独房で過ごした。


ショービン受刑者は２０２０年５月、ミネソタ州ミネアポリスのコンビニエンスストアでフロイドさんが偽札を使ったと疑われるという通報を受けて出動し逮捕しようとする過程でフロイドさんの首をひざで押さえ付け死亡させた。フロイドさんは死亡する直前に「息ができない」と訴える場面が動画に撮られソーシャルメディア（ＳＮＳ）を通じて広がったこの事件は世界的な人種差別抗議デモにつながった。

その後ショービン受刑者は２０２１年にミネソタ州地裁でフロイドさんを殺害した容疑で２２年６月の刑を、翌年には連邦地裁でフロイドさんの公民権を侵害した容疑で懲役２０年の刑をそれぞれ宣告され服役中だった。

ショービン受刑者は当初保安レベルが最高級であるミネソタ州刑務所に収監されたが昨年８月にツーソン連邦刑務所に移された。