◆「イスラエルと事業をするな」…反ユダヤ掲示物で解雇も

今回の戦争はグローバル企業内の構成員の葛藤にも飛び火している。ワシントンポスト（ＷＰ）などによると、グーグルとアマゾンの一部の職員はイスラエルを公開的に支持した会社側に対し、ガザ地区の人道主義的な危機にも立場を表明するよう圧力を加えている。また、グーグルとアマゾンが参加することにしたイスラエル政府との事業契約を撤回すべきだという主張もしている。フェイスブックの親企業メタの一部の職員は、社内掲示板に載せたパレスチナ支持コメントが削除されたという疑惑を提起している。

戦争と関連した職員の解雇、辞職も続いている。カナダの航空会社エアカナダはソーシャルメディアに反ユダヤ掲示物を載せたパイロットを解雇し、米ニューヨークのローファームも似た理由でロースクール在学生の採用を取り消した。ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）のある記者はイスラエル批判宣言文に名前を載せたことで使用者側から指摘を受けて辞職し、ＢＢＣの記者はＢＢＣがハマスを「テロ組織」と呼ばないことに反発して退社した。


こうした現象に関連し、ベルギー・ゲント大のアンソフィ・クレイス企業コミュニケーション学部教授はユーロニュースに「対立が極端に向かっている現在のような状況では企業の対応が容易でない」と話した。その一方で「企業が追求する価値を深く考慮し、それに基づいて行動し、十分に意思疎通をしなければいけない」と助言した。

不買運動が活発な国の中では自制を求める声も出ている。エジプト商工会議所は自国内の親イスラエル企業不買運動に関する声明で「結局、数万人のエジプトの労働者と投資家、そして経済に悪影響を及ぼす」として自制を呼びかけた。


スタバは双方から非難…ＣＥＯも退かせるイスラエル・パレスチナ不買運動（１）