イスラエルとパレスチナの武装組織ハマスの戦争が１カ月以上続く中、イラク・シリアなどで米軍を狙った攻撃が増えている。エジプト・ヨルダンと国境が接するイスラエル南部地域も攻撃を受けるなど、中東地域で紛争拡大の危機が高まっている。

◆空軍基地にドローン急襲、武器貯蔵庫を狙った攻撃も

９日（現地時間）のロイター通信によると、米軍当局者はこの日の一日にイラク・シリアで米軍が４回の攻撃を受け、３人が負傷したと伝えた。イラクだけで３回の攻撃があった。米国主導の国際連合軍護送隊がこの日午前、イラク・モスルのダム付近を通過する際に即席爆発装置（ＩＥＤ）が爆発し、バグダッド西側のアイン・アルアサド空軍基地、北部アルビルのアル・ハリール空軍基地にはドローンが飛んだ。シリア東部では米軍の武器貯蔵庫を狙った攻撃が発生した。


この日、米国防総省のサブリナ・シン副報道官は「先月１７日以降、米軍を狙った攻撃がイラク（２４件）とシリア（２２件）で計４６件発生し、米軍５６人が負傷した」と明らかにした。米軍は攻撃の背後にイラク・シリアの民兵隊など親イラン武装勢力を挙げた。米軍はこうした攻撃に対応するため、前日、シリア内のイランイスラム革命防衛隊（ＩＲＧＣ）とその連係団体が使用する軍事施設を打撃した。

米国次官補（中東担当）を務めたワシントン近東政策研究所（ＷＩＮＥＰ）のデビッド・シェンカー・アラブ政治プログラム責任者は「イランとその同盟国、そして米国ともに直接的な対決を望まないとみられるが、リスクは高まっている」とし「米国を紛争に引き込む親イラン勢力の大規模な攻撃の可能性は現実的な懸念」と述べた。

イスラエル南部地域も不安だ。紅海のアカバ湾の北奥にある最南端の港町エイラートはこの日、ドローンおよびミサイル攻撃を受け、学校の建物の一部が破壊された。エイラート北側のネゲブ砂漠南部にも不審な飛行体が現れ、イスラエル軍が迎撃した。

イランの支援を受けるイエメンのフーシ派反乱軍が自らの攻撃だと主張した。フーシ派反乱軍はこの日の声明で「我々がシオニスト（ユダヤ民族主義者、イスラエル）の敵が占領した地域の南側の複数の目標物に弾道ミサイルを発射した」とし「ガザ地区でイスラエルの攻撃が終わるまでパレスチナ住民を支援する軍事作戦を続けていく」と脅迫した。

このように中東地域の紛争拡大危機が高まる状況で、イスラエル国防軍（ＩＤＦ）はガザ地区北部の最大都市でありハマスの拠点であるガザシティで市街戦を続けた。この日、ＩＤＦは「ガザシティ内のアルシファ病院付近の軍事区域で作戦を進行中」とし「交戦中に約５０人のハマス隊員を射殺した」と明らかにした。