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仮想世界に入ったaespa…現実に飛び出した仮想アイドル

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

今月21日までソウル江南区(カンナムグ)メガボックスCOEXで開かれるガールズグループ「aespa」のVRコンサート。[写真 SMエンターテインメント、スタジオ・リアルライブ]

VR(バーチャル・リアリティー)機器を使うと、目の前には広々とした宇宙空間が繰り広げられた。ブラックホールに吸い込まれるように移動したところには、ガールズグループaespa(エスパ)の4人のメンバーが待っていた。手を伸ばすと仮想応援棒がつかまった。メンバーたちは目の前でデビュー曲『Black Mamba』を歌い始め、上映館内の約30人の観客はaespaとそれぞれ目を合わせながら公演を楽しんだ。先月25日から今月21日までソウル江南区メガボックスCOEXで開かれる「LYNK-POP : THE 1st VR CONCERT - aespa」現場だ。

K-POP市場で現実と仮想の境界が崩れている。現実に存在するが、遠く感じられていたアイドルは仮想世界に入ってファンともっと近くで交感を試みる。着実に増えている仮想アイドルグループは徐々にオフライン舞台に進出している。彼らは観客と現場でコンサートの熱気を満たしていく。

VRコンサートの核心は歌手とファンの距離感だ。表情はもちろん、肌や髪が見えるほど近い距離に舞台がある。2Dではなく3Dで実現される舞台は歌手の身長と体格などが実物に近い。リアルに実現された歌手が観客に近づき、視線を合わせながら歌と振り付けをする。


aespaは約30分間で5曲を歌った。2~3時間行われる一般コンサートに比べれば短いが、ファンの満足度は高い。デビューの時からaespaのファンだったというキム・ジミンさん(23)は「好きな歌手が私だけのために公演してくれる個別コンサートの感じで特別で生々しい」とし「ファンなら一度は経験したい幸せな時間だった」と話した。

aespaのVRコンサートの企画を引き受けたスタジオ・リアルライブのイ・スンウ代表は「制作に4~5カ月がかかった」と話した。「VR機器が両眼用なのでレンズ2つで撮影しなければならなかった」として「観客の視線を想像し、それに合う速度でカメラを動かして振り付けをした」と話した。スタジオ・リアルライブは、米国のVRコンテンツ制作会社「アメイズVR」と提携し、VRコンサートを徐々に増やしていく計画だ。aespaの次の打者はグループEXOのメンバーカーだ。

仮想アイドルは徐々にオフライン現実に飛び出す傾向にある。仮想アイドル「Eternity」は先月14~15日、京畿道光明市(キョンギド・クァンミョンシ)のAvex(エイベックス)スタジオで初の単独公演を開いた。大型電光掲示板から抜け出せなかったという限界はあったが、超大型高解像度(16K)LEDと照明・音響などで臨場感を加えた。Eternityを制作したPULSE9(パルスナイン)のパク・ジウン代表は記者懇談会で「映画館のスクリーンと実際のアイドル舞台の中間地帯にある『ハイブリッド公演』」と紹介した。「大衆と直接会う場を開くという側面で今後のEternity活動に大きな転換点になるだろう」と話した。

5人組仮想アイドル「PLAVE(プレイブ)」も9月、ソウル麻浦区(マポグ)ワールドカップ(W杯)競技場で初のオフライン舞台を飾った。5000人のファンダム「プリー」が集まった中で舞台前の席より電光掲示板を一目で見られる2階席を巡り激しい席戦争が繰り広げられた。同日、仁川松島(インチョン・ソンド)のタルビッ祭り公園では6人組仮想グループの異世界アイドルが「2023異世界フェスティバル」ヘッドライナーとして出た。このフェスティバルは1次前売り開始8分で1万席が全席売り切れとなる記録を立てたりもした。

大衆文化評論家のキム・ホンシク氏は「K-POPアイドル文化を享有するMZ世代にはこれ以上『本物か偽物か』が重要ではない。彼らにとって重要なのは文化を通じて感じる満足感」と分析した。このため「3Dで実現されたaespaであれ、現実に出てきた仮想アイドルであれ、コンサートそのものでファンに意味がある」と説明した。仮想アイドルのオフラインコンサートが増える理由については「コロナ禍を経て現実空間で文化を共有し、ともに呼吸することが重要になった。コンサートは仮想アイドルが好きな人たちが一堂に会することができ、その物理的な空間で行われる公演自体はもう一つは現場コンテンツになり得る」と指摘した。



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