蚊が増えたことで、蚊が媒介する疾病に対する警告も増えた。WPは2040年になれば世界人口予測値(約90億人)の半分以上の50億人がマラリアに感染すると予想した。
マラリアは2000年代に入って治療法が改善され、殺虫剤が普及したことで、世界的に発病率と死亡率が急減し、「後進国疾病」と呼ばれた。ところが温暖化が進み、第3世界はもちろん先進国をも脅かしている。今年、米国のフロリダ州・テキサス州などでは20年ぶりに地域内でマラリア感染事例が発生した。
韓国でもマラリア患者が増えた。今年に入って先月14日まで集計されたマラリア患者は719人と、2011年以来12年ぶりに年間700人を超えた。
国内の蚊分野の権威者、高神大のイ・ドンギュ保健環境学部客員教授(理学博士)は中央日報に「気候変動でマラリアを媒介するハマダラカの活動期間が増えた。こうした媒介蚊が北朝鮮側から暖かい環境を求めて越えてくる状況も患者の増加に影響を与えた」と説明した。
デング熱の拡大に緊張する国も多い。欧州疾病予防管理センター(ECDC)は今年1-10月に世界79カ国でデング熱感染者が計420万人が発生し、うち3000人以上が死亡したと明らかにした。
バングラデシュでは今年1-9月にデング熱患者が20万人以上も発生し、1006人が死亡した。今年1-9月に発生した死亡者数が、2000年から昨年までデング熱で死亡した人の数より多い。南米ペルーでは過去最多のデング熱患者が発生して保健非常事態が宣言され、保健相が辞任した。今年1-6月に14万6000人のデング熱患者が発生し、うち248人が死亡した。
韓国もデング熱安全地帯ではないという懸念が出ている。韓国国内にもデング熱を媒介するヒトスジシマカが生息しているが、まだデング熱ウイルスがあるヒトスジシマカは発見されていない。しかしイ・ドンギュ教授は「2050年代になれば韓国の真冬の1月の気温が平均10度以上になるという予想があるが、この場合、ヒトスジシマカが成虫として越冬することができる」と懸念を表した。海外でデング熱に感染した患者を吸血した蚊が成虫で越冬した後、翌年、ウイルスを伝播する可能性があるからだ。
◆強くなった蚊、殺虫剤に抵抗性も
過去に比べて殺虫剤に対する蚊の抵抗性が高まった点も「大流行」の原因の一つだ。イ教授によると、殺虫剤を使用する環境では同じ蚊から生まれも化学物質に強い遺伝子を持つ蚊の生存率が高い。
この過程が数世代繰り返されれば数倍の濃度の殺虫剤でも死なない蚊が現れる。実際、日本国立感染病研究所の研究の結果、ベトナムとカンボジアに生息するエジプトの森の蚊の80%以上が、広く使用されるピレスロイド系殺虫剤に強い抵抗性を見せる遺伝子を持っていた。
一部では遺伝子操作などを活用して蚊を「改良」したり、撲滅すべきだという主張もある。しかしイ教授は「蚊が消えても蚊に代わる別の生物が多く、蚊の繁殖力を考慮すると撲滅は現実的に難しい」と話した。
温暖化でヒマラヤにも蚊…世界「50億人マラリア」警告(1)
マラリアは2000年代に入って治療法が改善され、殺虫剤が普及したことで、世界的に発病率と死亡率が急減し、「後進国疾病」と呼ばれた。ところが温暖化が進み、第3世界はもちろん先進国をも脅かしている。今年、米国のフロリダ州・テキサス州などでは20年ぶりに地域内でマラリア感染事例が発生した。
韓国でもマラリア患者が増えた。今年に入って先月14日まで集計されたマラリア患者は719人と、2011年以来12年ぶりに年間700人を超えた。
国内の蚊分野の権威者、高神大のイ・ドンギュ保健環境学部客員教授(理学博士)は中央日報に「気候変動でマラリアを媒介するハマダラカの活動期間が増えた。こうした媒介蚊が北朝鮮側から暖かい環境を求めて越えてくる状況も患者の増加に影響を与えた」と説明した。
デング熱の拡大に緊張する国も多い。欧州疾病予防管理センター(ECDC)は今年1-10月に世界79カ国でデング熱感染者が計420万人が発生し、うち3000人以上が死亡したと明らかにした。
バングラデシュでは今年1-9月にデング熱患者が20万人以上も発生し、1006人が死亡した。今年1-9月に発生した死亡者数が、2000年から昨年までデング熱で死亡した人の数より多い。南米ペルーでは過去最多のデング熱患者が発生して保健非常事態が宣言され、保健相が辞任した。今年1-6月に14万6000人のデング熱患者が発生し、うち248人が死亡した。
韓国もデング熱安全地帯ではないという懸念が出ている。韓国国内にもデング熱を媒介するヒトスジシマカが生息しているが、まだデング熱ウイルスがあるヒトスジシマカは発見されていない。しかしイ・ドンギュ教授は「2050年代になれば韓国の真冬の1月の気温が平均10度以上になるという予想があるが、この場合、ヒトスジシマカが成虫として越冬することができる」と懸念を表した。海外でデング熱に感染した患者を吸血した蚊が成虫で越冬した後、翌年、ウイルスを伝播する可能性があるからだ。
◆強くなった蚊、殺虫剤に抵抗性も
過去に比べて殺虫剤に対する蚊の抵抗性が高まった点も「大流行」の原因の一つだ。イ教授によると、殺虫剤を使用する環境では同じ蚊から生まれも化学物質に強い遺伝子を持つ蚊の生存率が高い。
この過程が数世代繰り返されれば数倍の濃度の殺虫剤でも死なない蚊が現れる。実際、日本国立感染病研究所の研究の結果、ベトナムとカンボジアに生息するエジプトの森の蚊の80%以上が、広く使用されるピレスロイド系殺虫剤に強い抵抗性を見せる遺伝子を持っていた。
一部では遺伝子操作などを活用して蚊を「改良」したり、撲滅すべきだという主張もある。しかしイ教授は「蚊が消えても蚊に代わる別の生物が多く、蚊の繁殖力を考慮すると撲滅は現実的に難しい」と話した。
温暖化でヒマラヤにも蚊…世界「50億人マラリア」警告(1)
この記事を読んで…