イスラエルのガザ地区地上戦が４日目に入った３０日（現地時間）、イスラエル軍のタンクがパレスチナの武装勢力ハマスの拠点を狙って局地的地上戦を行い、ガザ地区の中心都市ガザシティに進入したと、ＡＦＰ通信が報じた。

ＡＦＰは目撃者の言葉を引用し、イスラエル軍のタンクがこの日、ガザ地区ザイトゥーン区域で目撃され、ガザ地区の南北をつなぐ主要道路を遮断したと伝えた。ある住民は「彼らは主要道路を遮断して車を砲撃している」と話した。

７日のハマスの奇襲に対する報復としてガザ地区への空襲を続けてきたイスラエルはこの数日間、地上作戦を強めている。イスラエル軍は激しい交戦の中、ガザ地区北部の一部も掌握した。地上戦が少なくとも数カ月から１年以上に長期化すると予想され、人的・物的被害に対する国際社会の懸念が強まっている。


ロイター通信とタイムズ・オブ・イスラエルによると、イスラエル国防軍（ＩＤＦ）は２９日、ガザ地区でパレスチナの武装勢力ハマスと激しい戦闘をしながら地上軍の作戦を拡大した。

ＩＤＦ報道官のダニエル・ハガリ少将は「夜間にガザ地区進入兵力を増やした」とし「この過程でハマスの数十人を射殺した」と明らかにした。ＩＤＦは戦闘機を動員し、ハマスの指揮所・観測所と対戦車ミサイル発射台など約６００カ所の標的を空襲した。

この日、南部の国境から数百メートルの距離にある地下トンネル「ガザメトロ」の前でも交戦があった。ハマスが数十年間構築した地下トンネル（全長４８３キロと推定）は武器庫などが集中した軍事施設だ。

ハマスの武装組織アル・カッサム旅団は「我々の戦闘員が侵略軍を迎えて機関銃と対戦車武器で激戦をした」とし、テルアビブなどイスラエルの数カ所の都市にロケット攻撃をしたと明らかにした。

エコノミストはＩＤＦがガザ地区中部を臨時拠点として数カ月から１年かけてガザ地区を掌握する「スライス」戦法をすると伝えた。全面攻勢の代わりにハマスをガザシティに閉じ込めて枯死させる戦略を選択したという分析だ。エコノミストは制限的な地上戦を繰り返せばリスクが相対的に減り、ハマスに拘束された約２００人の人質解放のための交渉の余地を残すことができると伝えた。

地上戦が本格化する中、民間人の被害は増えている。ハマスの統制を受けるガザ地区保健省はこの３週間に死者数を子ども３３２４人を含む８００５人と発表した。双方の武力衝突史上最悪の人命被害だとＡＰ通信は伝えた。

イスラエル側はガザ地区の住民に迅速な退避を改めて促した。ガザ地区の住民２３０万人のうち１４０万人は退避したが、移動が難しい数十万人はまだ北部に残っている。米国人約６００人と英国人約２００人など外国人もガザ地区にいるという。