俳優イ・ソンギュンさんの「麻薬使用疑惑」を捜査している警察が捜査範囲を拡大している。仁川（インチョン）警察庁麻薬犯罪捜査係は麻薬類管理法違反容疑で医師のＡさんを不拘束立件して捜査していると２６日、明らかにした。２５日、グループＢＩＧＢＡＮＧ（ビッグバン）のメンバーで歌手のＧ－ＤＲＡＧＯＮ（ＧＤ、本名クォン・ジヨン）さん（３５）が最近麻薬類管理法違反容疑で捜査を受けているという事実が公開された翌日、別の被疑者に対する捜査に入った。

警察によると、ソウルで病院を運営しているＡさんは、イ・ソンギュンさんやクォン・ジヨンさんら４人に麻薬類を提供した容疑がもたれている。警察はイさんらと共に立件された風俗店従業員を調査する過程でＡさんが捜査線上に浮かんできたという。警察関係者は「Ａさんについてはまだ調査していない。Ａさんが麻薬類を渡して対価として金を受け取った情況やどのような方法で提供したのか、現在までは把握されていない」と話した。

◇立件４人を含んで１０人が捜査線上に


この日警察がＡさんを捜査していると明らかにし、風俗店発「麻薬使用疑惑」に関連して捜査線上に浮かんできた人物は１０人に増えた。先月警察は「ソウル江南（カンナム）のある風俗店で麻薬使用が行われている」という内容の機密情報を入手した。諜報に登場したこの風俗店は高所得層を相手にした会員制クラブとして運営されていることが分かった。

芸能人の関与情況は警察がキム室長（２９）ら風俗店従業員を調査する中で明らかになった。調査過程で警察は財閥家子女、芸能人志望生、作曲家などが麻薬を使用した可能性があるという趣旨の聞き取りを確保したという。当時警察はキム室長の携帯電話も確保したが、ここでキム室長がイ・ソンギュンさんと数回通話をした記録を発見した。キム室長がイさんに３億５０００万ウォン（約３９００万円）を要求した事実も確認した。警察はキム室長の陳述などに基づいてイさんら８人を麻薬類使用容疑で立件前調査（内査）の対象に含めた。

警察が１９日に風俗店従業員のキム室長を麻薬使用などの容疑で逮捕した後、拘束令状を申請して強制捜査が始まった。裁判所は２１日にキム室長に対して「逃亡の恐れがある」として拘束令状を発行した。

警察は続いて２４日イ・ソンギュンさんを麻薬類管理法上大麻と向精容疑で不拘束立件したと明らかにした。警察はイさんが自宅あるいは風俗店ではないところで大麻など２種類以上の麻薬類を数回吸入・使用したと疑っている。

翌日（２５日）にはクォン・ジヨンさんが警察捜査線上に浮かんだ事実が追加で明らかになった。「かなり以前に麻薬を使用したという陳述だけがあり、確認が必要」というのが捜査機関の説明だ。クォンさんは２０１１年に大麻吸引容疑で検察の調査を受けたが当時は起訴猶予処分を受けた。警察関係者は「クォンさんが国内に滞在しているのかどうかを確認した。出国禁止などを検討する計画」と話した。

警察は近くイ・ソンギュンさんに対して試薬検査をして出頭調査を行う計画だ。警察関係者は「イさんに対する疑惑を検証している。検証を終えてできるだけ早く召喚日を決める方針」と話した。

一方、警察はこの日イ・ソンギュンさんが風俗店従業員のキム室長を告訴した事件を仁川庁麻薬犯罪捜査係に割り振った。イさん側は２０日、Ａさんに対して仁川地検に恐喝容疑で告訴状を提出した。イさん側の弁護人は中央日報の電話取材で「告訴状に麻薬関連の内容は入っていない」としたが、警察はＡさんが麻薬類吸入・使用事実を暴露すると言ってイさんにお金を要求したと疑っている。