カエルの資料写真 [Pixabay]
フィンランドのユヴァスキュラ大学や米国のミズーリ大学など共同研究チームは20日(現地時間)、国際学術誌「進化生態学」に発表した論文で「現場観察の結果、モウドクフキヤガエルのオスの子育ては産卵からオタマジャクシ発達まで6カ月以上続き、この期間にオスは自身の領域でオタマジャクシをモニタリングして運搬することが明らかになった」と明らかにした。世界最大の直瀑として有名なガイアナのカイエトゥール滝に棲息するモウドクフキヤガエルの行動特性を研究チームが数カ月間観察した結果だ。
◇成長したオタマジャクシまで背負うオスガエル
モウドクフキヤガエルは15~18ミリほどの小さいなヤドクガエル種で、メスだけ黄金色を帯びている。このカエルは2メートルを超える巨大な植物の中で生涯を送るが、植物の下にある葉に卵を産みつけてオタマジャクシを孵化させる。
論文によると、孵化したオタマジャクシはオスガエルの背中に張り付いて植物のさらに高い水溜りに運ばれる。オタマジャクシのためのより良い場所を用意するためだ。オタマジャクシは変態するまで選ばれた水溜りで生存しなければならないため、水溜りの周辺環境がその中のオタマジャクシの生存に大きな影響を及ぼす。
体長17ミリのカエルが孵化したばかりのオタマジャクシより2倍以上大きく成長したオタマジャクシ(10ミリのきさ)を背負って移動する様子も観察された。研究チームは「オスが時々大きく成熟したオタマジャクシを運ぶ点でモウドクフキヤガエルがヤドクガエルの中でも独特の種のようだ」と説明した。
◇子育て環境の良い領域を防御…メスの魅力度高まる
オスガエルはこのような強烈な保育義務の他にも潜在的侵入者から特定領域を守る積極的な防御の行動を見せた。研究チームがオスの領域を分析した結果、オタマジャクシが育ちやすい水溜りがある場所とオスが外部の敵から防御しようとする領域が一致した。逆に水の中の酸素の量を急激に減少させる粘液性物質がある水溜りは回避した。
オスガエルがこのようにオタマジャクシを育てやすい良質の領域を守ろうとするにはいくつか理由があるためだ。第一に良質の水溜りが多い地域を防御すればオタマジャクシが成長する間、快適な子育て環境を提供することができる。これを通じてオタマジャクシの生存率を高めることができる。第二の潜在的利点はメスに対する魅力度が高まるということだ。メスが繁殖に必要な資源を防御するオスは他のオスよりもつがいになる過程で優位を占めることができる。
論文共同著者のユヴァスキュラ大学のクロエ・ピュイユー研究員は「オスは未来に繁殖に役立つ領域を防御するが、これは両生類では一般的に見られない未来計画に対する認知的能力かもしれない」とし「人間でたとえるならオスがメスの妊娠前にモンテッソーリ学校の席を確保するようなもの」と話した。
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