「マクドナルドのフライドポテト１個がイスラエルに与える弾丸１発」。

このところアラブ・イスラム圏で広がっている世界的なハンバーガーチェーンのマクドナルドに対する不買運動に参加したあるマレーシア人が最近ソーシャルメディア（ＳＮＳ）でこのように主張した。エジプトの有名インフルエンサーも「この飲食店（マクドナルド）はなくなるべきで、これが私たちができる最小限のこと」と話した。

◇イスラエル軍支援に起こるアラブ・イスラム圏


不買運動はイスラエルのマクドナルドが今月初めにイスラエル南部地域を奇襲攻撃したパレスチナのイスラム組織ハマスと戦うイスラエル軍に無料で食べ物を提供すると明らかにして始まった。特に１７日にガザ地区内の病院爆発によりパレスチナ人数百人が死亡してからイスラエル軍に対するアラブ・イスラム圏の憤怒が増幅された。

その後ＳＮＳを中心に広がったマクドナルド不買運動は暴力事態に広まった。トルコ、レバノン、エジプトなどにあるマクドナルド店舗には現地の人たちが真夜中に訪ねてきてガラス窓を壊し、インドではジハーディスト（イスラム聖戦主義者）がマクドナルド店舗前でイスラエル国旗を踏みにじり警察に逮捕された。

これに対しクウェート、エジプト、ヨルダンなどのマクドナルドは「イスラエルのマクドナルドがしたことはわれわれとは別個」という声明を発表し、カタール、トルコ、バーレーン、オマーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアのマクドナルドはガザ地区に寄付金を伝達して一線を引いた。

１２０カ国に４万店以上を展開しているマクドナルドは国ごとに運営者が違う独立的な事業所だ。現地人を雇用し賃金と価格などを裁量で決めるため、アラブ・イスラム圏で買って食べるフライドポテトがイスラエル軍の弾丸として支援されるとみるのは難しい。だがイスラエルに武器を送り積極的に支持する米国に腹を立てたアラブ・イスラム圏はマクドナルドを「米国の象徴」と考え八つ当たりをしている。

過去にもマクドナルドはアラブ・イスラム圏が米国など西側と対立したり社会的不和が激しくなるとたびたび八つ当たりの対象になった。２００３年に米国主導で多国籍軍がイラクを侵攻した時にはレバノンのベイルートにあるマクドナルド店舗で爆弾が爆発し５人が負傷した。２０１１年にエジプトなどで「アラブの春」デモが起きた時もいくつかの現地店舗が攻撃を受けた。ワシントン・ポストは「米国大使館が警察の保護を受けるのと違いマクドナルドは政治的な動機により器物破損行為を受けやすい標的」と指摘した。

◇「平和の象徴」マクドナルド、戦争終息導く

各国に進出したファーストフードの代名詞マクドナルドは世界化、西欧式近代化の象徴のように見なされた。さらには経済的な豊かさとこれによる安定・平和の意味を付与する人もいた。


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