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「北朝鮮木船、亡命ではなく浸透だったら突破されていた」批判に…韓国軍が反論

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2019年11月8日午後、韓国海軍が東海(トンへ、日本名・日本海)上で北朝鮮イカ釣り木船を東海北方限界線(NLL)海域で北側に引き渡した。この木船は16人の同僚船員を殺害して逃避中に軍当局に拿捕された北朝鮮住民2人が乗っていた船だ。[写真 韓国統一部]

北朝鮮住民4人が木船に乗って東海(トンへ、日本名・日本海)北方限界線(NLL)を越えてきて亡命意思を明らかにしたことを受けて韓国政府が調査に着手している中で、軍当局の警戒態勢が俎上に載せられた。漁民の申告後に彼らに接近した点が2019年北朝鮮木船三陟(サムチョク)港入港事件を連想させるためだ。だが、軍当局は今回は該当の木船を事前に確認しており、正常な作戦により身辺を確保したという立場だ。



◇韓国軍「午前5時30分ごろ異常物体を確認して8時ごろに接近」


24日、合同参謀本部によると、軍はこの日午前4時以前からNLL北側海上で特異兆候があり、海軍哨戒機と艦艇を投じて作戦を実施した。その後午前5時30分ごろ、陸軍のレーダーを通じて陸から10カイリ(約18キロ)離れた地点で船舶と疑われる点が初めて確認された。NLLから南に約40~50キロ離れた地点だった。

陸軍は遠海からゆっくりと南西側に移動した該当の点を午前6時30分ごろからは熱線観測装備(TOD)で集中監視に入った。その後6時59分ごろTODでこの物体が船舶の形態を帯びていると判断したという。

午前7時10分ごろ操業中だった漁民から「不審な船がある」という通報があり、軍当局はこの船が自ら追跡中の物体と同じ標的であることを確認した。その後午前8時ごろ束草(ソクチョ)北東約11キロ地点に浮かんでいた木船に海警巡察艇と海軍高速艇が順に接近した後、それぞれ該当の木船と北朝鮮住民を移動させた。軍関係者は「北朝鮮軍の動きが脱北する木船を追跡することと関連があるかもしれない」と話した。

◇最初の確認から接近まで2時間30分所要…警戒態勢に「穴」?

こうして見る限りでは無理なく作戦が実行されたようだが、最初に動向をつかんでから木船に接触するまで約2時間30分もかかっている点を巡り、一部からは警戒態勢に穴が空いていたのではないかという指摘が出ている。海軍出身で北朝鮮大学院大学校のキム・ドンヨプ教授は「亡命漁船ではなく浸透だった場合、今頃すでに東海の主要施設1カ所は突破されていたかもしれない」と指摘した。北朝鮮が陸上、空中はもちろん海上からイスラエルに浸透したハマスのように挑発に出る場合、正しくなされた対応が難しいのではないかという意味だ。

この日開かれた国会国防委員会の海軍本部国政監査でも叱責が相次いだ。金炳周(キム・ビョンジュ)共に民主党議員は「NLLを越えて40~50キロまで接近する前に、海軍が確認して作戦を展開するべきだったのに、住民からの通報後に作戦を開始するのは警戒作戦の失敗と推定せざるを得ない」と話した。軍当局は該当の木船が正確にいつ、どのようなルートでNLLを越えたのかについても確認できずにいる。

◇韓国軍「レーダーで探知して標的番号まで付与した」

これに対して軍当局は積極的な説明に出た。合同参謀本部関係者は「レーダーで確認される数多くの点のうち、小さな標的一つ一つに対して出動するのは物理的に難しい」とし「そのために追跡を続けた後に特異点を発見して出動した」と述べた。時間はかかったものの、レーダーで異常物体を成功裏に探知し、その後探索まで作戦を行ったということだ。また別の軍関係者は「今回のように遠い海から木船が迂回して入ってきた場合、レーダーで識別すること自体が非常に難しい」とし「400キロを越える点も東海NLLの長さも警戒を難しくさせている要因」と説明した。限定された軍・警の資源で広大な地域を警戒しなければならない現実的な困難があるのは事実だが、北朝鮮もこのような弱点を狙った浸透にいつでも出ることができるという指摘もある。

2019年6月北朝鮮住民が木船に乗って三陟港に入港した事件に対しても再度言及があった。結果的に今回も民間漁船の通報以降に木船への接触が行われるなど本格的な作戦措置が取られたためだ。軍関係者は「該当船舶が非常に小さいうえに脅威の程度は高くないと判断し、沿岸に接近する時まで待って高速艇を出動させようと計画した状態だった」とし「漁民の通報によって作戦を始めたのではない」と説明した。午前7時3分追加的な現場近接確認のためにこの船舶に標的番号を付与し、艦艇緊急出港などで現場を確認している間に漁民の通報内容を聞くことになったというのが合同参謀本部の説明だ。今回南側に越えてきた木船は全長7.5メートルの木船で、2019年三陟港に入港した10メートルの木船より小さいという。該当の木船を追跡・監視する過程で、陸軍は万一の事態に備えて監視態勢を格上げして危機措置班を運営した。

軍、警察、情報当局、統一部などで構成された政府合同情報調査チームはこの日南側に越えてきた北朝鮮住民4人の個人情報や亡命意思の真意などについて尋問を進めている。これら構成員が一家なのかなどについて統一部は「確認することが難しい」という立場だ。通常、関係当局は北朝鮮に残された家族の身辺安全を考慮して亡命者の個人情報を公開していない。

海上を通じた亡命は今年5月以来、約5カ月ぶり。当時は10人未満で構成された家族単位の北朝鮮住民たちが漁船で西海(ソヘ、黄海)NLLを越えた。東海を通した亡命は2019年11月に船舶殺害容疑を受けて北朝鮮に強制送還された2人以来、4年ぶりとなる。



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