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戦場で「最悪」は防ぐ…ネタニヤフ首相も無視できない国際法(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イスラエルの国旗

500人近い犠牲者を出したガザ地区のアル・アハリ病院の爆発惨状は、イスラエルとパレスチナの武装勢力ハマスの戦争様相だけでなく、米国のグローバルリーダーシップにも重大な岐路となっている。バイデン米大統領はアラブ圏の反発のため仲介役に打撃を受けながらも、イスラエルとの連帯に傍点を打った。この過程でイスラエルを説得し、ガザ地区からエジプトにつながるラファ検問所の開放、ガザ地区南部の人道主義区域設定などガザ地区の人道的危機に最小限の突破口を開いた。

ハマスの奇襲攻撃以降「我々は彼らと違う」と強調してきたバイデン大統領は18日(現地時間)、イスラエル・テルアビブを訪れて行った演説でこのように述べた。

「イスラエルは民主主義国家であり、皆さんはテロリストの規則に基づいて生きていない。皆さんは法治主義を守って生きていて、紛争が起これば戦争法(law of wars)を守る」。


イスラエルの自衛権を支持するバイデン大統領がこのように過剰対応を警戒するのも、イスラエルのネタニヤフ首相の人道的措置に圧力を加えるのも、法的な根拠があるという点を明確にしたのだ。

バイデン大統領は「怒りを感じても怒りに蚕食されてはいけないという点に注意しなければいけない。米同時多発テロ以降、米国は怒りに包まれ、正義を得たが、失敗も犯した」と強調した。米同時多発テロ以降、米国が対テロ戦争を遂行する過程で起きた捕虜虐待、事実上の拷問許容など戦争法に背く違法行為を念頭に置いたような発言だった。

文明を忘れたような野蛮な行為が強行される戦場ではむなしい叫びのように感じられるが、「最善」を作れなくても「最悪」は防げるという希望の根拠になるのが戦争法、すなわち国際人道法というのが、国際法専門家らの見解だ。米ウォールストリートジャーナル(WSJ)は18日(現地時間)、「イスラエルとハマスが国際法に挑戦する方法」という記事で「(国際人道法の根拠)ジュネーブ条約が設定した境界はすでに深刻に越えたが、これは依然として重要だ」と指摘した。

◆民間人殺傷を容認する悲しい法

国際人道法と呼ばれる戦争法は武力紛争を前提とした法の概念だ。場合によっては民間人殺傷も許容する。

二度の世界大戦後に締結されたジュネーブ条約は限りない人類の残酷性を目撃したことによる衝撃と反省を基盤とし、いかなる場合にも守られるべき最小限の人道的原則を盛り込んでいる。ここで核心は「区別の原則」と「比例性の原則」だ。

区別の原則は言葉通り軍事的な標的と民間人を区別すべきということだ。ジュネーブ条約は4つの条約と2つの議定書を包括的にいうものだが、うち第1議定書は「すべての民間人は攻撃の対象にならない」と規定している。「特定の軍事目標物を標的にしない攻撃」はジュネーブ条約が禁止する「無差別攻撃」に該当する。

イスラエル防衛軍(IDF)が戦争開始後、ハマス関連のターゲットだけを識別して空襲していると強調するのも、こうした区別の原則を意識した措置とみられる。実際、イスラエル軍は連帯級以上には軍の弁護士を置き、指揮官にターゲットについて助言する役割を任せるという。

国際人道法で比例性の原則は「相手がロケット1発で攻撃すれば自分たちもロケット1発で応酬する」という概念ではない。「予想される民間の被害」が「得られる軍事的利益」に比例するかどうかということだ。第1議定書は「偶発的な民間人の生命の損失、傷害などを引き起こす恐れがある攻撃で、所期の具体的、直接的な軍事的利益よりも過度な攻撃」を禁止する。

すなわち、敵の核心軍事施設が民家に囲まれている場合のように、攻撃で得る軍事的利益がそれだけ大きければ民間人100人が死亡しても戦争法に合うこともあり、軍事的利益が大きくないが攻撃を敢行したとすれば民間人1人が死んでも戦争法違反の余地があるということだ。


戦場で「最悪」は防ぐ…ネタニヤフ首相も無視できない国際法(2)

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