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大韓航空のアシアナ航空合併に乱気流…「貨物売却」損益論争

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

大韓航空が導入したA321neo。[写真 大韓航空]

「黄金の卵か、そうでないのか」。大韓航空とアシアナ航空の海外企業結合審査でアシアナ航空の貨物事業売却の有無が核心の話題に浮上している。欧州連合(EU)の競争当局が両社の合併により韓国と欧州を結ぶ貨物路線で競争制限の恐れがあるとして関連した改善案を強く要求してだ。これと関連して大韓航空とアシアナ航空は30日に臨時理事会を開いてアシアナ航空の貨物事業部門売却の可否を決める方針だ。

だがアシアナ航空労組を中心に貨物事業売却に反対し始めて変数ができた。アシアナ航空労組は20日まで売却反対署名運動を行った後、署名運動の結果を理事会に伝える計画だ。韓国民間航空操縦士協会も最近「2022年のアシアナ航空売り上げの約55%を占める貨物事業の分割売却計画を即時中断せよ」として反対の意思を明確にした。EUと米国、日本の企業結合審査を控えた大韓航空は緊張している。

大韓航空はアシアナ航空の貨物事業売却は避けられないとみる。同じ事業をめぐり大韓航空とアシアナ航空労組の立場は正反対に分かれている。


韓国系航空会社にとってコロナ禍期間中に航空貨物事業は黄金の卵を産むガチョウだった。コロナ禍による港湾停滞と荷役遅延、低い船舶回転率などが重なり世界的物流大乱の反射利益を得た。貨物運賃も急騰した。コロナ禍前の2018年に1キログラム当たり3~4ドルにすぎなかった航空貨物運賃はコロナ禍中には平均8ドル台、最高12ドルまで上昇した。

アシアナ航空の場合、2021年の貨物売り上げは全売り上げの76.7%を占める3兆1453億ウォンに達した。これは大韓航空側も否定しないファクトだ。大韓航空関係者は18日、「コロナ禍中に大型航空会社が生き残るのに貨物事業が重要な役割をしたのは明らかだ」と話した。

問題は今後はどうかという点だ。すでに貨物運賃はコロナ禍前の水準に急速に回帰中だ。2021年10-12月期に1キログラム当たり11.4ドル(香港~北米路線基準)だった貨物運賃は今年7-9月期には4.81ドルに下がった。貨物運賃が下がり主要航空会社の貨物事業関連売り上げも減っている。大韓航空の4-6月期貨物売り上げは前年同期より56%減った9638億ウォンだ。大韓航空は「旅客正常化加速化にともなう旅客機下部貨物室供給増加と航空貨物需要減少により貨物関連売り上げが減った」と説明した。アシアナ航空の上半期売り上げで貨物事業が占める割合は25.7%で7782億ウォンにとどまる。

事情は海外航空会社も同じだ。ドイツのルフトハンザは4-6月期の貨物売り上げが前年同期より92%急減した。欧州最大の航空会社であるエールフランスKLMの4-6月期貨物売り上げもやはり前年より33.2%減った。航空業界関係者は「クリスマスケーキのように貨物事業の全盛期も事実上すでに過ぎ去ったもの」と評価した。

最も重要な問題はアシアナ航空の独自生き残りが可能なのかという点だ。自ら耐え忍ぶ力があるならば貨物事業部門を売却する理由も、さらには会社そのものを競合会社である大韓航空に渡す理由もない。だが現実は甘くない。アシアナ航空は上半期に3兆254億ウォンの売り上げに2014億ウォンの営業利益を上げた。同じ期間の当期純損失は602億ウォンに達する。2010年代初期から財務構造が大きく悪化したためだ。6月末基準で同社の負債比率は1741%で、上半期だけで2023億ウォンが利子など金融費用として支払われた。アシアナ航空内部では「2000億ウォン稼いで2000億ウォンを利子で払った」という自嘲が出ている。



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