イスラエル国防軍（ＩＤＦ）がパレスチナの武装勢力ハマスに対する地上戦を予告した中、ハマスが掘った数百キロの膨大なトンネルが戦争の最大変数に浮上している。イスラエルは戦力上圧倒的な優位だが、ハマスがトンネルでゲリラ戦をすれば戦争の長期化が避けられないという。

◆ハマス最大の武器「クモの巣トンネル」

１５日（現地時間）のＣＮＮによると、イスラエル地上軍の最大の悩みとなるハマスのトンネルは長さ３００マイル（約４８３キロ）と推定される地下トンネルだ。ガザ地区のあちこちの住宅と建物の地下がクモの巣のようにつながり「ガザメトロ（Ｇａｚａ　Ｍｅｔｒｏ）」と呼ばれる。２年前にハマスは地下トンネルの総延長が５００キロと主張したが、この言葉が事実ならソウルの地下鉄（総延長３５０キロ）の１．５倍となる。


ＢＢＣも「ハマス地下トンネルの長さはロンドンの地下鉄（約４００キロ）を超える」とし「深さも最大４０メートルに達する」と伝えた。トンネルの幅は非常に狭いという。２００７年のイスラエルのガザ地区封鎖以降、ハマス側がトンネル掘削に必要な専門装備を使用できなくしたからだ。このため北朝鮮のトンネルと似ているという評価もある。

長くて深いハマスの地下トンネルは、イスラエル軍の地上作戦に最も大きな障害になると考えられる。トンネルには数千個のロケットが蓄積され、あちこちに地雷が設置されていると予想されるからだ。ＢＢＣは「ハマスは全体のトンネル網に大量のロケットを確保し、ブービータラップを設置する時間も十分だった」とし、事前情報なくイスラエル軍がトンネルに浸透すれば兵力の被害が増えると警告した。

◆２００９・２０１４年にも苦戦…ＷＰ「イスラエルに地獄の藪」

すでにイスラエルはハマスの地下トンネルに苦戦した経験がある。２００９年と１４年にイスラエルの地上軍をガザ地区に投入した際、突然トンネルから出て奇襲するハマス武装隊員に振り回されて被害が大きく、決定的な打撃を与えることもできなかった。このため「今回もイスラエル軍は民間人の中にいるハマスを相手にしながら、地雷とトンネルの『地獄のような薮』に直面するはず」（ワシントンポスト）という予想が出ている。

特にハマスの地下トンネルはゲリラ戦に「魅力的な道具」とＣＮＮは伝えた。世界で最も人口密度が高いガザ地区の特徴のためだ。韓国の世宗（セジョン）市より狭い約３６５平方キロメートルの面積に約２３０万人の住民が居住するガザ地区で、建物と住宅の地下に設置されたトンネルを精密打撃するのはかなり難しいという説明だ。

地下トンネルを利用したゲリラ戦が続けば、民間人の被害が大きく増える。イスラエルは２０１４年のガザ地区空襲当時にも民間人の被害を最小化しようとしたが、パレスチナ人の死者およそ２０００人の半分以上は民間人だったと、エルサレムポストは伝えた。


ソウル地下鉄の１．５倍…イスラエル軍が恐れるガザ地区の地下障害物（２）