中国が突然「イスラエルバッシング」に出た理由は何か。これを巡り西側メディアは「中国の中東に対する野望と関連がある」という分析を次々と出している。親パレスチナ路線でアラブ諸国とさらに密着し、中東での影響力拡大を狙っているというものだ。また、パレスチナの武装組織ハマスのイスラエル奇襲攻撃の背後といわれて注目を集めているイランを対米国交渉カードとして利用しようとする腹積もりもあるとの観測も出ている。
15日、中国外交部によると、王毅外交部長兼共産党中央政治局委員は前日、サウジアラビアのファイサル外相と電話会談を行い、イスラエルのガザ地区攻撃が「度を越した」と猛非難した。王部長は「中国は民間人を害するあらゆる行為に反対して糾弾する」とし「イスラエルの行為はすでに自衛の範囲を超えている」と話した。このような中国の反応は今回の事態が起きて以来、初めてだ。
戦争勃発以降、中国は表向きは中立的な立場を堅持してきた。だが、この日王部長は決心したように「中国はサウジなどアラブ諸国と共に、パレスチナが民族の権利を回復する正義あふれる事業を引き続き支持する」とあからさまにパレスチナの肩を持った。王部長は同日、イランのアブドラヒアン外交長官と行った電話会談でも、「(独立したパレスチナ建国を通じて)歴史的不公正は早期に終結させなくてはならない」とし、同じ論旨を展開した。
◇「米国のせいで品行が良くなくなった」
中国官営メディアも一斉にイスラエル批判に加勢した。
特に「中国共産党のラッパ吹き」役を自任してきた環球時報元編集者の胡錫進氏は14日、ソーシャルメディア(SNS)にガザ地区空襲を批判して「イスラエルは米国のせいで品行が悪くなった」と書くなど過激な発言を投稿した。胡氏のSNSはフォロワーが2500万人に達するだけにその批評は大衆への影響力が強い。
このような扇動に対する反響も大きかった。「中国オンライン上で反ユダヤ主義感情の掲示物が急増している」(米国NGO「フリーダム・ハウス」)という懸念が出ている。
これに先立ち、在中国イスラエル大使館側はハマスが攻撃を加えた翌日の8日、SNSに中国系イスラエル女性がハマスに拉致される映像を掲載して支持を訴えた。だが、中国内の雰囲気はこのように正反対に流れる様相だ。大使館側が悪質なコメントを除去するためにSNSアカウントをフィルタリングしている状況だ。
◇ネタニヤフ首相を国賓として中国に招待したが…
西側専門家は中国の態度変化の流れを注視している。中国は今回の事態が発生する直前まで、イスラエルとの関係強化に動いていたためだ。今年6月には習近平国家主席がイスラエルのネタニヤフ首相に国賓訪問を要請し、今月末には北京での首脳会談も予定されていた。
だが、中国はイスラエルのガザ地区空襲以降、態度を変えた。対中東戦略上、親パレスチナ路線が有利だという判断のためと分析している。専門家は「パレスチナに対する中国の確かな支持がアラブ世界で中国の地位を高め、地域内での立場を強化することができる」と中国の本音を突いた。米シンクタンク「スティムソン・センター」中国プログラムディレクターのユン・ソン上級研究員はフィナンシャル・タイムズ(FT)に「(イスラエルのガザ地区攻撃で)パレスチナに対するアラブ諸国の支援が増えるだろう」としながら「これは中国とアラブ国家を再び同じ方向に向かせるため、中国の利益と合致する」と説明した。
中国の立場ではイスラエルを全面的に支援する米国の対中東ヘゲモニーに揺さぶりをかけることができる局面でもある。米国は中東全域で事態を拡散させないように、一国の海・空軍全体戦力を凌ぐ2個の空母打撃群をイスラエル周辺海域に急派した状況だ。このために「これまで米国と軍事的に協力してきたが、今回の事態で不満を抱くことになったアラブ諸国に中国製武器の販売を拡大できる機会」(エクセター大学国際関係学のマリア・パパゲオルギウ講師)という観測もある。
◇イランとの関係は対米交渉カード
ハマスの攻撃を支援したといわれているイランとの関係も中国には重要だ。実際に中国は戦争の渦中にもイランとの高官接触を継続している。また、中国官営メディアはイランメディアを引用してイスラエル軍の不法な「白リン弾」使用を批判した。白リン弾は人体に付着する場合、骨や肉が溶けるほど深刻な火傷を負わせる致命的な武器だ。
これに対して中国安保が専門の英国ギングス・カレッジ・ロンドンのAlessandro Arduino准教授はFTとのインタビューで「中国が米国と中東政策で交渉するためにはイランを圧迫できる数少ない行為者の一つということを強調しなければならない」とし「中国の立場で、イランは対米交渉の重要なカードになるだろう」と話した。
15日、中国外交部によると、王毅外交部長兼共産党中央政治局委員は前日、サウジアラビアのファイサル外相と電話会談を行い、イスラエルのガザ地区攻撃が「度を越した」と猛非難した。王部長は「中国は民間人を害するあらゆる行為に反対して糾弾する」とし「イスラエルの行為はすでに自衛の範囲を超えている」と話した。このような中国の反応は今回の事態が起きて以来、初めてだ。
戦争勃発以降、中国は表向きは中立的な立場を堅持してきた。だが、この日王部長は決心したように「中国はサウジなどアラブ諸国と共に、パレスチナが民族の権利を回復する正義あふれる事業を引き続き支持する」とあからさまにパレスチナの肩を持った。王部長は同日、イランのアブドラヒアン外交長官と行った電話会談でも、「(独立したパレスチナ建国を通じて)歴史的不公正は早期に終結させなくてはならない」とし、同じ論旨を展開した。
◇「米国のせいで品行が良くなくなった」
中国官営メディアも一斉にイスラエル批判に加勢した。
特に「中国共産党のラッパ吹き」役を自任してきた環球時報元編集者の胡錫進氏は14日、ソーシャルメディア(SNS)にガザ地区空襲を批判して「イスラエルは米国のせいで品行が悪くなった」と書くなど過激な発言を投稿した。胡氏のSNSはフォロワーが2500万人に達するだけにその批評は大衆への影響力が強い。
このような扇動に対する反響も大きかった。「中国オンライン上で反ユダヤ主義感情の掲示物が急増している」(米国NGO「フリーダム・ハウス」)という懸念が出ている。
これに先立ち、在中国イスラエル大使館側はハマスが攻撃を加えた翌日の8日、SNSに中国系イスラエル女性がハマスに拉致される映像を掲載して支持を訴えた。だが、中国内の雰囲気はこのように正反対に流れる様相だ。大使館側が悪質なコメントを除去するためにSNSアカウントをフィルタリングしている状況だ。
◇ネタニヤフ首相を国賓として中国に招待したが…
西側専門家は中国の態度変化の流れを注視している。中国は今回の事態が発生する直前まで、イスラエルとの関係強化に動いていたためだ。今年6月には習近平国家主席がイスラエルのネタニヤフ首相に国賓訪問を要請し、今月末には北京での首脳会談も予定されていた。
だが、中国はイスラエルのガザ地区空襲以降、態度を変えた。対中東戦略上、親パレスチナ路線が有利だという判断のためと分析している。専門家は「パレスチナに対する中国の確かな支持がアラブ世界で中国の地位を高め、地域内での立場を強化することができる」と中国の本音を突いた。米シンクタンク「スティムソン・センター」中国プログラムディレクターのユン・ソン上級研究員はフィナンシャル・タイムズ(FT)に「(イスラエルのガザ地区攻撃で)パレスチナに対するアラブ諸国の支援が増えるだろう」としながら「これは中国とアラブ国家を再び同じ方向に向かせるため、中国の利益と合致する」と説明した。
中国の立場ではイスラエルを全面的に支援する米国の対中東ヘゲモニーに揺さぶりをかけることができる局面でもある。米国は中東全域で事態を拡散させないように、一国の海・空軍全体戦力を凌ぐ2個の空母打撃群をイスラエル周辺海域に急派した状況だ。このために「これまで米国と軍事的に協力してきたが、今回の事態で不満を抱くことになったアラブ諸国に中国製武器の販売を拡大できる機会」(エクセター大学国際関係学のマリア・パパゲオルギウ講師)という観測もある。
◇イランとの関係は対米交渉カード
ハマスの攻撃を支援したといわれているイランとの関係も中国には重要だ。実際に中国は戦争の渦中にもイランとの高官接触を継続している。また、中国官営メディアはイランメディアを引用してイスラエル軍の不法な「白リン弾」使用を批判した。白リン弾は人体に付着する場合、骨や肉が溶けるほど深刻な火傷を負わせる致命的な武器だ。
これに対して中国安保が専門の英国ギングス・カレッジ・ロンドンのAlessandro Arduino准教授はFTとのインタビューで「中国が米国と中東政策で交渉するためにはイランを圧迫できる数少ない行為者の一つということを強調しなければならない」とし「中国の立場で、イランは対米交渉の重要なカードになるだろう」と話した。
この記事を読んで…