中南米の一部左派志向の首脳がイスラエルとパレスチナの武装組織ハマスの紛争を巡ってイスラエルに批判の声を出すか、あるいは中立の立場を見せている。このうちコロンビアのペトロ大統領のイスラエル非難発言が国際社会から非難を浴びている。

コロンビア初の左派政権を率いるペトロ大統領は１２日（現地時間）、ＳＮＳにカザ地区での武力衝突に関連するコメントや関連記事などを８日から１０件余り以上掲示した。概してパレスチナに友好的な見解を示す掲示物だった。

ペトロ大統領は特にガザ地区に対する包囲攻撃と全面封鎖を命じたガラント国防長官（６４）に関する記事を掲示した後、「これはナチスがユダヤ人に対して言ったことと同じだ」と指摘した。


ペトロ大統領は「民主主義市民はナチズムが国際政治舞台に再び登場することを許すことはできない」とし「（ガラント長官のように）憎しみ発言が続くなら、ホロコーストだけをもたらしてしまう」と主張した。

ペトロ大統領の「ナチス」比喩はコロンビア国内はもちろん国際社会でも問題になっている。

イスラエルのコロンビア駐在大使はメディアインタビューで「ペトロ大統領をエルサレムにあるホロコースト博物館に招きたい」と指摘した。米国歴史家であり有名なホロコースト研究者としても著名な反ユダヤ主義の監視と闘争のための特使デボラ・リップシュタット氏（７６）もＳＮＳに「ペトロ大統領の発言に強い遺憾を表す」と明らかにした。

在コロンビア米国大使館もこの日ソーシャルメディアに「コロンビア大統領がイスラエル政府をヒトラーの大量虐殺政権に例えて遠回しに言及したことに驚きを禁じえない」とし「テロ組織ハマスに反対するよう（ペトロ大統領に）要請する」と書いた。

チリのボリッチ大統領（３７）のように「両非難論」を持ち出す要人もいた。ボリッチ大統領はソーシャルメディアに「我々はハマスの残酷な攻撃、殺人、拉致を糾弾する」とし「また、カザ地区でイスラエルが民間人に対して無差別的な攻撃を行ったことと、国際法に違反して数十年間パレスチナ領土を不法に占領したことも問い質したい」と話した。

ボリッチ大統領は「イスラエルとパレスチナに居住する人々がすべての空間で確固とした平和を享受することができるようになるよう願う」と話した。

これに先立ちメキシコロペス・オブラドール大統領（６９）は「紛争で片方の肩だけを持たない」としながら中立の立場を明らかにして、「どちら側にも手を挙げないという言葉はテロを支持することと同じ」とイスラエルのメキシコ駐在大使から公開的な批判を受けたことがある。

これに対してメキシコのバルセナ外相（７１）は「はっきりさせておこう。メキシコはいかなるニュアンスもなく平和と対話、民間人保護を擁護する」としながら大統領を擁護した。

「中南米左派大物」と呼ばれるブラジルのルラ大統領（７７）はやや原則的な立場で「ハマスはイスラエルの子どもを釈放し、イスラエルはパレスチナの子どもとその保護者がカザ地区を離れることができるように爆撃を中断しなければならない」とし「戦争の狂気の後ろには最小限の人間性がなければならない」と話した。