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【社説】「中東の火薬庫」のもう一つの戦争…安保・経済リスクの再点検を

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「中東の火薬庫」ガザ地区のパレスチナ武装組織ハマスが一昨日イスラエルに数千発のロケット砲を打ち込み両側が戦争局面に突入した。昨日はレバノン内のイスラム武装勢力ヒズボラが迫撃砲でイスラエルを攻撃して戦争拡大の様相を呈している。ウクライナ戦争が長期化する中でもう一つの戦争の炎が中東に広がり国際政治・経済に同時に暗雲が立ち込めている局面だ。

今回の武力衝突はイスラエルの安息日に合わせてハマスが「アル・アクサ・ストーム(Al Aqsa Storm)作戦」を敢行してイスラエル側に数千発のロケット砲を発射したことで始まった。数百人のハマス武装兵力は陸・海・空の3面からイスラエル領域に進入して、軍人と民間人を人質に取った。イスラエルも特別非常事態を宣言して「鉄剣(Swords of Iron)作戦」で大々的な反撃に出て両側の死亡者がすでに900人を超えた。

イスラエルのネタニヤフ首相は昨日、「ハマスがいる悪の都市を廃虚にする」と宣言した。ハマスも人質に取ったイスラエル民間人などをガザ地区全域に分散させて背水の陣を敷いた。ロシアのウクライナ侵攻以降、権威主義陣営と米国中心の自由陣営が対立する状況なので仲裁も容易ではない。


今回の衝突が長期化するという展望も出ている。今回の衝突の原因の一つとして、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教三宗教の聖地である東エルサレム聖殿山の中にあるアル・アクサ寺院を巡る葛藤が挙げられている。イスラエル警察は4月、アル=アクサー・モスクでラマダンの夕方の祈りを捧げていたパレスチナ住民に閃光弾を発射して追い出した。当時シーア派であるシリアのヒズボラがイスラエルに向かってロケットを発射したが、今回スンニ派であるハマスと手を組んだ形だ。

2020年、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)が修交したことに続き、最近ではイスラエルがイスラム・スンニー派の宗主国であるサウジアラビアとの関係正常化交渉に速度を出してハマスなどが反発してきた。特にサウジアラビアとも関係がギクシャクしているイスラム・シーア派宗主国のイランがハマスとヒズボラをそそのかして中東の平和を揺さぶろうとしたのではないかという分析も出ている。

全世界が関わっている最近のウクライナ戦争はもちろん、中東の武力衝突は対岸の火事と見ることはできない。何よりも産油国が集中している中東の武力紛争は韓国経済にとって悪材料だ。韓国政府は海外同胞の安全を守り、戦況に注目しながら対応シナリオを先制的に用意しなければならない。敵性国家とテロ勢力に囲まれたイスラエルの境遇は我々の安保状況も振り返らせる。世界最高水準というイスラエル情報機関モサドでさえ今回の奇襲攻撃を予想することができず、ロケット防御システム「アイアンドーム」にも穴が空いた。何よりも韓国は、もう一つの戦争が米国など自由民主同盟の関心と対応能力を分散させる間、北朝鮮の挑発拡張にも万全の備えを整えておかなくてはならない。



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