韓国競泳の「黄金世代」が杭州で快挙を成し遂げた。ファン・ソヌ（２０）、イ・ホジュン（２２）、キム・ウミン（２２）、ヤン・ジェフン（２５）で構成された男子リレー代表チームが韓国水泳史上初めてアジア競技大会団体戦金メダルを獲得した。

韓国競泳代表チームは２５日、中国浙江省杭州オリンピックスポーツセンターのプールで行われた杭州アジア競技大会男子リレー８００メートル決選で７分０１秒７３のアジア新記録で金メダルを首にかけた。団体戦で韓国競泳がアジア大会で金メダルを獲得したのは今回が初めてだ。強力なライバルだった中国は７分０３秒４０で銀メダルだった。リレー８００メートルは選手４人が自由形２００メートルをつないでいく種目だ。韓国は第一泳者ヤン・ジェフンが最初の２００メートルを２位（１分４６秒８３）で通過して幸先の良いスタートを切った。第二泳者のイ・ホジュンは２５０メートル地点で１位に踊り出て、先頭を最後までキープしたままバトンを渡した。第三泳者キム・ウミンは２００メートルを自己ベストの１分４４秒５０で泳ぎ終えて中国とのタイム差をさらに広げた。

最後の泳者は韓国水泳のエース、ファン・ソヌだった。力強く水中に飛び込んだファン・ソヌは恐ろしい速さで水をかき分けていった。


◇ファン・ソヌ、潘展楽を圧倒…「水泳黄金世代」が快挙

中国最後の泳者に登場したライバルの潘展楽が一生懸命追いかけたが、ファン・ソヌのスパートを阻むには力不足だった。ファン・ソヌがターンをするたびに中国と韓国のタイム差は広がっていった。結局ファン・ソヌが新しいアジア記録でタッチパッドに触れると決勝点の前で待っていた仲間３人は一斉に歓呼した。韓国水泳歴史に新たな金色のマイルストーンが立てられた瞬間だった。

４人は大韓水泳連盟が設けた「特別戦略育成選手団」の一員で今年２～３月にオーストラリア・ゴールドコーストで転地訓練を行ってきた。アジア競技大会団体戦史上、初めて金メダルを獲得するための特別強化トレーニングだった。水泳強国のオーストラリア代表チームを導いたリチャード・スカルス・コーチから集中指導を受け、顕著な手応えを得て帰ってきた。特にイ・ホジュンとキム・ウミンがこの訓練中に一回り成長した。彼らはその後出場する大会のたびに韓国新記録を塗り替えていった。２カ月前の福岡世界選手権でも予選と決選で韓国記録を更新して世界６位にランクインした。

「決戦の日」を控えても余裕にあふれていた。選手たちは「訓練の時『これが韓国で出すことができる記録なのか』と見紛うほど素晴らしい記録を出した。全員コンディションが本当にいい」と口をそろえた。その自信が実戦で結果として現れた。ファン・ソヌは「２年間アジア競技大会のために頑張ってきた。アジア新記録とあわせて金メダルを獲得することができて言葉にできないほどうれしい。応援してくれたすべての人々とファンに感謝する」とコメントした。

これに先立って開かれた男子自由形５０メートル決選ではチ・ユチャン（２１）が２１秒７２の記録で１位を占め、韓国勢としてこの種目で２１年ぶりに金メダルを獲得した。韓国選手がアジア競技大会同種目で優勝したのは２００２年釜山（プサン）大会のキム・ミンソク（１位タイ）以降、２人目だ。チ・ユチャンはこの日午前開かれた予選では２１秒８４でゴールインしてアジア競技大会新記録と韓国新記録を同時に樹立した。約１０時間後に開かれた決選ではこの記録を再び０．１２秒短縮してアジアの頂上に立った。

チ・ユチャンのこれまでの自己ベストは２２秒１７だった。７月福岡世界選手権（予選２４位）でマークしたものだった。今大会を控えては優勝より韓国選手初の「自由形５０メートル２１秒台進入」を期待して杭州に来た。ところが予選で早々と目標を達成した。目標を金メダルに上方修正し、これを再び一気に成し遂げた。

チ・ユチャンは昨年国家代表選抜大会自由形５０メートルで１位に入り初めて太極マークを付けた。ファン・ソヌやイ・ホジュンなど自由形短距離強者が１００メートルと２００メートルに集中する間、「ニッチ市場」である５０メートルを集中的に攻略して成功を収めた。チ・ユチャンは「９歳の時に水泳を始めたが、中学校進学後、速い選手がとても多くて『ダメかも』と思って挫折したこともある。だが（５０メートルで良い成績を出すことができて）『一生懸命やっていればいつか必ず機会が来る』ということに気づき、気を引き締めた」と話した。