ロシアのプーチン大統領がウクライナ戦争で核を使わないと断言することはできるだろうか。もし核を使うなら、その後の世界はどうなるだろうか。韓国の小説家、金辰明(キム・ジンミョン、65)の新作長編小説『プーチンを殺す完璧な方法』(リタブックス)はこのような質問から出発した。ウクライナのある家庭の平凡な家長ミハイルは民間人に偽装したロシア兵士の襲撃で妻と娘を失う。苦痛の中でもがいた彼は参戦を決心する。人間兵器になった彼は偶然にも米海軍将校出身の韓国系米国人ケビン・ハンと出会って人生の転換点を迎える。
金辰明はこれまで強大国の間に挟まった弱小国の運命と関連した骨太のファクション(ファクトとフィクションを合成した新造語)を書いてきた。600万部が売れた『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』では韓半島(朝鮮半島)の核問題を、『皇太子妃拉致事件』では明成(ミョンソン)皇后の死を扱った。今回の小説もこのような世界観の延長線上にある。金辰明は「全世界の人々が力を合わせてプーチンの核脅迫を克服していかなくてはならないという信念で書いた」と話した。次は一問一答。
--ウクライナ戦争を素材にした契機は。
「ウクライナだけの戦争ではないということを言いたかった。プーチンはいざという時には核を落とすと人類を威嚇した。この戦争でプーチンが勝てばどの国も核武装するようになり、北朝鮮のような国はより一層核開発にしがみつくことになるだろう」
--タイトルがかなり露骨だ。独裁者の死が平和につながらない場合も多いが。
「結局、小説は作家の願いだ。プーチンが死んでロシア人に選択権が与えられたら、彼らが自由と繁栄を選んでほしいと願う気持ちで書いた。もちろんプーチンが死ねばナンバー2または後継者と主張する軍閥が雨後の筍のように現れるかもしれない。だが、それは小説家にとってはつまらないことだ」
--ロシアの核脅迫に右往左往する欧州連合(EU)指導者とは別に、バイデン米国大統領は妥協を断固として拒否する。米国だけ格好良く書いているのでは。
「それが実際の米国の歴史だ。欧州が第1・2次世界大戦を経験した時も地理的距離感のために比較的超然とすることができた。本土では多くの戦争をすることはなく、外ではほぼ勝った。それが『テロリストと交渉しない』という精神の土台になった。小説の中のバイデンのスタンスは第2次世界大戦から今まで米国が堅持してきたスタンスだ」
--作品はいつから執筆したか。
「戦争が起きてそれほど経たないうちにプーチンが核を使うという威嚇を公にするようになった。米国とNATO(北大西洋条約機構)がウクライナを助けることは明らかなので、世界の終末が来るかもしれないという脅迫を始めたのだ。その時から書き始めた」
--ケビン・ハンは原子力潜水艦を操りながら米大統領を翻弄する。彼が韓国人という設定はなぜ入れたのか。
「ウクライナ戦争が韓国とは無関係だと考える人々が注目するようにするためだ。韓国でも戦争が起きた時、友邦の支持をどのように引き出すのか、周辺国の核威嚇にどのように対応するのかを考えてみようということだ。『自分たちのこと』を書きたくてケビン・ハンを韓国系に設定した」
金辰明は「第2次世界大戦時は誰も知らないうちに広島に核爆弾が落とされ、核攻撃に対してどんな立場を取るべきか考える余裕がなかった。反面、今は核で人類を絶滅させると脅迫する指導者が実存する状況」としながら「本を読んで読者がウクライナ戦争と韓半島を巡る強大国の利害関係に関心を持つようになってほしい」と話した。
金辰明はこれまで強大国の間に挟まった弱小国の運命と関連した骨太のファクション(ファクトとフィクションを合成した新造語)を書いてきた。600万部が売れた『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』では韓半島(朝鮮半島)の核問題を、『皇太子妃拉致事件』では明成(ミョンソン)皇后の死を扱った。今回の小説もこのような世界観の延長線上にある。金辰明は「全世界の人々が力を合わせてプーチンの核脅迫を克服していかなくてはならないという信念で書いた」と話した。次は一問一答。
--ウクライナ戦争を素材にした契機は。
「ウクライナだけの戦争ではないということを言いたかった。プーチンはいざという時には核を落とすと人類を威嚇した。この戦争でプーチンが勝てばどの国も核武装するようになり、北朝鮮のような国はより一層核開発にしがみつくことになるだろう」
--タイトルがかなり露骨だ。独裁者の死が平和につながらない場合も多いが。
「結局、小説は作家の願いだ。プーチンが死んでロシア人に選択権が与えられたら、彼らが自由と繁栄を選んでほしいと願う気持ちで書いた。もちろんプーチンが死ねばナンバー2または後継者と主張する軍閥が雨後の筍のように現れるかもしれない。だが、それは小説家にとってはつまらないことだ」
--ロシアの核脅迫に右往左往する欧州連合(EU)指導者とは別に、バイデン米国大統領は妥協を断固として拒否する。米国だけ格好良く書いているのでは。
「それが実際の米国の歴史だ。欧州が第1・2次世界大戦を経験した時も地理的距離感のために比較的超然とすることができた。本土では多くの戦争をすることはなく、外ではほぼ勝った。それが『テロリストと交渉しない』という精神の土台になった。小説の中のバイデンのスタンスは第2次世界大戦から今まで米国が堅持してきたスタンスだ」
--作品はいつから執筆したか。
「戦争が起きてそれほど経たないうちにプーチンが核を使うという威嚇を公にするようになった。米国とNATO(北大西洋条約機構)がウクライナを助けることは明らかなので、世界の終末が来るかもしれないという脅迫を始めたのだ。その時から書き始めた」
--ケビン・ハンは原子力潜水艦を操りながら米大統領を翻弄する。彼が韓国人という設定はなぜ入れたのか。
「ウクライナ戦争が韓国とは無関係だと考える人々が注目するようにするためだ。韓国でも戦争が起きた時、友邦の支持をどのように引き出すのか、周辺国の核威嚇にどのように対応するのかを考えてみようということだ。『自分たちのこと』を書きたくてケビン・ハンを韓国系に設定した」
金辰明は「第2次世界大戦時は誰も知らないうちに広島に核爆弾が落とされ、核攻撃に対してどんな立場を取るべきか考える余裕がなかった。反面、今は核で人類を絶滅させると脅迫する指導者が実存する状況」としながら「本を読んで読者がウクライナ戦争と韓半島を巡る強大国の利害関係に関心を持つようになってほしい」と話した。
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