北朝鮮とロシアが武器取引に続き海上合同演習に出る可能性が提起され軍事的緊張を一層引き上げている。ウクライナ戦争による欧州の安全保障危機が韓半島(朝鮮半島)周辺に一気に拡張する姿だ。専門家らは北朝鮮の海上戦力が劣るだけに演習を行なっても軍事的な効果は大きくないとみる。それでもひとまず演習を実施すればロシアが東アジアに軍事的に介入する名分を要求するのに悪用されかねないと批判する。
これと関連し、米国防総省は14日、「朝ロ合同演習が米韓日の北朝鮮核ミサイル抑止能力に影響を及ぼすことはできない」という立場を明らかにした。米国防総省のシン副報道官はこの日の定例会見で関連質問を受け「彼らの意図が何なのかに対しては話せない。(朝ロ合同演習の可能性が)韓国や日本と、あるいは米韓日3カ国の合同演習をどんな形であれ抑止できないと考える」と話した。続けて「いまのように米韓日同盟(三角協力)が強力だったことはなかった。キャンプ・デービッドでの首脳会談で見たように3カ国首脳は相互防衛と国民安保に向けた非常に野心あふれる計画を立て、『自由で開かれたインド太平洋』という共同の目標を支援するためいつになく緊密に協力している」と強調した。
これに先立ち韓国国防部はこの日「(北朝鮮とロシアが海上で合同演習をする)可能性を念頭に置いて鋭意注視する」と明らかにした。実際に北朝鮮とロシアが合同演習に出る場合には「(韓日米間でのミサイル防衛演習の実施を)合同参謀本部で十分に検討できるだろう」とした。
◇北朝鮮の艦艇800隻のうち使えるのは少数
多くの専門家は現段階で北朝鮮とロシアの合同演習現実化の可能性を高いと見ない雰囲気だ。北朝鮮が遠海で運用できる艦艇が不如意なためだ。『国防白書2022』によると、北朝鮮の艦艇数は潜水艦70隻を含めて合計800隻ほどで、韓国海軍の140隻の約5.7倍に達する。だがほとんどの艦艇で老朽化が深刻化しているほか、サイズが小さく近海だけで運用可能な「はりぼて軍艦」だ。
峨山(アサン)政策研究院のヤン・ウク研究委員は「北朝鮮海軍が東海(日本名・日本海)遠海で運用できる艦艇は新型護衛艦である鴨緑級(1500トン級)1~2隻のほかは見られない。言葉こそ合同演習だが、事実上ロシア単独の演習に北朝鮮が合流する水準にとどまるのではないか」と話した。
過去に北朝鮮が対南海上攻勢で「ヒットアンドアウェイ」式の奇襲攻撃を主に駆使した理由もこうした戦力的な劣勢のためという評価もある。1998年と2002年の2度にわたる延坪(ヨンピョン)海戦当時、北朝鮮は小さな警備艇を利用して速いスピードで黄海の北方境界線(NLL)を行き来して攻撃した。また、北朝鮮は2010年3月に潜水艇を秘密裏に送り白翎島(ペクリョンド)近海で魚雷により韓国の哨戒艦を撃沈した。いずれも艦隊単位の正面対決を避け境界の死角地帯を狙って虚を突く奇襲挑発だった。
北朝鮮が70年間守ってきた「外勢に依存しない」という対外方針を破棄するかも注目される。北朝鮮は1953年の休戦後一度も外国と演習を行ったことがないためだ。梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科のパク・ウォンゴン教授は「北朝鮮とロシアの合同演習実施は北朝鮮が新たな軍事文法を使うもの。北朝鮮は冷戦時代にも中国とロシアを『教条主義』『形式主義』として遠ざけ、『主体』で形象化された自主路線を歩んだが、これさえも破棄するというシグナル」と話した。その上で「北朝鮮内部を説得しなければならないほどとても新しい試み」と説明した。
ただ北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の予測不可能なリーダーシップがこうしたタブーを崩し、これ見よがしに東海でロシアと合同演習に出る可能性を排除することはできない。韓米合同演習と韓日米連帯に正面から対抗する次元でだ。これに対しヤン委員は「北朝鮮とロシアの軍事協力を公式化し同盟がしっかり作動しているというメッセージを出すことができる」と指摘した。
◇「中朝ロ合同演習の可能性はさらに低い」
韓国国防研究院のパク・ヨンハン上級研究員も「北朝鮮の核兵器搭載潜水艦は近海だけで運用が可能だが北朝鮮はロシアが地理的に近いだけにロシア太平洋艦隊の戦力を韓日米の軍事的防衛能力を遮断するレバレッジに見せようとするかもしれない」と指摘した。これはロシアが東海で軍事的影響力を大挙拡大するよう刺激する手順につながりかねない。
中国が参加する中朝ロ3カ国演習に対しては「現在としては可能性はもっと低い」というのが専門家らの大半の意見だ。中国の立場ではウクライナ戦争の渦中に3カ国が演習に出れば実益はなく国際社会で否定的なイメージばかり強調されかねないためだ。ただ、中国がこれまでロシアと合同演習の範囲と強度を高めてきただけに、長期的には北朝鮮を引き込んで米中戦略競争に活用する可能性があるという観測も出ている。
これと関連し、米国防総省は14日、「朝ロ合同演習が米韓日の北朝鮮核ミサイル抑止能力に影響を及ぼすことはできない」という立場を明らかにした。米国防総省のシン副報道官はこの日の定例会見で関連質問を受け「彼らの意図が何なのかに対しては話せない。(朝ロ合同演習の可能性が)韓国や日本と、あるいは米韓日3カ国の合同演習をどんな形であれ抑止できないと考える」と話した。続けて「いまのように米韓日同盟(三角協力)が強力だったことはなかった。キャンプ・デービッドでの首脳会談で見たように3カ国首脳は相互防衛と国民安保に向けた非常に野心あふれる計画を立て、『自由で開かれたインド太平洋』という共同の目標を支援するためいつになく緊密に協力している」と強調した。
これに先立ち韓国国防部はこの日「(北朝鮮とロシアが海上で合同演習をする)可能性を念頭に置いて鋭意注視する」と明らかにした。実際に北朝鮮とロシアが合同演習に出る場合には「(韓日米間でのミサイル防衛演習の実施を)合同参謀本部で十分に検討できるだろう」とした。
◇北朝鮮の艦艇800隻のうち使えるのは少数
多くの専門家は現段階で北朝鮮とロシアの合同演習現実化の可能性を高いと見ない雰囲気だ。北朝鮮が遠海で運用できる艦艇が不如意なためだ。『国防白書2022』によると、北朝鮮の艦艇数は潜水艦70隻を含めて合計800隻ほどで、韓国海軍の140隻の約5.7倍に達する。だがほとんどの艦艇で老朽化が深刻化しているほか、サイズが小さく近海だけで運用可能な「はりぼて軍艦」だ。
峨山(アサン)政策研究院のヤン・ウク研究委員は「北朝鮮海軍が東海(日本名・日本海)遠海で運用できる艦艇は新型護衛艦である鴨緑級(1500トン級)1~2隻のほかは見られない。言葉こそ合同演習だが、事実上ロシア単独の演習に北朝鮮が合流する水準にとどまるのではないか」と話した。
過去に北朝鮮が対南海上攻勢で「ヒットアンドアウェイ」式の奇襲攻撃を主に駆使した理由もこうした戦力的な劣勢のためという評価もある。1998年と2002年の2度にわたる延坪(ヨンピョン)海戦当時、北朝鮮は小さな警備艇を利用して速いスピードで黄海の北方境界線(NLL)を行き来して攻撃した。また、北朝鮮は2010年3月に潜水艇を秘密裏に送り白翎島(ペクリョンド)近海で魚雷により韓国の哨戒艦を撃沈した。いずれも艦隊単位の正面対決を避け境界の死角地帯を狙って虚を突く奇襲挑発だった。
北朝鮮が70年間守ってきた「外勢に依存しない」という対外方針を破棄するかも注目される。北朝鮮は1953年の休戦後一度も外国と演習を行ったことがないためだ。梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科のパク・ウォンゴン教授は「北朝鮮とロシアの合同演習実施は北朝鮮が新たな軍事文法を使うもの。北朝鮮は冷戦時代にも中国とロシアを『教条主義』『形式主義』として遠ざけ、『主体』で形象化された自主路線を歩んだが、これさえも破棄するというシグナル」と話した。その上で「北朝鮮内部を説得しなければならないほどとても新しい試み」と説明した。
ただ北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の予測不可能なリーダーシップがこうしたタブーを崩し、これ見よがしに東海でロシアと合同演習に出る可能性を排除することはできない。韓米合同演習と韓日米連帯に正面から対抗する次元でだ。これに対しヤン委員は「北朝鮮とロシアの軍事協力を公式化し同盟がしっかり作動しているというメッセージを出すことができる」と指摘した。
◇「中朝ロ合同演習の可能性はさらに低い」
韓国国防研究院のパク・ヨンハン上級研究員も「北朝鮮の核兵器搭載潜水艦は近海だけで運用が可能だが北朝鮮はロシアが地理的に近いだけにロシア太平洋艦隊の戦力を韓日米の軍事的防衛能力を遮断するレバレッジに見せようとするかもしれない」と指摘した。これはロシアが東海で軍事的影響力を大挙拡大するよう刺激する手順につながりかねない。
中国が参加する中朝ロ3カ国演習に対しては「現在としては可能性はもっと低い」というのが専門家らの大半の意見だ。中国の立場ではウクライナ戦争の渦中に3カ国が演習に出れば実益はなく国際社会で否定的なイメージばかり強調されかねないためだ。ただ、中国がこれまでロシアと合同演習の範囲と強度を高めてきただけに、長期的には北朝鮮を引き込んで米中戦略競争に活用する可能性があるという観測も出ている。
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