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韓国、官民で分かれる景気見通し(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
輸出依存度が高い韓国の重要な経済指標である経常収支が改善している。韓国政府はこれを根拠に「経済反騰論」に言及している。韓国銀行(韓銀)の先月の発表によると、韓国の7月の経常収支は35億8000万ドルの黒字だった。3カ月連続で経常収支がプラス(5月19億3000万ドル、6月58億7000万ドル)となった。前年同月(7月)の経常収支(17億ドル)の2倍以上だ。韓国は今年、経常赤字が続いていた。1月が42億1000万ドル、2月が5億2000万ドル、4月が7億9000万ドルの赤字だった。

韓銀のイ・ドンウォン経済金融統計部長は「下半期の最初の月の経常収支が黒字基調を明確に見せた」とし「従来の『上低下高』見通しを後押しする内容」と説明した。政府は7月に下半期経済政策方向を発表し、上半期に低調だった経済が下半期に高まる「上低下高」が表れるという見方を示し、今年の経常収支予測値を従来より20億ドル上方修正した230億ドルで提示した。当時、方基善(パン・ギソン)企画財政部第1次官は「今後も経常黒字を続くと見込まれる」と述べた。企画財政部は15日に公開した最近の経済動向(グリーンブック)9月号でも2カ月連続で「景気鈍化緩和」と現状況を診断した。イ・ドンウォン部長は「経常収支が底を打って回復局面に入った」とし「6月に貿易収支が16カ月ぶりに黒字転換するなど流れがよい」と話した。

政府がこのように下半期の経済反騰を予想する理由は、経常収支の4つの項目(商品貿易収支、サービス収支、本源所得収支、移転所得収支)のうち核心である商品貿易収支が急速に改善しているからだ。韓国の商品貿易収支は6月が39億8000万ドル、7月が42億8000万ドルなど4カ月連続の黒字だ。7月のサービス収支が-25億3000万ドルと15カ月連続で赤字になったのとは対照的だ。主要輸出品の自動車の輸出額が7月に56億8000万ドルと、前年同月比で15.7%増加した影響が大きかった。7月の本源所得収支は配当所得などを中心に29億2000万ドルの黒字となった。本源所得収支は国民が海外で稼いだ金額と外国人が韓国で稼いだ金額の差だ。


ここまで見たところ、政府の見通しは妥当と考えられる。ところが専門家らはこうした政府の楽観論とは異なる見方をしている。延世大の成太胤(ソン・テユン)経済学部教授は「経常収支が悪化していないだけであり、悪い状況ではないが経済反騰の本格的な信号弾とは見なしがたい」とし、主要輸出業種のうち半導体の例を挙げた。実際、7月の半導体輸出額は前年同月比33.8%減の75億ドルで、自動車とは雰囲気が全く違った。輸出好調というよりも輸入減少による「錯視」も存在する。7月の全体輸出額は前年同月比16.4%減の503億ドルであり、11カ月連続で減少した。

一方、7月の全体輸入額は前年同月比25.4%減の487億ドルで、5カ月連続の減少となった。原材料の輸入額が35.7%減少したが、これはグローバル原材料価格の下落によるものだ。このように輸入額の減少幅が輸出額の減少幅より大きい状況を「不況型黒字」という。好況の中での輸出好調で経常収支が改善したのではなく、不況の余波で輸入が減って経常収支が改善した状況ということだ。


韓国、官民で分かれる景気見通し(2)

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