◇金正恩「現金対手形」取り引きか
これに対して最初から互いの必要と都合によって意気投合した金委員長とプーチン大統領間の関係における本質的限界を表しているという評価もある。
最初から外交界ではプーチン大統領が弾薬と砲弾を受ける見返りに金委員長が希望する衛星と核関連の技術を渡す可能性は高くないという見方が強かった。外交消息筋は「やり取りするにあたって等価性が成立しないだけでなく、ロシアが不拡散に対しては原則が確固としている国」とし「ウクライナを侵攻して多くの原則を破っているが、それでもロシアは核保有国としての排他的地位に対しては厳格な立場を守ってきた」と説明した。
実際、北朝鮮産の弾薬とロシアの技術をやりとりする取り引きは現金を与えて手形をもらうことと似ている。ちょうどウクライナのアンドリー・ユソフ国防情報局報道官は13日(現地時間)、ウクライナ現地メディアのインタビューで「北朝鮮がすでにロシアに弾薬を供給していて、北朝鮮とロシア間の協力が続いていると言うことができる」と話した(米CNN報道)。
プーチン大統領が必要な弾薬を手に入れた後、金委員長が希望している核技術移転は遅延するか、状況によって突然立場を変えることもありうるという観測もそのため出てくる。一対一会談で約束したとしても署名した合意文がないから約束の「証拠」もない。
慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のイ・ビョンチョル教授は「今回の露朝の取り引きは冷戦時期に理念という共同の価値を基盤としていたこととは違い、徹底的に商業的(mercantile)な特色を示している」とし「これはどちらか一方でも自身の戦略的価値に合致しないと思ったら合意が破談になる可能性があるということ」と説明した。「不渡小切手」を防ぐためには相互信頼が核心となるが、今の露朝関係はそうではないということだ。
◇「乙」だと思っていたプーチンの「ガスライティング」?
これに関連し、2019年には金委員長が米朝間「ハノイノーディル」のあと孤立無援の境遇に陥りロシアに頼ったが、今回はウクライナ戦争で急を要するプーチン大統領が「乙」になったという解釈自体が間違っていた可能性がある。
首脳会談2日前に公式発表をするなど秘密にしてすべての日程を進めたロシアが、いざ会談当日になって金委員長の到着から首脳会談の冒頭発言、宴会の乾杯の挨拶までメディアを通じてすべて生中継したことも意味深だ。
そのおかげで「反帝自主戦線で共にいる」「露朝関係を最重大視」など前例がないほどプーチン大統領に対する全面的支持意思を示した金委員長の肉声はロシアと全世界にリアルタイムに伝わった。プーチン大統領としては対内的な外交成果と対米プロパガンダとしての成果をどちらも得たことになる。プーチン大統領も北朝鮮の衛星開発に協力する意思を明らかにするなど、両首脳の言葉だけに限ってみると最高水準の協力の約束を交わしたが、文書で残された合意がないことも注目するべき部分だ。
結局、プーチン大統領も金委員長の焦りを利用した側面があるといえる。すでに二度にわたって軍事偵察衛星の打ち上げに失敗している金委員長が10月にまた打ち上げの予告をして後に引けない立場である点をプーチン大統領が知らないはずがない。
両側は近くロシアのラブロフ外相が北朝鮮を訪問して崔善姫(チェ・ソンヒ)外相と会談することに合意したが、結局具体的な後続措置は外相会談で議論されるものとみられる。
合意文もない不思議な露朝首脳会談…結局ビジネス関係だったのか(1)
これに対して最初から互いの必要と都合によって意気投合した金委員長とプーチン大統領間の関係における本質的限界を表しているという評価もある。
最初から外交界ではプーチン大統領が弾薬と砲弾を受ける見返りに金委員長が希望する衛星と核関連の技術を渡す可能性は高くないという見方が強かった。外交消息筋は「やり取りするにあたって等価性が成立しないだけでなく、ロシアが不拡散に対しては原則が確固としている国」とし「ウクライナを侵攻して多くの原則を破っているが、それでもロシアは核保有国としての排他的地位に対しては厳格な立場を守ってきた」と説明した。
実際、北朝鮮産の弾薬とロシアの技術をやりとりする取り引きは現金を与えて手形をもらうことと似ている。ちょうどウクライナのアンドリー・ユソフ国防情報局報道官は13日(現地時間)、ウクライナ現地メディアのインタビューで「北朝鮮がすでにロシアに弾薬を供給していて、北朝鮮とロシア間の協力が続いていると言うことができる」と話した(米CNN報道)。
プーチン大統領が必要な弾薬を手に入れた後、金委員長が希望している核技術移転は遅延するか、状況によって突然立場を変えることもありうるという観測もそのため出てくる。一対一会談で約束したとしても署名した合意文がないから約束の「証拠」もない。
慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のイ・ビョンチョル教授は「今回の露朝の取り引きは冷戦時期に理念という共同の価値を基盤としていたこととは違い、徹底的に商業的(mercantile)な特色を示している」とし「これはどちらか一方でも自身の戦略的価値に合致しないと思ったら合意が破談になる可能性があるということ」と説明した。「不渡小切手」を防ぐためには相互信頼が核心となるが、今の露朝関係はそうではないということだ。
◇「乙」だと思っていたプーチンの「ガスライティング」?
これに関連し、2019年には金委員長が米朝間「ハノイノーディル」のあと孤立無援の境遇に陥りロシアに頼ったが、今回はウクライナ戦争で急を要するプーチン大統領が「乙」になったという解釈自体が間違っていた可能性がある。
首脳会談2日前に公式発表をするなど秘密にしてすべての日程を進めたロシアが、いざ会談当日になって金委員長の到着から首脳会談の冒頭発言、宴会の乾杯の挨拶までメディアを通じてすべて生中継したことも意味深だ。
そのおかげで「反帝自主戦線で共にいる」「露朝関係を最重大視」など前例がないほどプーチン大統領に対する全面的支持意思を示した金委員長の肉声はロシアと全世界にリアルタイムに伝わった。プーチン大統領としては対内的な外交成果と対米プロパガンダとしての成果をどちらも得たことになる。プーチン大統領も北朝鮮の衛星開発に協力する意思を明らかにするなど、両首脳の言葉だけに限ってみると最高水準の協力の約束を交わしたが、文書で残された合意がないことも注目するべき部分だ。
結局、プーチン大統領も金委員長の焦りを利用した側面があるといえる。すでに二度にわたって軍事偵察衛星の打ち上げに失敗している金委員長が10月にまた打ち上げの予告をして後に引けない立場である点をプーチン大統領が知らないはずがない。
両側は近くロシアのラブロフ外相が北朝鮮を訪問して崔善姫(チェ・ソンヒ)外相と会談することに合意したが、結局具体的な後続措置は外相会談で議論されるものとみられる。
合意文もない不思議な露朝首脳会談…結局ビジネス関係だったのか(1)
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