ベネチア [Pixabay]
ベネチア市議会は12日(現地時間)、入場料徴収法案を可決したと、地元のアンサ(ANSA)通信が報じた。冬季のオフシーズンには入場料が請求されない。
市議会は来春と夏の主な休日を前後にして試験的に入場料制度を導入する予定だと明らかにした。観光客が閑散とした平日に訪問するように誘導し、観光客の分散を図る計画だ。
今回の入場料賦課措置は、オーバーツーリズムを招くだけで地域経済には役立たない日帰り客を対象にした。ベネチアで宿泊する観光客が入場料を払わないためには別途のQRコードが必要だ。
ベネチアが属しているヴェネト州の住民と14歳未満の訪問客も無料だ。学業や業務上の理由で訪問する場合も入場料が免除される。
ベネチア市警察と公認検査員は無作為に人々を検査し、該当QRコードがない場合、50ユーロから300ユーロの罰金を科す予定だ。ベネチア居住者は居住証があればQRコードが要らない。
ベネチア市のシモーネ・ヴェントゥーリーニ議員は「ベネチアに居住する人々の権利と都市を訪れる人々の間の新しいバランスを取るための措置」と述べた。
アンサ通信は同日、市議会で法案を審議する間、約200人の市民がデモを行ったと伝えた。デモ隊は「入場料は我々を助けることができない。私たちは住宅や雇用、低い賃貸料を希望する」と叫んだ。
世界で最も有名な観光地の一つとされるベネチアは、新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)非常事態の解除後、いわゆる「報復観光」の直接的な影響を受けた。
今年に入って現在までベネチアを訪れた観光客は500万人に上る。このため、住宅価格や生活物価が高騰し、原住民たちは次第にベネチアを離れている。
ベネチア歴史地区内の人口は1961年13万人以上だったが、昨年8月には5万人未満に減少した。都市が「観光スタジオ」のように変わっていくと、ベネチア当局は結局措置に乗り出したわけだ。
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