ファーウェイ
中国英字紙チャイナデイリーは11日、「ファーウェイは米国の全面制裁にも先端チップを搭載した新型携帯電話でスマートフォン市場で再びトップを走っている」と自評した。
半導体回路線幅はナノメートル単位で計算し工程を微細化するほど生産効率と性能が高まる。サムスン電子の「ギャラクシーZ5」シリーズ、アップルの「iPhone14」などには主に4ナノメートルプロセスで製造されたチップが使われた。アップルが12日に(発表する「iPhone15」の上位機種に台湾TSMCの3ナノメートルプロセスで生産した「A17バイオニック」を搭載するという。
ファーウェイの7ナノメートルチップはTSMCがすでに2018年に商用化した技術だ。概ね5年の時差があることになる。米国はこれまで中国が最先端技術より約8年遅れていると評価される14ナノメートルチップ以上は接近を遮断してきた。だがこうした制裁にもかかわらず技術格差を8年から5年に減らしたのだ。
その中でも半導体製造の核心である露光工程をどのように解決したのかに関心が傾く。光でウエハーに微細に半導体回路を描く露光工程は生産費用の35%以上を占めるほど重要だ。これまでレーザーで作った光を利用してパターンを描く深紫外線(DUV)方式が使われたが、チップのサイズが小さくなって登場したのが極端紫外線(EUV)方式だ。専門家らは7ナノメートル以下の回路線幅を持つ半導体製造にはEUV装備を活用するのが経済性があると話す。EUV装備はオランダASMLが独占生産するが、この会社は3月からEUV装備の対中輸出を制限している。
中国も独自に露光装備を製造するなどそれなりの努力をしてきた。ファーウェイは昨年11月にEUV関連特許を申請するなど独自に露光装備を製造する意志を示している。だが専門家らは今回メイト60プロに採択された7ナノメートルチップがEUVではなくDUV装備を活用したとみている。
成均館(ソンギュングァン)大学電子電気工学部のキム・ヨンソク教授は「刺し身包丁で刺し身を薄切りにすれば一度で切れるが果物ナイフでは何度も切らなければならないような原理。理論的にDUV装備で同じ工程を数回繰り返せばEUVと似た効果を得られる。歩留まりと費用の側面で損失が大きいが、今回の製品発売目的が中国の『技術力誇示』であるだけに非効率に耐えた可能性が大きい」と話した。業界ではファーウェイがメイト60プロを500万~1000万台生産したとみているが、相当な損害を甘受したという意味だ。
専門家らは中国の先端技術追撃が続くだけに米国内外でこれを狙った制裁がさらに強化されると予想する。有進投資証券のペク・ウンビ研究員は「最新工程ではないが、米国の規制開始当時の最新技術より8年以上遅れていた中国の技術格差が縮小された。今後米国の対中規制はさらに強化される可能性が大きいが、中国政府の強力な意志の下で半導体国産化戦略が続くだろう。特に弱い装備・素材分野に対する投資が積極的に行われるだろう」と予想した。
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