実写版『ONE PIECE』。[写真 Netflix]
ルフィ(イニャキ・ゴドイ、メキシコ)を中心に航海士のナミ(エミリー・ラッド、米国)、剣客ロロノア・ゾロ(新田真剣佑、日本)、嘘つきウソップ(ジェイコブ・ロメロ・ギブソン、ジャマイカ)、コックのサンジ(タズ・スカイラー、スペイン)など、海賊団「麦わらの一味」5人はグローバルな出身地と人種・性別で構成されたが、過去原作で公開された主人公の国籍に合わせた結果でもある。誰が見ても知っているスターでなくとも原作ファンと新たな視聴者を満足させたキャスティングだと評価される。
海賊王ゴール・D・ロジャーが公開処刑場でワンピースの存在を明らかにする導入部から、オークの樽に閉じ込められたまま漂流した主人公ルフィが海賊の女船長アルビダの目にとまり登場するシーン、海軍処刑場で海賊狩りのロロノア・ゾロと仲間になる場面のような原作の名場面だけでなく、ナミの赤色の頭、ゾロの緑色の頭、コビーのピンク色の頭、つばがついた海軍の帽子のような衣装まで忠実に再現した。
今回公開された「シーズン1」全8話は原作の序盤「東の海(イーストブルー)」での冒険を扱った。1話当たり1800万ドル(約26億5000万円)、合計1億4400万ドルを投じて南アフリカ共和国ケープタウンなどで撮影した。『ゲーム・オブ・スローンズ 第8章』(2019)の場合、1話当たりの製作費が1500万ドル程度だった。身体がゴムのように伸びるルフィ、長剣3本を自在に操るゾロのアクション、マリンブルーの海洋で繰り広げられる船上生活などをリアルに描き、膨大な分量の原作を果敢に圧縮してスピード感も生かした。「深刻すぎず、だからといってその他愛なさに申し訳なくも思っていないシリーズ」(ハリウッド・リポーター)、「従来のファンと新しいファンのどちらも楽しませることができる奇抜な脚色」(エンパイア)、「子どものような喜びが入れられたカラフルなキャンディー」(バラエティ)などの好評も続く。序盤の成果に支えられ「シーズン2」制作の話も出ているという。
「ルフィみたいな人間がいた!!」 不可能に思われた実写版『ONE PIECE』がグローバル1位に(1)
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