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【社説】合計特殊出生率0.7…国家消滅危機の大韓民国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
「国家消滅危機論」がさらにふくらんだ。世界最低の合計特殊出生率の国という不名誉記録が再び破られた。韓国統計庁が先月30日に発表した「2023年6月の人口動向」によると、4-6月期の合計特殊出生率は0.70人で、1年前より0.05人減った。死亡数が出生数を上回り人口は44カ月連続で減少した。経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち合計特殊出生率が1人未満の国は韓国が唯一だ。昨年OECD加盟国のうち韓国の0.78人に続き下から2番目のイタリアの合計特殊出生率が1.24人だった。

韓国の出生率は現在戦争中であるウクライナの1.3人にも満たない。韓国社会で家庭を作り子どもを産んで生きていくことは砲弾が落ちる戦争中よりも大変だという話だ。最近EBSのドキュメンタリーに出て「韓国は完全に終わった」と話した米国の教授の事例は韓国の人口の崖現象を端的に見せる。

韓国がなぜ「不妊国家」になったのだろうか。先月28日の統計庁資料「社会調査で見た青年の意識変化」にその現住所が含まれている。19~34歳の青年のうち結婚を「必ずすべき」「した方が良い」と答えた割合は36.4%にとどまった。結婚を肯定的に考える女性の割合は28.0%にすぎなかった。青年たちは「結婚しない人たちの主な理由」として、「結婚資金不足」(33.7%)を最も多く挙げた。次に「結婚の必要性を感じられない」(17.3%)、「出産・養育負担」(11.0%)などの順だった。


国の消滅の兆候はすでに社会の各所で始まっている。出生率が落ちるため産婦人科や小児科は医大生の忌避専攻トップになった。地方では妊婦が出産が迫ると病院を探して「危険な旅行」に向かわなければならない状況だ。学校崩壊も深刻だ。ソウルですら今年に入り廃校になった広津区(クァンジング)の華陽(ファヤン)小学校など2015年から最近まで4校が消えた。

人口急減は国の未来がかかった科学技術革新にも影響を及ぼす。先月30日の国会で「科学技術女性人材活用拡大国会フォーラム」が開かれた。理工系の修士・博士課程の人材は2025年以降本格的な減少が予想される。出席者は科学技術人材不足を防ぐために女性科学技術者のキャリア断絶を防がなければならないと口をそろえた。調査によると女性科学技術者はキャリアの段階が上昇するほど社会参加の割合が段階的に下落した。やはり結婚と出産・育児が主な原因だった。この日フォーラムに参加した工学博士課程の女子学生は「学位も取りたく、結婚して子どもも持ちたいが、現実はとても厳しい」と吐露した。

韓国政府はこれまでさまざまな出生率向上政策を展開してきた。2006年からの15年間に380兆ウォンを超える予算を注ぎ込んだ。だが合計特殊出生率0.7人が語るように失敗の連続だった。「子どもを産めばお金を払う」という形の出産奨励策ではもう少子化を解決できない。答は結局「子どもを産みたくなる出産親和的社会作り」に収束される。「周りが気になり出産・育児休職を使うことができない」という声がこれ以上出ないようにしなければならない。豊富な代替人材システムの用意だけでなく、パートタイム、フレックス勤務、在宅勤務制などを活性化しなければならない。海外専門人材流入など果敢な移民政策は言うまでもない。

韓国の人口問題は到達できる極点に置かれている。これに対し韓国政府はまだ危機意識が不足している状況だ。来年「少子化克服」予算として17兆5900億ウォンを確保しているが、既存の政策を反復・羅列した水準だ。もう尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が出て「グランドビジョン」を再び組まなければならない。現在の状況を放置するならば韓国の未来は保障できない。理念問題よりさらに火急な事案だ。



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