米国のトランプ前大統領の刑事裁判がテレビとユーチューブで全世界に生中継される見込みだ。トランプ氏は２０２０年の大統領選挙で敗れた後、ジョージア州の選挙結果を覆そうとした疑いで起訴されたが、先月３１日（現地時間）に裁判所が法廷での生中継を認めた。

今回の事件を担当するジョージア州フルトン郡上位裁判所のスコット・マカフィー判事はこの日、トランプ氏と関連被告人１８人のすべての裁判過程に対するテレビ生中継を認めると明らかにした。裁判の過程は同裁判所が運営するユーチューブチャンネルにもリアルタイムで公開される予定だ。また、取材陣が法廷内でノートブックコンピューターと携帯電話を使用することも許可する。

これに先立ちトランプ氏が起訴されたニューヨーク州裁判所（スキャンダル口止め容疑）、ワシントンＤＣ連邦地裁（２０２１年議会乱入事件関与容疑）、マイアミ連邦地裁（ホワイトハウス機密流出容疑）は裁判の生中継および法廷内での電子機器使用を許可しなかった。


こうした決定が来年の次期大統領選挙にいかなる影響を及ぼすかに関心が集まっている。これに先立ち先月２４日にトランプ氏が逮捕時の顔写真「マグショット」を撮影した際、２日間で支持者から７１０万ドル（約１０億円）を募金した。当時トランプ氏は検察に自ら出頭し、フルトン郡の拘置所でマグショットを撮影するなど２０分間ほど収監手続きを踏んだ後、釈放された。

ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）などによると、トランプ氏の裁判は早期に開かれるとみられる。先月３１日にトランプ氏が裁判所に「公式的な起訴認否手続きを放棄して無罪を主張する」と明らかにしたからだ。裁判所が被告に起訴内容を公示し、これに対する被告の意思を確認する起訴認否手続きを省略するだけに裁判日程も早くなるということだ。

一方、ワシントンＤＣ連邦地裁はこの日、米大統領選挙の結果を不服として１・６議会乱入事件を主導した極右団体「プラウドボーイズ」のリーダー、ジョー・ビッグス被告に懲役１７年を言い渡した。同団体の共犯ザカリー・レール被告にも懲役１５年が言い渡された。これはトランプ氏支持者の議会暴動事態に関連する１審裁判のうち最も重い量刑だ。検察は２人にそれぞれ懲役３３年、３０年を求刑したが、裁判所は「当時の暴力を過小評価しようということではないが、大規模な人命被害事件より重く処罰する場合、公平性の論争を招きかねない」と判決した。

この日の判決に先立ち両被告は「（扇動を）後悔している」とし「群衆に煽られてしたことであり、私の好奇心が私を圧倒した」と自身の行動について謝罪した。

今回の判決はトランプ氏の関連裁判に影響を及ぼす可能性がある。トランプ氏は暴動の数日前、自身のツイッターに「今回の大統領選挙は米国史上最大の詐欺だった。１月６日にワシントンＤＣで会おう」という内容の掲示物を載せ、議会乱入事態を事実上触発させた疑いを受けている。