「高齢化のスピードが速い韓国もまもなく労働力不足問題がやってくるでしょう。定年延長をはじめとして高齢者を労働市場でどのように活用するのか早く議論を始めなければなりません」。
日本の高齢化問題を研究するニッセイ基礎研究所の金明中(キム・ミョンジュン)上席研究員(亜細亜大学特任准教授)は「韓国も10年後には国民年金需給開始年齢が満65歳に延期されるがこれに足並みをそろえた定年延長議論は遅々と進まない状況」と懸念する。リタイア時期と年金支給時期の間にギャップができる場合、所得の空白が発生し現在も深刻な高齢者貧困問題がさらに深刻化すると指摘される。
――日本の高齢者雇用政策の特徴は。
「日本は企業と個人の負担を減らすために長期にわたって段階的に施行した。日本の基礎・厚生年金開始年齢が2025年から65歳になるがこれに合わせて『65歳定年』が可能になるよう3年に1歳ずつ定年を徐々に引き上げた。初めは反発もあったが現在はすでに多くの企業で65歳まで仕事ができる環境が作られた」。
――なぜ法的定年を65歳に延ばさなかったのか。
「これもまた企業を考慮したものだ。一律に定年を延長してしまえば企業の負担が想像できないほど大きくなる。したがってひとまず60歳で雇用を切り嘱託などで再雇用できる『継続雇用制』を選択肢として与えた」。
――2021年には70歳までこれを拡大することにしたが。
「現在70歳までは雇用確保は『義務』ではなく『努力義務』だ。企業が環境作りに向けて努力する義務があるという意味でまだ強制事項ではない。『70歳まで雇用』を勧める代わりに選択肢は5種類に増やした。定年延長と廃止、継続雇用制のほかにも、委託契約を通じた雇用や自社の社会貢献事業に雇用する方法なども可能になった」。
――定年が延びれば若者の雇用を奪うことになるのではないか。
「若者と高齢者が雇用をめぐって争う『置き換え効果』が発生しないよう高齢者の勤務方式、時間、給与などを柔軟に適用する必要がある。日本企業も高齢者の継続雇用にともなう負担を減らすため60歳以降はこれまで働いていた部署ではなく人手が不足するところや高齢者が働きやすい環境の部署に配置する方法などを活用する。例えば鉄道会社の運転士の場合、歳を取ると視力が低下し業務をまともにできないケースがある。こうした社員を管理業務や新入社員教育業務などに転換配置する方法がある」。
――韓国の場合、若者たちの就職問題も深刻だ。
「日本と異なる点は、韓国は大学進学率が70%を超えるということだ。韓国の青年失業問題は大卒者が過度に多いこともひとつの要因といえる。日本は大学進学率が50%ほどで、残りは高卒や専門学校を卒業して中小企業などに就職する。韓国が定年延長や高齢者雇用問題を議論する時にこうした違いを考慮して注意深くアプローチする必要がある」。
日本の高齢化問題を研究するニッセイ基礎研究所の金明中(キム・ミョンジュン)上席研究員(亜細亜大学特任准教授)は「韓国も10年後には国民年金需給開始年齢が満65歳に延期されるがこれに足並みをそろえた定年延長議論は遅々と進まない状況」と懸念する。リタイア時期と年金支給時期の間にギャップができる場合、所得の空白が発生し現在も深刻な高齢者貧困問題がさらに深刻化すると指摘される。
――日本の高齢者雇用政策の特徴は。
「日本は企業と個人の負担を減らすために長期にわたって段階的に施行した。日本の基礎・厚生年金開始年齢が2025年から65歳になるがこれに合わせて『65歳定年』が可能になるよう3年に1歳ずつ定年を徐々に引き上げた。初めは反発もあったが現在はすでに多くの企業で65歳まで仕事ができる環境が作られた」。
――なぜ法的定年を65歳に延ばさなかったのか。
「これもまた企業を考慮したものだ。一律に定年を延長してしまえば企業の負担が想像できないほど大きくなる。したがってひとまず60歳で雇用を切り嘱託などで再雇用できる『継続雇用制』を選択肢として与えた」。
――2021年には70歳までこれを拡大することにしたが。
「現在70歳までは雇用確保は『義務』ではなく『努力義務』だ。企業が環境作りに向けて努力する義務があるという意味でまだ強制事項ではない。『70歳まで雇用』を勧める代わりに選択肢は5種類に増やした。定年延長と廃止、継続雇用制のほかにも、委託契約を通じた雇用や自社の社会貢献事業に雇用する方法なども可能になった」。
――定年が延びれば若者の雇用を奪うことになるのではないか。
「若者と高齢者が雇用をめぐって争う『置き換え効果』が発生しないよう高齢者の勤務方式、時間、給与などを柔軟に適用する必要がある。日本企業も高齢者の継続雇用にともなう負担を減らすため60歳以降はこれまで働いていた部署ではなく人手が不足するところや高齢者が働きやすい環境の部署に配置する方法などを活用する。例えば鉄道会社の運転士の場合、歳を取ると視力が低下し業務をまともにできないケースがある。こうした社員を管理業務や新入社員教育業務などに転換配置する方法がある」。
――韓国の場合、若者たちの就職問題も深刻だ。
「日本と異なる点は、韓国は大学進学率が70%を超えるということだ。韓国の青年失業問題は大卒者が過度に多いこともひとつの要因といえる。日本は大学進学率が50%ほどで、残りは高卒や専門学校を卒業して中小企業などに就職する。韓国が定年延長や高齢者雇用問題を議論する時にこうした違いを考慮して注意深くアプローチする必要がある」。
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