北朝鮮と隣接する京畿道漣川郡(キョンギド・ヨンチョングン)の臨津江(イムジンガン)沿いの住民は、台風や大雨を前にすると不安な様子だ。このような状況は10年あまり続いている。北朝鮮の臨津江上流に位置する大規模な黄江ダムの予告なしの放流のためだ。過去最大級の台風と予想された台風6号「カーヌン」の上陸を前に緊張が高まった今月9日にも無断放流が行われた。
同日、臨津江最北端の必勝橋の水位が急激に増え、行楽客の避難水位を一瞬にして上回った。関係当局は、北朝鮮の黄江ダムの突然の放流によるものと把握している。
郡南ダムを管理するK-water(韓国水資源公社)、漣川郡、漢江(ハンガン)洪水統制所などによると、臨津江の南方限界線にある必勝橋の水位は同日午後5時30分、突然1メートルを越えた。同日、漣川一帯では雨が降っていない状況だった。この時刻を前後して10分ごとに4~5センチで水位が急激に上昇した後、同日午後6時30分には1.23メートルを記録するほどあっという間に臨津江の水位が高まった。
当局は臨津江の水位が急速に上がり、行楽客の避難水位に達すると、臨津江一帯にサイレンを鳴らして避難警報放送を流した。周辺の行楽客を避難させ、地域住民や漁業従事者などに携帯メールを送り、格別の注意を呼びかけた。幸い被害は発生しなかった。
北朝鮮の黄江ダムの無断放流は、過去最大級の台風とされたヒンナムノー(2022年台風11号)上陸を控えた昨年9月3日と4日の2日間にも行われ、臨津江沿いの住民を不安にさせた。予告のない放流で臨津江の水が急上昇すれば行楽客と漁船・漁具などの被害が予想されるうえに、大雨で臨津江の水位が高くなった状態で黄江ダムの放流が加われば臨津江一帯の水害が懸念されるためだ。
約10年前に造成された北朝鮮の黄江ダム(総貯水量3億5000万トン規模)は、韓国側の対応ダムの漣川郡南ダム(郡南洪水調節ダム、総貯水量7100万トン)の5倍規模だ。黄江ダムと郡南ダムの距離は57キロメートルと近い。軍事境界線の北側42.3キロメートルの距離にある黄江ダムから放流すれば、増えた水は4時間ほどで南側に届く。北朝鮮側が郡南ダムの状況を見守りながら水門を開放したり放流情報を事前に韓国側に通知しなければ、水害の危険を減らすことができない状況だ。
実際、黄江ダムの予告のない放流により2009年には漣川でキャンプ客6人が死亡した。その後も漣川と坡州(パジュ)でキャンプ客の避難、住宅浸水、漁船および漁具流失などの被害が続いた。
南北は2009年10月、「臨津江水害防止南北実務接触」を行い、北朝鮮がダム放流時に事前通知することで合意した。この合意は2010年まで守られたが、2011年以降ほとんど無視されている。北朝鮮側は、国家間の信義の原則に加え、人道的な意味合いからも一日も早く南北合意事項を遵守しなければならない。
チョン·イクジン/社会部記者
同日、臨津江最北端の必勝橋の水位が急激に増え、行楽客の避難水位を一瞬にして上回った。関係当局は、北朝鮮の黄江ダムの突然の放流によるものと把握している。
郡南ダムを管理するK-water(韓国水資源公社)、漣川郡、漢江(ハンガン)洪水統制所などによると、臨津江の南方限界線にある必勝橋の水位は同日午後5時30分、突然1メートルを越えた。同日、漣川一帯では雨が降っていない状況だった。この時刻を前後して10分ごとに4~5センチで水位が急激に上昇した後、同日午後6時30分には1.23メートルを記録するほどあっという間に臨津江の水位が高まった。
当局は臨津江の水位が急速に上がり、行楽客の避難水位に達すると、臨津江一帯にサイレンを鳴らして避難警報放送を流した。周辺の行楽客を避難させ、地域住民や漁業従事者などに携帯メールを送り、格別の注意を呼びかけた。幸い被害は発生しなかった。
北朝鮮の黄江ダムの無断放流は、過去最大級の台風とされたヒンナムノー(2022年台風11号)上陸を控えた昨年9月3日と4日の2日間にも行われ、臨津江沿いの住民を不安にさせた。予告のない放流で臨津江の水が急上昇すれば行楽客と漁船・漁具などの被害が予想されるうえに、大雨で臨津江の水位が高くなった状態で黄江ダムの放流が加われば臨津江一帯の水害が懸念されるためだ。
約10年前に造成された北朝鮮の黄江ダム(総貯水量3億5000万トン規模)は、韓国側の対応ダムの漣川郡南ダム(郡南洪水調節ダム、総貯水量7100万トン)の5倍規模だ。黄江ダムと郡南ダムの距離は57キロメートルと近い。軍事境界線の北側42.3キロメートルの距離にある黄江ダムから放流すれば、増えた水は4時間ほどで南側に届く。北朝鮮側が郡南ダムの状況を見守りながら水門を開放したり放流情報を事前に韓国側に通知しなければ、水害の危険を減らすことができない状況だ。
実際、黄江ダムの予告のない放流により2009年には漣川でキャンプ客6人が死亡した。その後も漣川と坡州(パジュ)でキャンプ客の避難、住宅浸水、漁船および漁具流失などの被害が続いた。
南北は2009年10月、「臨津江水害防止南北実務接触」を行い、北朝鮮がダム放流時に事前通知することで合意した。この合意は2010年まで守られたが、2011年以降ほとんど無視されている。北朝鮮側は、国家間の信義の原則に加え、人道的な意味合いからも一日も早く南北合意事項を遵守しなければならない。
チョン·イクジン/社会部記者
この記事を読んで…