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【コラム】中国の危機、危機の韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
バイデン米大統領は11日、政治資金募金行事で中国経済を「時限爆弾」に例えた。鈍化する経済成長率、高い失業率、急速な高齢化などを指摘しながら中国経済をいつ爆発するかわからない時限爆弾と比喩した。バイデン大統領は続けて「悪党どもは問題が生じれば悪いことをする」と話し、政治的な突出発言という分析もあるが、中国経済がぐらついているという事実は明確だ。

中国はいま、中では心配、外では憂いだけの内憂外患に陥った。中では輸出、内需、不動産と中国経済を支えている3本の柱が揺れている。外では米国が主要国と連合して中国を固く締めつけている。米国は昨年10月に安全保障などを理由に先端半導体装備の対中輸出統制に出た。ここにこの10年間中国が野心を持って進めてきた「一帯一路」は亀裂の兆しを見せる。先進7カ国(G7)で唯一一帯一路に参加したイタリアは米中対立が激しくなり脱退を考慮している。

不動産は最大の悩みだ。中国政府が1年余りにわたり全力を尽くして防いできたが、腐るだけ腐った市場は爆発する一歩直前だ。この数十年間中国経済はインフラ施設と不動産投資を基に飛躍的に発展した。だが負債が雪だるま式に大きくなり非効率が拡大すると、2020年に中国政府は急騰した住宅価格を抑えるため不動産業者に負債比率を引き下げさせるなど規制を強化した。負債を活用して規模を大きくしてきた不動産業者は耐えられなかった。工事中断事例が続出し、コロナ禍と相まって住宅価格も急落した。


不動産沈滞などで消費者が財布を閉じ始め中国経済はデフレ(物価下落)に陥った。7月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年同期より0.3%、生産者物価指数(PPI)は4.4%下落した。不動産が中国経済で占める割合は30%に迫る。商品価格が下がるというのは企業には負担が大きくなり、消費者には所得が減って雇用が消えるということを意味する。ここに輸出は毎月マイナスが続いている。5月には前年同期より7.5%減り、6月には12.4%、7月には14.5%の急減となった。16~24歳の青年失業率が6月に21.3%で過去最高を記録すると中国政府は突然7月の失業率発表を中断した。

地理的に隣接した韓国は中国の影響を受けるほかない。だが偏りが問題だ。韓国の輸出で中国が占める割合はこの5年間25~26%台を維持し、今年上半期はコロナ禍と中国沈滞の余波で19%台に落ちた。それでも1位だ。米国の割合は11~15%台で推移し上半期には18%に迫った。両国は経済大国だが特定国に過度に偏っている経済構造は経済の不安定性を増幅させる。経済にも特定国に対する依存度を低くする「デリスキング(リスク回避)」が必要な理由だ。

米ウォール・ストリート・ジャーナルは「中国の40年の好況が終わった」という記事で、インフラ投資と建設中心の中国式成長モデルはこれ以上持続するのが難しいと診断した。地方政府を中心に過剰・重複投資が行われ莫大な負債が積もった上に、少子化にともなう人口の崖、米中対立などで中国の成長速度が鈍化するだろうと分析した。一部専門家は中国が1990年代以降沈滞に陥った日本の道を歩むかもしれないと診断したりもする。

韓国はどうなのか。貸付が過度だという不動産市場にはむしろ資金がさらに流入している。7月末の銀行の家計向け融資残高は昨年末より10兆ウォン増えた1068兆1000億ウォンで過去最大値を記録した。50年満期ローンなどが相次いで登場し資金を借りやすくなったためだ。このため人気地域は価格が上がり不人気地域は価格が落ち込む二極化現象が明確だ。負債で不動産市場を支えている局面だ。4-6月期末基準で20代以下の年齢層の延滞率(1カ月以上の元利金延滞基準)は0.44%で過去最高だ。昨年の韓国の合計特殊出生率は0.78人と世界で最も低く、今後の成長鈍化は火を見るより明らかだ。中国の1.09人よりも深刻だ。さらに経済構造は外部衝撃にとても弱い。それでも目の前に広がる「夕立ち」にばかり関心を持ち近い将来やってくるだろう「台風」への対策を用意しない。言葉だけでなく国を考える長期政策が必要だ。

キム・チャンギュ/経済エディター



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