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日帝が絶滅に追い込んだ韓国土種犬、研究グループが50匹以上「集団復元」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

1954年の韓国の国語教科書『パドゥギとチョルス』。

「チリンチリンチリン~チリンチリンチリン~パドゥギの鈴はよく鳴るね~」

韓国の童謡『パドゥギの鈴』に登場する「パドゥギ」はサプサル犬(むく毛犬)の一種で、一時は韓半島(朝鮮半島)一帯に広範囲に生息していた犬種だ。短い毛に広がる斑模様がまるで対局中の碁(韓国語でパドゥク)盤のように見えることから韓国語でこの斑犬にパドゥギという名前がつけられた。

1954年光復(解放)後に初めて作られた国語の教科書『パドゥギとチョルス』に主人公として登場し、童謡にもなるほどパドゥギは韓国人には馴染み深い動物だった。朝鮮時代、宮中の画事全般を司る「図画署(トファソ)」の画員だった金斗樑(キム・ドゥリャン)が描いた「犬図」にもパドゥギそっくりの犬が登場する。


だが、パドゥギは日帝強占期を経て痕跡をなくした。あれほど多かったパドゥギはなぜ突然消えたのだろうか。このような問いの中で、最近消えたパドゥギが復元された。パドゥギはどのように戻ってくることができたのだろうか。慶尚北道慶山市(キョンサンブクド・キョンサンシ)に位置した韓国サプサル犬財団のハ・ジホン理事長と建国(コングク)大学幹細胞再生工学科のパク・チャンギュ教授の研究からその答えを見出すことができる。

まず韓半島のどこでも見かけたサプサル犬が消えたのは日帝の収奪のためだった。1940年代、日本が戦争に必要な革供給源として朝鮮土種犬(土着種)を手当たり次第捕まえたが、その中にパドゥギも含まれていた。日帝は1938年から第2次大戦で崩壊した1945年まで、日本軍が戦争物資として使う毛皮を獲得しようと「朝鮮原皮株式会社」という法人まで別途作って韓半島原産犬150万匹以上を捕まえたという。

このようにして消えたパドゥギが戻ってきた。韓国サプサル犬財団で40年以上サプサル犬を保存・研究する過程で1%未満の珍しい確率で短い毛と斑模様を持つ子犬が生まれたためだ。

ハ理事長は朝鮮時代の各種絵画や文献を調べた末に、この斑模様を持つ犬がしばらく姿を消していたパドゥギであることを知った。ハ理事長は韓半島を代表する土種犬(土着種)だったサプサル犬のようにパドゥギも復元させるための努力が始まった。だが、自然交配は容易ではなかった。ハ理事長は建国大学幹細胞再生工学科のパク・チャンギュ教授など研究陣と共にパドゥギのクローン作りに出た。

パク教授研究チームはパドゥギを復元させるために、比較的毛が長いサプサル犬の斑模様のある個体だけを選んで交配した。パドゥギ品種で見ることのできる子犬が生まれ、クローン研究が行われた。その後2018年に初のクローンに成功し、今年まで50匹以上のグループを形成する集団復元につながった。これまで体細胞の複製や人工受精を通じて少数のパドゥギの個体が生まれたことはあるが、パドゥギの遺伝的形質が等しく現れる集団を作ったのは初めてだ。パク教授は「朝鮮時代の民話など記録に出てくる韓国土種犬パドゥギを伝統遺伝育種学的技法で復元して品種にした」と説明した。これに関連して研究陣は今年6月8日、「韓半島土種犬遺伝子分析研究結果発表」記者会見を開いた。

研究チームは韓国土種犬の起源も明らかにした。サプサル犬、珍島犬(チンドッケ)など極東アジアの5品種のゲノムを分析しながらだ。研究陣は合計25匹のゲノム序列を古代犬やオオカミなど211匹の犬科動物のものとと比較した。約2000年から1万年前の間に韓半島に移動した韓国土種犬のうち、珍島犬と東京犬は東南アジア血統、サプサル犬は北方中央アジア地域で始まったユーラシア血統であることが明らかになった。

研究チームは「紀元前2800年、北方草原地域で韓半島に遊牧民が流入した時期と東南アジアの稲作技術が韓半島に入ってきた時期が土種犬の起源と一致する」とし「今回の研究が韓国人のアイデンティティ理解に大きく寄与するものと期待される」と付け加えた。



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