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ウクライナが領土の一部放棄しNATO加盟? …ロシア「首都を渡せ」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ウクライナの大反撃が大きな成果を出せずウクライナ戦争長期化の可能性を高めている。こうした中、北大西洋条約機構(NATO)高位関係者が、ウクライナが領土の一部をロシアに譲渡する見返りとしてNATOに加盟する案を出した。

ノルウェー日刊紙ベルデンスガングが15日に伝えたところによると、こうした提案はNATO事務局長のイェンセン首席秘書官から出てきた。彼はこの日ウクライナの未来を議論するためにノルウェー南部アレンダルで開かれた座談会で「ウクライナ問題を終わらせる解決策としてウクライナが一部領土をロシアに譲渡する見返りとしてNATO加盟国になること。ただウクライナが交渉を望む時期と条件を決めなければならない」と話した。

NATOの公式的な見解なのかを問う取材陣の質問にイェンセン氏は「必ずそうすべきと話すものではないが、領土譲渡がすでにNATO内でも提起された。現在ウクライナの戦後地位に対する議論が活発に進行中だ」と説明した。NATOの公式見解ではないが、高位関係者の口を通じて領土譲渡を前提としたNATO加盟の言及が出てきたのは初めてだ。


これに先立ち7月中旬にNATOはリトアニアのビリニュスで開かれた首脳会議で、ウクライナに申請国が経なければならない長期手続きである加盟行動計画を免除することに合意したが、加盟国の地位獲得と関連した具体的な日程は提示しなかった。

イェンセン氏の発言に対しウクライナ大統領府とウクライナ外務省はすぐに「ウクライナの領土の一部を放棄する見返りとしてウクライナがNATOに加盟するという話は絶対受け入れられないとの立場を発表した。ウクライナのポドリャク大統領顧問はX(旧ツイッター)に「領土譲渡とNATO加盟を引き換えにするというのはとんでもない提案。これは故意に民主主義の敗北を選択し、世界的な犯罪者をそそのかし、国際法を破壊したロシア政権を保存し、戦争を違う世代に譲ることを意味する」と指摘した。

ロシアはこうした案に対し事実上受け入れにくい条件を掲げた。ロシアのプーチン大統領の最側近であるメドベージェフ国家安全保障理事会副議長は「新しい提案と関連して重要な点は現在ウクライナのすべての領土が紛争中。ウクライナがNATOに加盟するためには古代ルーシ(ロシア、ウクライナ、ベラルーシ一帯に形成されたルーシ人の国)の首都キーウまで渡さなければならない」と主張した。

今回の提案は6月初めに始まったウクライナの大反撃が重大な突破口を設けられないなど目立った成果がない状況で出てきた。ロシアは依然としてウクライナ領土60万3700平方キロメートルのうち20%の10万平方キロメートル以上を占領している。西側の一部ではウクライナが大反撃で東部と南部の一部占領地を奪還し今年末にもロシアと戦争を終わらせるための協議に入ると期待した。

しかし「現在の反撃速度では出口のない長期戦に対する懸念だけ育てる」など西側のウクライナ支援に対する懐疑的な見方だけ大きくなっている。米国民を対象にしたCNNの最近の調査で55%の回答者は「米議会がウクライナを支援するための追加資金を承認してはならない」と答えた。

戦争長期化による民間人の被害は拡大が続いている。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は開戦からの1年6カ月間に発生した民間人死亡者は9444人、負傷者は1万6940人という内容の調査報告書を15日に発表した。



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