韓国政府が１４日に発表した光復節（解放記念日）特別恩赦は「経済再生」に焦点が合わされた。富栄（プヨン）グループ創業者の李重根（イ・ジュングン）氏をはじめ、企業家１２人が特赦に含まれて経営現場に復帰できる道が開かれることになった。キム・テウ元ソウル江西（カンソ）区庁長も大法院（最高裁）有罪確定から３カ月で特赦の対象に含まれた。

韓東勲（ハン・ドンフン）法務部長官は１５日付で２１７６人に対する特別恩赦を断行すると明らかにして「国家経済全般の活力を回復して経済危機を克服し、政治・社会的葛藤を解消し、国家的和合を達成することができるよう期待する」と述べた。今回の特赦は尹錫悦（ユン・ソクヨル）政府発足後３回目となる。

錦湖（クムホ）石油化学の朴贊求（パク・チャング）名誉会長とロッテ奨学財団の辛英子（ロッテシン・ヨンジャ）元理事長は刑宣告失効と復権の対象に入った。朴氏は約１３０億ウォン（約１４億円）の背任容疑で２０１８年懲役３年・執行猶予５年を言い渡され、２０２５年末まで就職が制限されたため無報酬の名誉会長職を務めてきた。辛氏はロッテグループ経営不正事件で経営の第一線から退いていた。朴氏側は「今後、本業により一層集中して経済再生のために尽くすことができるように努める」と明らかにした。


李重根氏は数百億ウォン台の横領・背任容疑で２０２０年懲役２年６月の確定を受けて服役し、翌年の光復節仮釈放された。５年間就職制限状態だったが今回制限が解かれることになった。太光（テグァン）グループの李豪鎭（イ・ホジン）会長と鐘根堂（チョングンダン）の李章漢（イ・ジャンハン）会長、東亜ソシオホールディングスの姜廷錫（カン・ジョンソク）元会長、三養（サムヤン）食品の金廷修（キム・ジョンス）副会長、中小企業中央会の金基文（キム・ギムン）会長なども復権の対象になった。中小企業人・小商工人を含む経済界赦免・復権対象者は１０５人だ。

経済団体は「事業報国（事業を通して国を富ませる）の使命を再確認し、民生安定と経済回復という国民の期待に応えるために最善の努力を尽くす」（全国経済人連合会）、「順法経営に尽力し、良質の雇用がより一層増やすことができるようにうに最善を尽くす」（韓国経営者総協会）としながら一斉に歓迎した。

キム・テウ氏を含め、特赦リストに入った政治家と高位公職者出身は７人。文在寅（ムン・ジェイン）政府青瓦台（チョンワデ、大統領府）特別監察班員だったキム氏は柳在洙（ユ・ジェス）元釜山市（プサンシ）経済副市長の不正疑惑監察を当時民情首席室が揉み消したと暴露した容疑で今年５月に確定判決（懲役１年・執行猶予２年）を受けて区庁長職を失っていた。それほど経たずに刑確定が問題になったが、特赦に含まれて１０月の補欠選挙に立候補できるようになった。キム氏は「江西区に戻る」と言って出馬意志を明らかにした。中央日報の取材を総合すると、尹大統領はキム氏に対して権力型不正を暴露した公益申告者という点を重視し、赦免意志が確かだったという。

南楊州（ナムヤンジュ）市長在任当時、李在明（イ・ジェミョン）京畿道（キョンギド）知事と事あるごとに対立して「李在明狙撃手」と呼ばれた趙光漢（チョ・グァンハン）元市長と京畿南部地方警察庁の鄭龍仙（チョ・ヨンソン）元庁長も刑宣告の失効と復権の対象になった。姜万洙（カン・マンス）元企画財政部長官、慶南（キョンナム）開発公社の朴宰祺（パク・ジェギ）元社長、イム・ソンフン前羅州（ナジュ）市長も復権し、セウォル号遺族査察容疑で懲役１年が確定したソ・ガンウォン元機務司令部参謀長ら国防部管轄対象者６人も赦免・復権措置を受けた。

国民の力は「国民統合と経済回復に尽くす」と期待した反面、共に民主党は「赦免権の乱用であり、司法府に対する正面からの挑戦」と反発した。