11日、ソウルワールドカップ競技場でK-POPスーパーライブコンサートが開かれている。[写真 韓国文化体育観光部]
「準備不足。参加費を返してほしい」
ずさんな運営や猛暑・台風など紆余曲折の末に閉幕した「2023セマングム世界スカウトジャンボリー」に対する評価が交錯している。閉幕行事だったK-POPコンサートについては「ジャンボリーを救った」という好評が出てくる中で、大会運営全般にわたって未熟な点が多かったという評価も依然とある。主務部署である女性家族部と全羅北道(チョルラブクト)に対する責任論も本格的に提起される見通しだ。
◇「スカウト精神で克服」海外隊員の評価は
13日、女性家族部によると、11日の閉営式とK-POPコンサートを終えたジャンボリー参加者158カ国・約4万5000人は閉営当日約2000人をはじめ順次帰国の途についた。12日だけで約1万人以上が出国したが、一部の隊員はソウルなどに残って文化体験や都心観光を続ける予定だ。韓国政府は「大会参加前に購入した航空券の日程により、閉営後も参加者が韓国に数日残るのであれば積極的に支援する」という立場だ。
11泊12日の日程を終えた隊員のジャンボリーに対する所感は肯定と否定に分かれた。オーストラリアから来たスカウト隊員のジョシュア・ウェルズさん(16)は10日、電子メールを通じて記者に「全世界から来たスカウト隊員に会い、韓国で凧上げなどさまざまな文化体験をした」とし「決して忘れることのできない一生の経験になるだろう」と話した。ニュージーランドの隊員ジェフリー・ブラウンさんは9日、インスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)を通じて記者に「予想よりも早くセマングムを離れることが非常に悲しかったが、私たちは韓国で良い時間を過ごした」と伝えた。
組織委員会の能力が不足していたという否定的な評価もあった。娘と妻がジャンボリーに参加したというメキシコのモリシオ・ペレスさんは10日、電子メールを通じて記者に「ジャンボリー組織委が大会を発展させる能力がなかった」と酷評した。「息子2人が今回の大会に参加した」というある外国人の父親は「キャンプ場が十分に準備されていなかった。一部払戻しを希望する」とした。2人とは3000人が参加しているフェイスブックのジャンボリーグループコミュニティを通じて接触し、それぞれ記者に電子メールを送ってきた。
最後の公式日程であるK-POPコンサートは「K-POPがジャンボリーを救った」という言葉が出てくるほど「救援投手」の役割を十二分に果たした。京畿道(キョンギド)のある地方自治体関係者は「コンサート当日、非常に多くの国家が一度に集まり、子どもたちが待機時間などで大変そうだったが、コンサートを楽しんだ。子どもたちの反応が非常に熱かった」と伝えた。引率を担当したある団体関係者は「ソウル上岩(サンアム)を往復するのに8時間かかったが、子どもたちは喜んでいた。(コンサートが)これまでの疲れた気持ちをなだめてくれたようだ」と話した。
◇K-POP歓呼に排除された女性家族部?
ジャンボリーの主務部署である女性家族部は収拾局面からはほぼ排除される様相だ。金賢淑(キム・ヒョンスク)長官は4日からジャンボリー関連のデイリー記者会見に出てきた。当時金長官は「閉幕まで毎日会見を開いて状況を取りまとめていく」と明らかにした。しかし閉営を控えて10日に開かれた「閉営式およびK-POPコンサート総合準備状況」の会見は、金長官ではなく同部から金権永(キム・グォニョン)青少年政策官が出席した。11日の閉営式当日も同様だった。金長官は9日には予定されたデイリー記者会見を突然取り消したりもした。一部では長官去就などと関連づける推測も出ていたが、同部は「各行事の主務部署が違ったため発生したこと」と説明する。女性家族部関係者は「9日は台風対備状況関連なので主務部署である行政安全部が担当し、閉営式とK-POPコンサートは主務部署が文化体育観光部なので金長官が会見に出席しなかった」と話した。
ジャンボリーが終了したことから、ずさんな運営を巡り責任攻防も本格化する見通しだ。与野党は8月臨時国会が始まる16日から関連の常任委員会を開く。国会によると、行政安全委員会は16日に全体会議を開いて行政安全部に対してセマングムジャンボリーに関する懸案質問を行う。25日には女性家族委員会が金賢淑長官などを呼んで懸案の質問を実施する予定だ。監査院もジャンボリー組織委や全羅北道など関係機関のほか、女性家族部や行政安全部など支援部署に対する監査準備に入ったという。
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