米コロラド大で物理学を専攻する大学院生ホフ・ホワイトロック氏は数日前の朝、同僚の研究者が行き来する研究室前の廊下で叫んだ。「私の研究結果に問題がないか誰かクロスチェックをしてほしい」。
世界の物理学者、化学者はこの数週間、このように我を忘れて忙しい時間を送った。先月末に科学論文ウェブサイト「アーカイブ」に登場した「初の常温常圧超伝導体」LK-99を実験室で再現し、科学的に検証するためだった。ワシントンポスト(WP)の科学担当記者キャロリン・ジョンソン氏は9日(現地時間)、このようにオン・オフラインを騒がせたLK-99事態を取り上げた。
メディアは今回の事例が特定の科学的発見に対する大衆の即刻反応を見ることができる機会を提供したと指摘した。超伝導体について聞いたことがなかった人たちがこの技術の潜在的波及効果に言及しながらSNSバイラルが爆発的に増えたという点でだ。半面、科学者は科学的研究と実験に基づく検証に没頭し、こうした興奮を抑える役割をした。
実際、X(旧ツイッター)やTik TokなどSNSは大騒ぎになった。電気抵抗ゼロの夢の物質超伝導体を比較的容易に常温常圧で初めて実現したというニュースに一般の人たちは熱狂した。「リニアモーターカーができる」「超伝導体の前では人工知能(AI)もチャットGPTも遺物になる」「ノーベル賞は確実」「韓国が地球の問題を解決した」などと各種ミームが続いた。超伝導体関連株に関心が集中し、株式市場までが動いた。
しかしWPは「各国科学者の研究と実験を経てLK-99は超伝導体でない単純な磁石と判明中」と指摘した。新しい物質を検証した結果、超伝導体の2種類の特徴である電気抵抗ゼロ、物体が磁場を外部に押し出すマイスナー効果がとも不十分という結論が次々と出てきたと伝えた。
これに先立ち科学学術誌サイエンスは8日、ウェブサイトの記事で「常温超伝導性主張の短くて華麗な寿命」とし「インターネットに飛び立った名声が2週ぶりに地球に戻った」と報じた。メディアは「9日晩に『LK-99には超伝導性がない』という各国科学者の後続研究論文が次々とアーカイブに掲載され、論争は終わった」とした。
サイエンスによると、米国、英国、インド、中国の研究陣がそれぞれ再現を通じて検証作業に入ったが、「LK-99は超伝導体でない」という結論が出てきた。ただ、論文の共同著者のキム・ヒョンタク米ウィリアムアンドメリー大教授は「サンプル製造方法が間違っているため」という立場だ。これに先立ちネイチャーも4日、「ソーシャルメディアは新しい物質に対する雑談で騒がしいが、科学者は過大解釈を拒否している」とし、懐疑的な反応を伝えた。
これに対しWPは「大衆は風船から空気が抜けるように失望するだろうが、今回の件は挫折とは距離がある」とし「超伝導体を作り出して理解しようという探求は今後も続くという点を知ったため」と意味付けした。
米イリノイ大物理学科のフィリップ・フィリップス教授はWPに「このようなことは物理学者を動かす。我々をそうさせる」とし、興味深い試みだったと評価した。米オレゴン大化学科のクリストファー・ハンドン副教授は「ほとんどの科学は失敗するケースがその反対よりも多い」とし「LK-99が科学的な実験の経路をたどったとすれば今回の失敗は驚くことではない。これが科学が作動する方式」と主張した。
◆「生涯最大の発見!」 米プリンストン大物理学徒が知らせた
先月22日、クォンタムエネルギー研究所のイ・ソクベ代表ら韓国研究陣は科学学術ウェブサイトのアーカイブに「常温常圧超伝導体を初めて発見」と主張する論文2件を載せた。同僚の検討を踏んでいないこの論文で、韓国研究陣は銅と鉛、リン酸塩などを合成した物質のLK-99が常温・常圧で超伝導体の特性を見せたと主張した。研究陣は26日にはLK-99が磁石の上で半分ほど浮いている動画も公開した。
この時にXでLK-99の爆発的なバイラルを起こした人物がいた。米プリンストン大物理学徒だったスタートアップ事業家アレックス・カプラン氏だ。カプラン氏はプリンストン大卒業後に冷凍コーヒーを開発するスタートアップを運営している。
カプラン氏は26日、Xに「きょう生涯最大の物理学的発見を知ったようだ。多くの人たちは常温常圧超伝導体の意味をよく知らないようだが、どういうことかを教えたい」とし、LK-99の論文を初めて伝えた。カプラン氏はプリンストン大の同窓生にもこれを知らせた。カプラン氏の最初のポスティングは3000万人以上が見て、2万8000人が共有した。コメントは2500件を超えた。
その後、カプラン氏は一般人が分かりやすく常温・常圧超伝導体発見の意味と科学者の後続検証結果をXで生中継した。科学者らの流れを追っていたカプラン氏も7日、「LK-99の超伝導体の可能性を排除する」というコメントを載せた。
世界の物理学者、化学者はこの数週間、このように我を忘れて忙しい時間を送った。先月末に科学論文ウェブサイト「アーカイブ」に登場した「初の常温常圧超伝導体」LK-99を実験室で再現し、科学的に検証するためだった。ワシントンポスト(WP)の科学担当記者キャロリン・ジョンソン氏は9日(現地時間)、このようにオン・オフラインを騒がせたLK-99事態を取り上げた。
メディアは今回の事例が特定の科学的発見に対する大衆の即刻反応を見ることができる機会を提供したと指摘した。超伝導体について聞いたことがなかった人たちがこの技術の潜在的波及効果に言及しながらSNSバイラルが爆発的に増えたという点でだ。半面、科学者は科学的研究と実験に基づく検証に没頭し、こうした興奮を抑える役割をした。
実際、X(旧ツイッター)やTik TokなどSNSは大騒ぎになった。電気抵抗ゼロの夢の物質超伝導体を比較的容易に常温常圧で初めて実現したというニュースに一般の人たちは熱狂した。「リニアモーターカーができる」「超伝導体の前では人工知能(AI)もチャットGPTも遺物になる」「ノーベル賞は確実」「韓国が地球の問題を解決した」などと各種ミームが続いた。超伝導体関連株に関心が集中し、株式市場までが動いた。
しかしWPは「各国科学者の研究と実験を経てLK-99は超伝導体でない単純な磁石と判明中」と指摘した。新しい物質を検証した結果、超伝導体の2種類の特徴である電気抵抗ゼロ、物体が磁場を外部に押し出すマイスナー効果がとも不十分という結論が次々と出てきたと伝えた。
これに先立ち科学学術誌サイエンスは8日、ウェブサイトの記事で「常温超伝導性主張の短くて華麗な寿命」とし「インターネットに飛び立った名声が2週ぶりに地球に戻った」と報じた。メディアは「9日晩に『LK-99には超伝導性がない』という各国科学者の後続研究論文が次々とアーカイブに掲載され、論争は終わった」とした。
サイエンスによると、米国、英国、インド、中国の研究陣がそれぞれ再現を通じて検証作業に入ったが、「LK-99は超伝導体でない」という結論が出てきた。ただ、論文の共同著者のキム・ヒョンタク米ウィリアムアンドメリー大教授は「サンプル製造方法が間違っているため」という立場だ。これに先立ちネイチャーも4日、「ソーシャルメディアは新しい物質に対する雑談で騒がしいが、科学者は過大解釈を拒否している」とし、懐疑的な反応を伝えた。
これに対しWPは「大衆は風船から空気が抜けるように失望するだろうが、今回の件は挫折とは距離がある」とし「超伝導体を作り出して理解しようという探求は今後も続くという点を知ったため」と意味付けした。
米イリノイ大物理学科のフィリップ・フィリップス教授はWPに「このようなことは物理学者を動かす。我々をそうさせる」とし、興味深い試みだったと評価した。米オレゴン大化学科のクリストファー・ハンドン副教授は「ほとんどの科学は失敗するケースがその反対よりも多い」とし「LK-99が科学的な実験の経路をたどったとすれば今回の失敗は驚くことではない。これが科学が作動する方式」と主張した。
◆「生涯最大の発見!」 米プリンストン大物理学徒が知らせた
先月22日、クォンタムエネルギー研究所のイ・ソクベ代表ら韓国研究陣は科学学術ウェブサイトのアーカイブに「常温常圧超伝導体を初めて発見」と主張する論文2件を載せた。同僚の検討を踏んでいないこの論文で、韓国研究陣は銅と鉛、リン酸塩などを合成した物質のLK-99が常温・常圧で超伝導体の特性を見せたと主張した。研究陣は26日にはLK-99が磁石の上で半分ほど浮いている動画も公開した。
この時にXでLK-99の爆発的なバイラルを起こした人物がいた。米プリンストン大物理学徒だったスタートアップ事業家アレックス・カプラン氏だ。カプラン氏はプリンストン大卒業後に冷凍コーヒーを開発するスタートアップを運営している。
カプラン氏は26日、Xに「きょう生涯最大の物理学的発見を知ったようだ。多くの人たちは常温常圧超伝導体の意味をよく知らないようだが、どういうことかを教えたい」とし、LK-99の論文を初めて伝えた。カプラン氏はプリンストン大の同窓生にもこれを知らせた。カプラン氏の最初のポスティングは3000万人以上が見て、2万8000人が共有した。コメントは2500件を超えた。
その後、カプラン氏は一般人が分かりやすく常温・常圧超伝導体発見の意味と科学者の後続検証結果をXで生中継した。科学者らの流れを追っていたカプラン氏も7日、「LK-99の超伝導体の可能性を排除する」というコメントを載せた。
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