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韓国、湿度66%超える「湿潤猛暑」…熱中症患者が急増(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
日雇い労働者のシンさん(65)は今年の夏は特にきついという。雨の日が多かった。汗の量も多かった。鉄筋を担ぐシンさんの肩から汗が流れ落ちた。シンさんは「気温が大きく上がったとは思わないが、異様に汗が流れる」と話した。

ソウルの7月の日別体感温度の平均は31.4度。昨年の31.8度と比べるとむしろ低い。同じ期間、猛暑の日数も今年は6日であり、昨年(10日)より少ない。ところが日別湿度の平均は今年が71.8%と、昨年(66.7%)より5%以上も高く、湿度が90%を超える日は昨年は一日もなかったが、今年は6日にのぼった。蒸し暑い日がそれほど多いということだ。それで今年の夏はよく汗が出る。

「湿潤猛暑」の拡張が尋常でない。すでに気象庁は5月、猛暑特報発表基準を「最高気温」から「最高体感温度」に変更した。体が33度以上の温度を感じる状態が2日以上続く場合、猛暑注意報を発表する。暑さによる被害が増えると予想されるからだ。普通、湿度が上がれば暑さをさらに感じる。湿度が10%上がれば体感温度は1度上がる。湿度を反映した猛暑が今ではもう一つの基準になっている。


この湿度が過去3年間に急激に上がった。平均湿度(7月基準)は2021年から58%→66.7%→71.8%と上昇した。単純計算で7月の韓国人の体は2年前に比べて1度以上も熱くなったということだ。イ・ミョンイン猛暑研究センター長は「まだ『湿潤猛暑』発生日の増加傾向が明確というわけではないが、2000年代から徐々に増えているのは事実」と述べた。

「湿潤猛暑」はどのように訪れたのか。アジア太平洋経済協力会議(APEC)気候センターのイ・ヒョンジュ研究員は「2000年代後半から高温多湿の空気を含む北太平洋高気圧の縁が韓半島(朝鮮半島)の南西に多くとどまっているため」と明らかにした。

北太平洋高気圧が韓半島の南西側に掛かれば高温多湿の空気が流入する。さらに海洋の温かい水蒸気も含んでいる。最近はエルニーニョで海水面の温度が高まり、高温多湿の空気はボーナスになった。このため最近は33度を超える日が増えている。イ・ミョンイン・センター長は「猛暑と熱帯夜が同時に発生するケースも増えた」と分析した。

日雇い労働者のシンさんの悩みは深まっている。猛暑が続いているからだ。猛暑の中でも相対湿度が66%以上の場合を「湿潤猛暑」という。過去60年間(1958-2019年)、韓半島の猛暑100回のうち70回が「湿潤猛暑」だった。釜山大のハ・ギョンジュ大気環境科学科教授は「最近は海水面の温度が上昇していて湿潤猛暑は増えると予想される」とし「今後、湿潤猛暑は10年単位で最大2日ほど持続的に増えるるだろう」と話した。例えば2020年の湿潤猛暑が10日間だとすれば、10年後の2030年には「10+2日間」発生するということだ。

「雨が降ってもなぜこれほど暑いのか」。先月26日午後、京畿道(キョンギド)北部に夕立ちが降った。配達員のキムさん(54)は「雨がやんだ後は少し涼しくなると思っていたが、ヘルメットの中からは汗が雨のように流れる」と語った。ソウル大のソン・ソクウ地球環境科学部教授は「最近は異例の現象が表れ、1時間あたり80ミリの豪雨が一度に降るため、暑さを冷ます間もなく蒸し暑さが続く」と話した。

猛暑は水を含むと危険になる。ハ・ギョンジュ教授は「湿度が熱を冷ます能力を落とす」と説明した。今年の熱中症患者が特に多い理由だ。7月基準で熱中症患者数は前年同月の1051人から1191人へと140人増えた。死亡者数も7人から13人に倍近く増えた。今月3日までに死亡者は19人発生し、1年間で2.7倍に増えた。特に農場・工事現場など野外活動中の被害が多かった。

湿潤猛暑の時はストレスも高まる。身体の健康に影響を与える程度を指数化した熱ストレス指数(HI)をみると、「乾燥猛暑」は「注意」段階にとどまるのに対し、「湿潤猛暑」は「極度注意」または「危険」水準に到達している。熱ストレスが激しければ経済活動もきつくなって労働生産性が低下し、2030年には2兆4000億ドル(340兆円)の経済的損失が生じるという国際労働機関(ILO)の研究報告書もある。


韓国、湿度66%超える「湿潤猛暑」…熱中症患者が急増(2)

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