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ユネスコ登録推進中なのに…8日間水に浸かったままの韓国国宝

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産登録を推進中の韓国国宝第285号「盤亀台(パングデ)岩刻画」が、8日間水に浸かったままだ。梅雨のせいで盤亀台岩刻画が位置した大谷川(テゴクチョン)の水位が上昇したためだ。浸水状態が続けば岩刻画が毀損され、世界文化遺産登録の障害物になるかもしれないという。

◇8日間水に浸ったまま

26日、蔚山市(ウルサンシ)と韓国水資源公社の水情報ポータルによると、盤亀台岩刻画は19日0時ごろから水に浸り始めた。大谷川の水位が53.15メートルを記録して岩刻画の下の部分から浸水が始まった。続いて20日0時(54.14メートル)から24日0時(54.05メートル)にかけては水位がさらに上昇して、より多くの部分が水に浸った。雨が徐々に弱まった25日(53.92メートル)、雨がやんだ26日午前9時(53.65メートル)現在も大谷川の水位は53メートル以上を記録している。


盤亀台岩刻画は大谷川と接する絶壁岩盤に刻まれた絵だ。縦4メートル×横8メートルの大きさで、大谷川の水位が53メートルよりも高くなると水に浸ってしまう。普段の大谷川の水位は48メートルほどだ。今回の盤亀台岩刻画の浸水は昨年9月台風14号「NANMADOL(ナンマドル)」以降となる。蔚山市側は「盤亀台岩刻画をできるだけ早く水から守るために一日24万トン程度の排水作業を大谷川の下の配管を通じて行っている」と説明した。

◇盤亀台岩刻画、世界遺産登録を推進中

文化財庁と蔚山市は盤亀台岩刻画の世界遺産登録を目指して手続きを推進している。今年9月にユネスコ世界遺産センターに登録申込書の草案を、来年1月には最終申込書を提出する計画だ。登録はユネスコの現地実態調査や評価などを経て2025年7月ごろに決まる。

盤亀台岩刻画の浸水・毀損はこれが初めてではない。台風や梅雨の影響で年平均2カ月ほど水に浸っていて、徐々に絵が見えにくくなっている。蔚山市は盤亀台壁画の根本的な浸水・毀損を防ぐために2000年から23年間27回にわたり80億ウォン(約9億円)を投じて解決策を模索しているが、まだこれといったものを探すことができていない。

◇ダムで水位調節すれば飲料水不足に

単純に岩刻画だけを保存したいのであれば、大谷川内にあるサヨンダムに水門を取り付けて水を排水しながら水位を調節すればよい。だがこのようにすれば蔚山地域の生活用水が足りなくなる。予想用水供給量は一日13万1000トン。計画量18万トンと比較すると4万9000トンが減ることになる。

水門を通じて一時的に放流量が増えれば蔚山太和江(テファガン)下流の水位が約2センチ上昇するという分析もある。これにあわせて議論中だった蔚山地域の新しい飲料水源を探す問題も、大邱市(テグシ)など地方自治体別に意見が異なっていてこれといって進展がない状況だ。そのため岩刻画が水に浸るたびに、雨がやんで大谷川の水位が低くなるのを待つという「自然だのみ」の状況が繰り返されている。

◇「8月初めごろ水が引くだろう」

蔚山市関係者は「来月初めに雨が完全にあがれば盤亀台岩刻画浸水問題が自然に解決されると予想する」とし「毎日2回現場に出て行ってモニタリングをしながら鋭意注視している」と話した。

1971年に発見された盤亀台岩刻画にはクジラやトラ、イノシシ、シカなど多種多様な動物の絵300点余りが刻まれている。先史時代の遺物と認定されて2010ユネスコ暫定目録に登録された。



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