オーストラリア政府の特別訪問客プログラムでオーストラリアに行ってきた。今回の訪問を通じてオーストラリアは相互国益の側面でもっと親しくなるべき国だという思いを強くした。

オーストラリアは自由民主主義国家で、私たち韓国と価値を共有するアジア太平洋の核心国家だ。米英豪３カ国安全保障枠組み（ＡＵＫＵＳ＝オーカス）の一員であるオーストラリアのインド太平洋戦略は尹錫悦（ユン・ソクヨル）政府のインド太平洋戦略と大きく違うところはなく、国防・安全保障の側面で絶対的協力者になることができる。オーストラリアはリチウム・鉄鋼石など核心鉱物資源が豊富で、安定的サプライチェーン（供給網）の構築という経済安全保障の側面でもおろそかにしてはいけないパートナーだ。

また豊富な再生可能エネルギーを利用してグリーン水素を生産するなど気候変動対応のための炭素中立の側面でも非常に重要な国だ。オーストラリアは韓国の核心パートナーとして相互協力が強化されているが、両国は補完的側面があり、その意義はより一層大きい。


オーストラリアの人口は韓国の半分、国土は７７倍、１人当たりの国民所得は１．７倍である５万６０００ドルに達する。オーストラリアは第１次および第３次産業中心から足早に第２次産業への発展に集中している。鉱物を未加工状態で輸出していた過去とは違い、共同探査と技術協力を強調して投資誘致に努めている。特に核心鉱物資源が豊富な西オーストラリア州の首相ロジャー・クック氏は訪韓を計画するなど韓国企業の投資誘致に大きな関心を示した。防衛産業協力にも関心が高かった。ただし一方的な輸出入関係ではなく相互運用性の拡大を強調していることから、防衛産業にしても資源にしても外交的アプローチが求められる。

オーストラリアと中国の関係は留意して見守る必要がある。中国への依存度が非常に高かったオーストラリアは過去の保守政権で、米国との同盟戦略上、中国の比重がやや低くなった。しかし現在政府与党である労働党所属の有力長官が話したように、過去の保守党政府は反中を過度に政治的に利用したという認識がオーストラリア与党圏で形成されていて対中輸出入の依存度は再び高くなる可能性がある。