北朝鮮の核疾走は国際社会でも完全な北朝鮮の非核化を一種の「幻想」として片付ける世論を作っている。さらに米国内でも北朝鮮を「事実上の核保有国」と認め、核軍縮と非拡散に重点を置くべきという見解が提起されるほどだ。これは北朝鮮がこの30年、さらに進んで休戦後70年間待ってきた韓国に対し完ぺきな優位に立つ「星の時間」を提供するという点で注目する必要がある。核保有を暗黙的に認められ一部制裁も解除された北朝鮮は非核国である韓国に強圧外交を駆使して主導権を行使し、最終的に「領土完正」の夢を成就しようとするだろう。
だが北朝鮮のこうした戦略は意図通りにはならず、むしろ逆作用に直面しているのが現実だ。何より韓米両国が拡大抑止を最大限強化して北朝鮮の核の効用性を低くしている。4月に韓米首脳はワシントン宣言を通じて北朝鮮の核抑止に向けた共助に合意し具体的な核戦略企画議論に向けた核協議グループ(NCG)発足を宣言した。
一部ではワシントン宣言の実効性と十分性に疑問を提起するが、北朝鮮の反応を見れば明確な効果が確認されている。実際に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の国賓訪米が終わる前に北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長はワシントン宣言が「最も敵対的で侵略的な行動意志が反映された極悪な対朝鮮敵視政策の集約化した所産」と強力に批判した。その後も「傀儡(かいらい)逆徒の哀願訪問」という非難を1週間にわたり浴びせた。拡大抑止に対し北朝鮮が体感する脅威は思ったよりも大きいという傍証だ。
2番目に、北朝鮮が要求する「生存権」と「発展権」の保障もさらに遠ざかった。合同演習と戦略資産展開の永久中断など生存権要求に韓米はむしろ大規模合同演習再開と戦略原子力潜水艦など「最終兵器」投入でこたえた。サイバー空間がふさがり北朝鮮の発展権確保も難関にぶつかった。北朝鮮が注力してきたIT技術者を通じた外貨稼ぎと暗号資産奪取などが韓米をはじめとする国際社会の各種制裁により不如意となり、金正恩の統治資金もますます枯渇している実情だ。
3番目、北朝鮮の核は米国が主導する「統合抑止」にも少なくない動力を提供している。米国の統合抑止はインド太平洋地域を単一戦区と想定して北大西洋条約機構(NATO)の大西洋同盟と域内2国間同盟国をひとつにまとめて「乗数効果」を最大化する戦略だ。同盟国間の協力を通じて同盟国の資産と前進配備された米軍の戦力などを統合して域内安保脅威に対応する戦略が計画通りに進行される場合、北朝鮮は韓日米豪とNATO同盟国が結びついた巨大な安保協力体を相手にしなければならない。北朝鮮の核抑止力は最大化され逆に北朝鮮の核効用性は最小化される結果につながるという話だ。
休戦70年間に固まった韓半島の対立構図が短期間で消滅するのは容易でない。特に北朝鮮の核が世界を相手に「実存的脅威」を加えている状況で韓半島平和は依然として見通しが暗くなったのが現実だ。だがこれと同時に北朝鮮が描く「核ある韓半島」もまた決して完成されることがなく容認されることもないというのが最近の国際社会の共通した合意だ。結局北朝鮮が休戦協定日を「戦勝日」と呼ぶ「対決と誇示の政治」を中断し対話の場に出る時に韓半島平和の端緒が設けられる。韓米共助をはじめとする国際社会の連帯がいつになく重要な理由だ。
パク・ウォンゴン/梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科教授。韓東大学教授を務め梨花女子大学統一学研究院長と東アジア研究院北朝鮮研究センター長、統一部・国防部政策諮問委員などを務めている。
北朝鮮の核疾走で固まる対立構図、短期間に消滅しないだろう(1)
だが北朝鮮のこうした戦略は意図通りにはならず、むしろ逆作用に直面しているのが現実だ。何より韓米両国が拡大抑止を最大限強化して北朝鮮の核の効用性を低くしている。4月に韓米首脳はワシントン宣言を通じて北朝鮮の核抑止に向けた共助に合意し具体的な核戦略企画議論に向けた核協議グループ(NCG)発足を宣言した。
一部ではワシントン宣言の実効性と十分性に疑問を提起するが、北朝鮮の反応を見れば明確な効果が確認されている。実際に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の国賓訪米が終わる前に北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長はワシントン宣言が「最も敵対的で侵略的な行動意志が反映された極悪な対朝鮮敵視政策の集約化した所産」と強力に批判した。その後も「傀儡(かいらい)逆徒の哀願訪問」という非難を1週間にわたり浴びせた。拡大抑止に対し北朝鮮が体感する脅威は思ったよりも大きいという傍証だ。
2番目に、北朝鮮が要求する「生存権」と「発展権」の保障もさらに遠ざかった。合同演習と戦略資産展開の永久中断など生存権要求に韓米はむしろ大規模合同演習再開と戦略原子力潜水艦など「最終兵器」投入でこたえた。サイバー空間がふさがり北朝鮮の発展権確保も難関にぶつかった。北朝鮮が注力してきたIT技術者を通じた外貨稼ぎと暗号資産奪取などが韓米をはじめとする国際社会の各種制裁により不如意となり、金正恩の統治資金もますます枯渇している実情だ。
3番目、北朝鮮の核は米国が主導する「統合抑止」にも少なくない動力を提供している。米国の統合抑止はインド太平洋地域を単一戦区と想定して北大西洋条約機構(NATO)の大西洋同盟と域内2国間同盟国をひとつにまとめて「乗数効果」を最大化する戦略だ。同盟国間の協力を通じて同盟国の資産と前進配備された米軍の戦力などを統合して域内安保脅威に対応する戦略が計画通りに進行される場合、北朝鮮は韓日米豪とNATO同盟国が結びついた巨大な安保協力体を相手にしなければならない。北朝鮮の核抑止力は最大化され逆に北朝鮮の核効用性は最小化される結果につながるという話だ。
休戦70年間に固まった韓半島の対立構図が短期間で消滅するのは容易でない。特に北朝鮮の核が世界を相手に「実存的脅威」を加えている状況で韓半島平和は依然として見通しが暗くなったのが現実だ。だがこれと同時に北朝鮮が描く「核ある韓半島」もまた決して完成されることがなく容認されることもないというのが最近の国際社会の共通した合意だ。結局北朝鮮が休戦協定日を「戦勝日」と呼ぶ「対決と誇示の政治」を中断し対話の場に出る時に韓半島平和の端緒が設けられる。韓米共助をはじめとする国際社会の連帯がいつになく重要な理由だ。
パク・ウォンゴン/梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科教授。韓東大学教授を務め梨花女子大学統一学研究院長と東アジア研究院北朝鮮研究センター長、統一部・国防部政策諮問委員などを務めている。
北朝鮮の核疾走で固まる対立構図、短期間に消滅しないだろう(1)
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