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「気温1度上昇で性暴行6%増加」…極限気候の背筋が凍るような警告(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◇「暑さが人を怪物に」…熱に弱い脳

気候変化が暴力や犯罪増加につながる原因として、医学界ではセロトニンという神経伝達物質に注目している。学術誌「Nature(ネイチャー)」の姉妹紙「Scientific Reports(サイエンティフィック・リポーツ)」などによると、セロトニンは人間の攻撃性をコントロールする物質だが、高温に比較的弱い。極限の暑さのためセロトニンが欠乏すると、アドレナリンやエンドルフィンのようなホルモン分泌を調節することが難しくなり、これに伴って暴力性と攻撃性が増すという説明だ。

複雑な問題を認知してこれを解決する人間の脳がいわゆる「熱(heat)ストレス」によって損傷しやすいという点も指摘されている。ハーバード大学保健大学院研究チームはボストンに住む学生43人を対象に実験研究を実施した。猛暑期間エアコンがない部屋に長時間いた学生が認知テストで他の学生よりも13%悪い成績を取り、全般的な反応速度も遅かった。アイオワ州立大学心理学科の研究陣は著書『気候変化と人間の行動』で「高温により、脳を冷ますために人間は身体の他の部分に資源を転換することになる。このような場合、脳が新しい情報を処理して感情を管理し、衝動を制御するのが難しくなる」と説明した。


◇社会的弱者であるほど「気候犯罪」にさらされやすく

社会構造的な面からアプローチする説明も出ている。洪水・干ばつのような気候災害で経済が難しくなり社会が混乱する場合、女性・子どもなど社会的弱者は暴力と犯罪にさらされる危険が大きくなる。特にネパール・バングラデシュ・インド・パキスタンのように経済と所得が気候に左右される農業に基盤を置いた国では、天気のせいで生計が難しくなると「憂さ晴らしの対象」が女性になる場合が多い。

今年初め、過去45年で最悪と言われた大洪水が発生したインド北部ビハール地域に住むデービーさん(40・仮名)はワシントン・ポスト(WP)に対して、激しい雨が降るモンスーン(雨季)になるたびに「夫が怖い」と話した。一年のほとんどを農場で雑用をしながら過ごず夫は大雨で仕事がなくなると家に来る。経済的圧迫による無力感に苦しめられた夫は妻に暴力を振るう。

国際児童救護非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」によると、これら南アジアの国々では女性や未成年少女は農業労働力の40%以上を占めて、食糧生産の60~80%を担っている。気候変化で極限の干ばつに苦しめられると、彼女たちは遠方にある川や井戸などから水を汲んでくるよう強要される。村と遠く離れた森などを行き来する過程で犯罪集団の標的になったり性的暴行に遭ったりすることが増える。

これについて国際救護団体「ケアインターナショナル」は「気候変動によって『二重不平等(double injustice)』を強いられている」と指摘した。英国イースト・アングリア大学のNitya Rao教授はWPに「気候変動が実際にどのような社会問題を悪化させるのか、その連鎖構造や証拠を最大限細かく把握することが重要だ」と強調した。



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