17日午後、車両浸水で多くの人命被害が発生した忠清北道清州市五松邑(チュンチョンブクド・チョンジュシ・オソンウプ)の宮坪(クンピョン)第2地下車道事故現場で、軍と消防当局が行方不明者の捜索と排水作業を実施している。[写真 フリーランサー キム・ソンテ]
与党要人も例外ではない。国民の力所属の洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱(テグ)市長は慶尚北道地域の土砂崩れが起きた15日、大邱八公山(パルゴンサン)ゴルフ場でゴルフをしていたことが分かり問題となった。ところで洪市長はソーシャルメディアを通じて「大邱は水害被害がなく、比較的自由に週末を送っている。週末にゴルフをしてはいけないという規定が公職社会にどこにあるのか」と反論して火に油を注いだ。一昨日は記者団に「あらをひとつ探したと言って蜂の群れのように飛びかかったからといって大人しくなる人間か」と言い返したのに続き、再度ソーシャルメディアに「まだ国民情緒法に寄り添って政治をするのはちょっとなと思う」と書いた。
真相把握に着手した国民の力指導部では「公職者が社会的指弾の対象になっても反省するすべも知らない開き直りの形態」〔金炳玟(キム・ビョンミン)最高委員〕という厳しい叱責が出てきた。オンライン上には「国民情緒が嫌なら政治をするべきではない」という嘲弄混じりの批判文が相次いだ。
あきれるのはここで終わらなかった。一昨日、忠清南道(チュンチョンナムド)水害現場を視察した国民の力の金起ヒョン(キム・ギヒョン)代表が特別災難地域宣言を検討するというと、同行した鄭鎭碩(チョン・ジンソク)議員が「さあ、拍手を一度お願いします」と言って拍手を誘導した。与党議員が被害農民の前で団体で手を叩くコメディのような珍風景が広がったのだ。また、元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官は牽引車が進入しなければならない道路の上でメディアインタビューに応じる様子がカメラに捉えられて議論になった。
今は何より追加水害の予防と被害の復旧に全力で集中しなければならない時期だ。特に茫然自失とした罹災民の喪失感に寄り添わなくてはならない。惨事と痛みを政争に利用しようとしたり、非常識な言動を繰り返したりするなら、どの国民からも理解を得られないだろう。そうした点で尹大統領の歴訪当時「大統領が今すぐソウルに駆けつけたとしてもその(水害)状況を大きく変えることはできない」と言った大統領室の認識も安易かつ無責任に見られるよりほかなかった。災難・安全のコントロールタワーを自認してきた尹大統領の約束とも相反するだけだ。
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