ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の傭兵がベラルーシに移動して駐留していると、ウクライナとポーランドの当局が明らかにした。ワグネルは先月２４日、創設者のエフゲニー・プリゴジン氏の主導で武装反乱を起こし、ベラルーシの仲裁で翌日に撤収した。ワグネルの傭兵のその後の動きは国際社会の関心を集めた。

ロイター通信などによると、ウクライナ国境守備隊のデムチェンコ報道官は１６日（現地時間）、自身のテレグラムで「ワグネルの動きが観測された。彼らはベラルーシにいる」と伝えた。

ポーランドも傭兵がベラルーシに駐留していることを確認した。ポーランドのジャリン特任調整官代行は自身のツイッターで「ワグネルの傭兵がベラルーシに駐留していることをポーランド政府も把握している」と明らかにした。駐留規模に関しては「現在、数百人いる可能性がある」と話した。


ベラルーシ内の軍事活動を監視する団体ベラルーシ・ハジュン・プロジェクトも１４日、ワグネルの傭兵を乗せたとみられる車両６０台がロシアからベラルーシに進入したと主張した。これら車両にはウクライナ東部に親露反乱軍が樹立したドネツク人民共和国（ＤＰＲ）のナンバープレートが付着していた、同団体は伝えた。

ベラルーシ当局は１４日、ワグネルの傭兵の一部が教官として参加する訓練の映像を公開した。ベラルーシ国防省は、ワグネルの傭兵が首都ミンスクから東南側に９０キロほど離れた小都市アシポビチ近隣の軍事地域でベラルーシ将兵を教育していると明らかにした。

プリゴジン氏の最近の姿だと主張する写真も親露テレグラムチャンネルに登場した。写真のプリゴジン氏は下着姿で野戦テントの中のベッドに座り、撮影に応じるような姿で手をあげている。１６日のインディペンデントなど一部のメディアはこの写真について、プリゴジン氏がベラルーシのキャンプにいることを示唆していると伝えた。この写真を公開したテレグラムのアカウントはこの写真が今月１２日に撮影されたものだと主張した。

ただ、この写真が撮影された正確な日は確認が難しい状況だ。テレグラフはこの写真が反乱事態以前の先月１２日午前７時２４分に撮影されたものと把握されると報じた。続いて「誰が写真を最初に流布したのかは不明だが、これはプリゴジン氏の信頼を落とそうとするロシア当局の宣伝と一致する」と主張した。

プリゴジン氏の行方をめぐってはいくつかの推測が出ている。プリゴジン氏はロシアから傭兵を撤収した後、ベラルーシとロシアを行き来したことが海外メディアで報じられた。ロシア大統領府は１０日、プーチン大統領が反乱後の先月２９日にプリゴジン氏と面談したと明らかにした。