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「往復27時間」尹大統領はなぜキーウに行ったか…「再建事業韓国の参加規模520億ドル」(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
突然の訪問だったが、歴訪途中の尹大統領の発言などを通じてある程度予想された側面もある。尹大統領は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での演説でウクライナ戦争終息に向けた国際社会の連帯に参加するとしながら「NATOのウクライナ信託基金に参加する」と明らかにした。欧州13カ国首脳との2国間会談の時も「ウクライナが速やかに平和を回復できるよう緊密に協力しよう」と話した。尹大統領はウクライナに最も近い隣国のポーランドがウクライナ再建のハブになるだろうということに着眼し、ポーランドのドゥダ大統領との首脳会談でも再建協力を核心議題に取り上げた。ウクライナ訪問はその延長線にあった。

尹大統領の決断は韓国企業の戦後ウクライナ再建事業進出を支援するための動きと分析される。「第2のマーシャルプラン」に比肩されるウクライナ再建事業は米国と中国、欧州連合(EU)を含む各国が水面下で角逐を行っている。事業規模が長期的に1兆5000億ドル(約208兆円)に達すると予想される中で韓国の民間・公共機関参の参加規模は最小520億ドル水準と大統領室は予測する。

これに先立ち尹大統領は前日のウクライナ到着直後に首都キーウ近郊ブチャの虐殺現場と、民間人居住地域でミサイル攻撃が集中したイルピンシを視察した。続けて戦死者追悼の壁を訪れて献花した後、大統領官邸でゼレンスキー大統領と110分にわたり会談を進めた。尹大統領は首脳会談後の共同メディア発表で「『生則死死則生:生きようとすれば死に、死のうと進めば生きる)』の精神でわれわれが強力に連帯しともに戦い抜くならば明らかにわれわれの自由と民主主義を守ることができるだろう」と話した。ゼレンスキー大統領の「大統領として死を恐れる権利はない」とした話に言及した後にした話だった。壬辰倭乱(文禄慶長の役)当時の李舜臣(イ・スンシン)の精神を現在戦時中であるウクライナに適用し、自由と連帯という2つの核心価値に対する守護の意志を明らかにしたものだ。


ウクライナ戦争を「ロシアの違法侵略」のためと規定した尹大統領は、韓国も「70年以上前に共産全体主義勢力の違法侵略により国家存立が脅威を受けたが、国際社会の助けで奇跡的に勝利した」と話した。また、「漢江(ハンガン)の奇跡」に例えて「ドニプロ川の奇跡」に言及しながら「韓国はウクライナの自由と平和、繁栄を育てるパートナーになるもので、さらにはウクライナとともに世界の自由、平和、繁栄にともに寄与する信頼できるパートナーになるだろう」と強調した。外交分野に精通した与党関係者は尹大統領のウクライナ訪問について「名分と理念的には自由・連帯に傍点を付け、経済的には再建事業に礎を置くという尹大統領の精巧な外交戦略が敷かれている」と分析した。

◇民主党「ロシアを敵対国にしたもの」=野党「共に民主党」は批判を浴びせた。権七勝(クォン・チルスン)首席報道官は16日の会見で「尹大統領はゼレンスキー大統領との首脳会談で『生即死死即生の精神』にまで言及しウクライナへの軍事的支援の可能性をさらに明確にした。尹大統領が直接戦場まで訪問したので意図的にロシアを敵対国にしたのも同然だ。今回のことでロシアの影響力下にある北朝鮮が武装を強化するなど韓半島(朝鮮半島)の緊張が高まるのではないかと甚だ懸念される」とした。金太年(キム・テニョン)議員も「戦争の火種を韓半島に引っ張ってくる危険千万なこと。休戦国の韓国がロシアを相手に戦争も辞さないという宣言と変わるところがない」と主張した。


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